NHKスペシャル「JAPANデビュー」第1回「アジアの一等国」より

NHK「プロジェクトJAPAN」プロローグ「戦争と平和の150年」

3年がかりの構想というのをまずNHKのHPから紹介
     2009年は横浜開港から150年
     2010年は韓国併合から100年
     2011年は太平洋戦争開戦から70年・サンフランシスコ講和条約から60年
3年間というのはそれぞれ大きな節目の年に当たるというわけです。なるほど・・・

NHKスペシャルのシリーズ「JAPANデビュー」では
     第1回 アジアの一等国(4月5日放送済み)
     第2回 天皇憲法(5月3日予定)
     第3回 貿易で立つ国家(仮)
     第4回 軍事強国(仮)

ETV特集のシリーズ「日本と朝鮮半島2000年」では
     第1回 太古 人々は海峡を越えた(仮)
     第2回 任那日本府の謎(仮)
     第3回 仏教伝来 渡来人たちの旅路
     第4回 白村江 敗戦ショックが生んだ日本
         〜〜〜〜略
     第10回 韓国併合への道


と多岐にわたり興味深いテーマで放送が予定されていてナカナカ面白そう。
司馬遼太郎の「坂の上の雲」もこの一環でスペシャルドラマとして今年11月放送予定だそうです。
ドラマは別としても、他の関連番組はチェック漏れとかでマタマタ見逃しそうな気配?で心配。


写真は今朝の桜のトンネル:今年はたっぷり1週間楽しめました。入学式、入園式にも花を添えて

ややこしいですが、「プロジェクトJAPAN」の中のNHKスぺシャルの新シリーズ「JAPANデビュー」の第1回「アジアの一等国」はすでに再放送も済みましたが、これも大変考えさせられる内容でした。
「万国公法」(坂本竜馬が世界の規範をこれで知ったという本です)には国の主権は同一だけど国には等級がついていて、植民地の統治能力のあるのを一等国と呼んだらしい。
日本はこの「一等国」をめざして台湾統治をうまくやり遂げようとした。

お手本は二つ、フランスのアルジェリアに対する同化政策か、イギリスのインドに対する特別法による支配か。
日本は折衷案で「臣民」と「特別法」で対処したという。ところが後藤新平は「ヒラメの目をタイの目に変えられない」として特別法を駆使して抵抗運動を徹底的に弾圧。1910年の日英博覧会では「人間動物園」として先住民族を見世物扱いしていた。日本も台湾の少数民族の人たちを連れて行ったという。


1914〜1918年の第一次世界大戦では日本は英国側で戦勝5大国の一つとなり列強より一等国と認められる。
その後ウイルソン民族自決主義が台頭。インドのガンジーベトナムにはホーチミンの解放闘争が始まり、挑戦でも三・一運動が起こり、台湾でも議会設立嘆願書が出され自治を求める運動が起こる。
原敬内閣ではこれに同化政策でこたえる。琉球での同化政策の成功例があり、小中学校への進学を許可し、日露戦争にも出兵していた。

1923年には皇太子を招いて臣民を実感させ日本化を図った。1939年日中戦争に突入、皇民化に拍車がかかり、強制的に日本人化、日本語使用を強要、創氏改名、改姓名、神社参拝強制、宗教弾圧、取り壊しが始まった。日本人精神を叩き込み、「洗脳」教育と言われた。

1941年〜1945年、太平洋戦争(アジアの植民地解放が目的とされた)が始まり、台湾人日本兵21万人が中国南方戦線へ送られた。1945年、敗戦。50年統治してきた台湾を手放す。3万人以上が戦死。

70歳以上の台湾の人たちは今も日本語で軍歌をうたい、教育勅語は空で言える。
同窓会に集まった一人にあの時代の感想を求めたとき、その人が嗚咽を噛み殺しながら「嫌だっ!! 差別してっ、バカにしよって!」と悔し涙とともに絞り出すように言うのを聞いて、私は驚くとともに、「あ〜やっぱり、そうだったの」と思いました。
私は日本の植民地支配が一番上手くいった例が台湾で、教育、産業、文化など現地の人たちから感謝されていると聞いていたのでした。同化政策とはいえ差別(給料とか昇進とかでの)は厳然としてあったとも。そりゃ、そうですね〜。言葉を奪われて、宗教を奪われて、感謝もないもんです。


「他者と共有できる歴史を探るべき」「他者がなぜ日本をこのように見るのか理解しなければならない」「過去と向き合う中で明日を」、どれもその通りです。知らないことは知る努力をすべきですね。(「戦争と平和の150年」は次回に)