アカデミー賞効果?

大正生まれの両親が珍しく「おくりびと」を観るというので、車で送りがてら私たち夫婦は「チェンジリング」を見ることにして、午後でかけました。ビックリ!!しました。まず駐車場が満車! しばらく待って何とか押し込んで、これはヒョッとすると、とエレベーターを待つ時間ももどかしく、映画館の中へ。

チケット売り場は長い列! あちらこちらの映画館が一杯になっているのをテレビで見ていましたので、今朝「おくりびと」はインターネットで予約しておいて正解でした。並んでいる途中から「おくりびと」の方は「ウリキレ」のサインが出て、あおりを食って「チェンジリング」の方も満席状態、前から3番目の席がやっと。どんなに梅田辺りの映画館が一杯でも今までこんなことはなかったので、これは明らかに「アカデミー賞効果」です!!

チェンジリング」は1928年、カリフォルニア州ロス・アンジェルスで実際にあった誘拐事件を題材にしたクリント・イーストウッド監督の作品。母親役はアンジェリーナ・ジョリー。事件の数ヵ月後、警察が探し出した子供は本当の子供ではなかったのですが、事件を早く解決したい担当警部は母親の訴えを聞こうとせず、逆に母親を精神病院に送り込んでしまう。しかし、別の事件を追う刑事から、意外な事実がわかり・・その後、犯人にたどりついてという映画です。その描き方が、というより、猟奇的な事件そのものがおぞましく、また、警察の腐敗ぶりや精神病院での扱いや、死刑執行のシーンなど、かなりリアルに映像化されていて、ヘビーです。正直なところ、もう一度「おくりびと」を一緒に観てもよかったと思いました。

さて、両親の感想が気になります。父は、「展開が面白く飽きずに最後まで引き込まれて見た。よくこんな題材を映画にしようと思ったな〜、思い付きが凄いな〜、偉いな〜」と感心ひとしきり。母の方は、「一人かと思っていたら、たくさん死にはって・・・」と言うので、「仕事が仕事だから、それは」と私が変な言い訳?をしたり。「外国の人はこういう死者の送り方を珍しくて良いと思ってくれたのかね〜」とも。思い通りの内容ではなかったかな? でも、どんなに誘っても「作り話は苦手」と映画やテレビのドラマは滅多に見ない母が、今回は「暗いニュースばかりの中、若い人たちが頑張って良かった良かった」と大変な乗り気で実現した両親のアカデミー賞授賞作品の映画鑑賞でした。

写真は百日紅です。花が終って、実がなり、種を抱いて、その種を弾いた後の殻です。
太陽と雨、風、露にさらされて、こんなステキな色になりました。