「郵政民営化」とは?

選挙前に読んだ副島隆彦植草一秀の対談本「売国者たちの末路・私たちは国家権力と闘う」をもう一度読み直しました。
副島氏の発する「売国者」とか「売国」という言葉に「非国民」と同じような嫌悪感を覚えて内容を素直に読めなかったのですが、どうも事態は書いてあるように進んでいる・・・と思い直して読んでみました。(植草さんに言われて売国奴売国者に変えたそうですが)

売国者たちの末路

売国者たちの末路

中川昭一氏のあの事件(酩酊、あるいは朦朧会見)は謀略だった、小沢一郎攻撃(西松問題での秘書逮捕)のきっかけは「米軍不要」発言だった、とかまだまだ信じられない思いですが、先日の「たかじん…委員会」の番組でも「アメリカから睨まれた(嫌われた?)政権(政治家)は失脚していることは本当だ」とあの森本氏が発言していました。戦後の占領下の時代やその後のアメリカの謀略についてはまだまだ判らないことがありますし、CIAの暗躍については誰でも知っていて映画になるくらいですので、日本人の想像も及ばぬ信じ難いことがあったとしても・・・なんですが、こちらには深入りせず、郵政問題を。「2001年4月に小泉政権発足。当初から郵政民営化がとりあげられて、小泉さんの長年の持論といわれていたが、実は1994年以降アメリカは日本に対して年次改革要望書という文書を突きつけて、事細かに日本の仕組みを変更せよと指示をだしていて、その中に郵政民営化が大きく取り上げられてきた。(植草)」

この「年次改革要望書」については、「たかじん…」で知ったのですが、国の大きな問題だけでなく、バイクの何だったか忘れましたが、なんでこんな事をアメリカから言われなアカンの?というような事が入っていて、それはどうも、自民党が、日本人が外圧に弱いのを利用してアメリカから言ってもらう為、「アメリカが言ってるから」というと事が進むので頼んでいるらしい、という説明がドナタかからありました。妙に納得?してしまいましたが・・・「郵政」に戻ります。
アメリカの狙いは保険、郵貯、不動産の三つ。直接的には保険業と言われた。アメリカンファミリーやアリコなど、がん保険などの医療保障を特徴とする保険商品で、日本のテレビCMでの占有率が非常に高いことから分かるように、彼ら外資は是が非でも日本で販売したい。この資金源は郵便局の郵貯簡保の300兆円。」「2003年、りそな銀行問題が片付いた夏以降、郵政民営化の動きが本格化。その任務をうけたのが竹中平蔵氏。小泉・竹中政治による”日本収奪”の第1弾がりそなおよび日本崩壊政策。第二弾が郵政民営化

2002年9月30日、内閣改造で、竹中氏、経済財政政策担当大臣、金融担当大臣を兼務。
2003年3月20日アメリカがバクダッド攻撃、イラク戦争を始める。
同年 5月22日 小泉首相テキサス州郊外のブッシュ家私邸に招かれる。
同年 その1週間前、竹中氏東京にて、りそな国有化の発表。
2001年秋から2003年にかけての経済悪化推進と金融処理は全部、仕組まれた政策ではなかったか
不況推進の経済政策と「大銀行も潰す」金融行政方針により株価暴落を誘導しておき、最後の最後で公的資金で銀行を救済して株価を引き上げる--そのシナリオがあれば、濡れ手で粟の大儲けが可能になる。一連の政策対応が、風説の流布や株価操縦にあたる恐れがあり、シナリオを事前に知った上で株の売買をしていればインサイダー取引にあたるでしょう。巨大な国家犯罪のにおいが充満していると言ったのはこのことです。(植草)
2005年9月11日の総選挙を経て、10月21日に郵政民営化法、成立。
2007年10月1日、日本郵政株式会社が正式発足、今日に至る。

