「合唱団を作ろう」

先週、NHKの衛星第一(BS1)で放送された「世界のドキュメンタリー」、イギリス製作のシリーズ、「合唱団を作ろう」、
とっても愉快で痛快な青年の活躍ぶりを楽しく見ました。
イギリスのギャレス・マローンという合唱指導者のお話です。
第一話は男子校にコーラスグループを作り、ロイアル・アルバート・ホールに出演するまでの8ヶ月を追ったもの。
スポーツクラブはあるけれど「歌を唄うなんて!」という子ども達をあの手この手でスッカリその気にさせていく指導者ぶりが描かれます。合唱なんて女のすること、と思っている男の子と運動部の先生たちを、最初は馬鹿にされながらも粘り強く誘って歌の楽しさを説いていきます。ラップをやっているグループも参加させたり。

このギャレス・マローンさんが何とも素敵なのです。唄ってみせる歌声がまず素敵。どこをどう直せば上手くなるのかのお手本を示せるのですから極めて優秀な音楽家ってことが解ります。ルックスもご覧の通りの優男風ですが、どうしてどうしてナカナカの強の者。そのギャップも愉快。

第二話から四話まではロンドンの北にあるサウスオキシーという貧困で荒れていて、周りの人たちからも怖れられている街。住んでいる人たちもスッカリ打ちひしがれて・・・という。そこに合唱団を作り、人々に自信と誇りと絆を回復させていくお話。お話と言っても筋書きのある作り話ではなくて、ギャレスさん一人の前向きな努力が人々を巻き込んでいくのですが、それはもう政治が住民を変えるというよりはもっと大きな規模で街中の人々の意識を変えていく様子が描かれていきます。


まず大人たちの合唱団と少年少女の合唱団を作る。次に狙ったのは?ボクシングをするイカツイ男たちのグループ。まるで歌とは無縁という人たちを引き込む作戦です。そしてこの3つのグループを一緒にしてコンテストに出場します。見事なコーラスで聴衆の喝采を浴び、街の印象をガラリと変えてしまいます。それまでに持っていくのにギャレスの大奮闘があるのです。人間的魅力も充分だからですね。キーボードをかかえて出前の指導に出かけます。諦めない、目標を高く掲げて決して諦めない。素晴らしい指導ぶりです。

最終回はOBグループを加えて、4グループ250人以上のコーラス隊でサウスオキシー住民全体を巻き込む野外フェスティバルの開催です。当日の雲行きが怪しくハラハラしますが、お天気は持ち直して、6000人を集めて大成功。これまで8ヶ月の成果です。次のプロジェクトを抱えるギャレスですが、コーラスグループから慰留されていたのを最後には受けて指導をつづけると字幕で。
こんな仕事があるんですね〜 ギャレスはどうも8ヶ月で合唱団を作る仕事人なのです!