郵政民営化の本当の狙いは巨大な「不動産」日本郵政グループは「株式会社ゆうちょ銀行」「株式会社かんぽ生命保険」「郵便事業株式会社」「郵便局株式会社」の4社から成る。そのうち、「郵便事業」と「郵便局」の2社の保有する不動産だけで2兆4000億円という簿価になる。「ゆうちょ」と「かんぽ」にはほとんど不動産はつかない。この2社の株式については、持ち株会社である日本郵政が全株式を2017年9月までに市場で段階的に売却してしまうことになっている。また、「郵便事業」と「郵便局」を傘下に持つ日本郵政の株式については、現在はそのすべてを政府が保有しているが、出来るだけ早期にその3分の2を上限に売却されることが定められている。この日本郵政株式を買い進めて政府保有の3分の1を超え、全体の2分の1を保有すると、日本郵政を支配できるわけです。(植草)

かんぽの宿」突然の減損会計の謎簡保の宿全国79施設を、総額109億円という恐るべき安値の「やらせ」の落札(入札)価格で手に入れようとした宮内義彦会長に対して、鳩山邦雄総務大臣が「待った」をかけた。「日本国民の財産を、外資へのたたき売りから守ることが出来て良かった」と思ったが、どうももっと裏の動きがある。古来、固有資産の売却、すなわち”払下げ”には、必ずその時代を象徴する疑獄(政治汚職)がつきまとう。(副島)

かんぽの宿は、2005年10月21日の法律で売却が決まった。2005年3月期決算までは、かんぽの宿の簿価は減価償却分しか下がっていない。ところが2006年3月決算から、突然、大幅な減損会計が行われる。日本郵政株式会社の正式発足は2007年10月1日です。2007年3月時点で、「郵政民営化承継財産評価委員会」が最終的な簿価を算定したが、結局その委員会が、かんぽの宿の簿価を129億円という価格まで引き下げた。2400億円を投じたものが129億円にまで急降下した。(植草)

この評価委員会の13人のメンバーの唯一の不動産鑑定士が所属する不動産鑑定事務所はオリックス・キャピタルの出資を受けている。オリックス破綻の噂は流れても、この“国有地払い下げ疑獄”は記事にならない。オリックスの資本の背後関係を調べているが、ブッシュ時代の財務長官のジョン・スノーが会長を務めるサーベラスというファンドの力が一番強いようだ。愛国的な官僚の内部告発で鳩山邦雄さんが待ったをかけたが、相手がサーベラスオリックスでは最後は鳩山さんが大臣の椅子を追われることに。(副島)」    (「日経」切り抜きより)


アリコとアメリカンファミリー。そうでしたね〜。
大物俳優、大物タレント総出演のコマーシャルが毎日、何回も何回も流れていました。
今ではアヒルだけでなく猫まで踊ってニャフラックと言ってます。
その影で郵政民営化の名のもとにこういう大きな動きがあったということです。
あの頃、小泉・竹中コンビの唱える「規制緩和、自己責任」が金科玉条でした。
わが街でも、「規制緩和」の旗のもと市役所の目の前にパチンコ店が進出、それに反対する母親たちには、
どんな環境でもよい子に育てる「自己責任」を真顔で説く市会議員がいました。


郵政民営化に反対したとはいえ、同じ党の国会議員に刺客を送ってまで・・・というのは、確かに日本的とは思えません。
郵政民営化の狙いが日本の資金をアメリカに流出させることだったとすると、政権交代でストップがかかりました。
亀井さんが執念を燃やしている理由がわかります。
日本郵政西川善文社長は辞任を求められていますが、まだ応じてはいません。


植草氏は小泉・竹中の政策に敢然と反対したため2度もひどい目にあったということです。
選挙戦に入る直前の8月3日に収監というのも、植草氏の民主党支持を明言、自民党を激しく批判するブログのアクセス数が急騰中だった、ということから政治的な判断があったのではないかと思われます。政権交代を「無血市民革命」と位置づけたのも植草氏でした。
信じられない、信じたくない話でも、事実なら、避けて通るわけには・・・


あの麻生さんがそういえばあのダミ声で「これ以上日本の財産を減らすわけにはいかない」と言っていました。
白洲次郎の「今に見ていろ」の悔しさはなんだったんでしょうか・・・