興奮さめやらず、ニュース番組のはしごをしながら12時過ぎまで同じ映像を何度も見てしまいました。
膳場さんのコメントにあった「美しくて残酷な」フィギュアスケートという競技の魅力を存分に味わいました。
ラフマニノフの陰鬱で重厚なスラブの鐘は19才の日本人女性の身体と感性では十分には鳴り響かなかったようです。
このプログラムはカテリーナ・ビット(旧東独)が演じるのを見てみたい。民族的な背景が余りに違いすぎているような。
大きく手を振りかざして懸命に舞おうとする姿には、過大な要求に必死に取り組む大和撫子の悲壮感が際立っていました。
自分以外の所為にするのが嫌いな真央さんからすると、タラソワさんから与えられる課題に応えようと励むだけで、要求にこたえられない自分を叱咤激励して追い込んでいくのでしょう。でも、このバンクーバーでは、その課題そのものが正当で自分に合ったものなのか問うことを学んでほしいですね。
そもそもタラソワさんが課した課題が真央さんの能力と体力の限界を超えたものではなかったか、本当に19才の日本人女性が表現できる、あるいは、表現しなければならなかったものなのか。早い段階で周りからはそういう疑問もあり、NHKの番組では、タラソワさん本人ですら「鐘」でいいの?と真央さんに確認されていました。でも、演じる本人である真央さんが受け入れず(ここまでやってきたことが無駄になる、タラソワさんに申し訳ないという何とも日本人的?理由で)、果敢に取り組んだ結果を私たちは昨日見たわけです。日本の片隅の茶の間でテレビを見ているような私でさえ、真央さんの意思を尊重して、これだけは本番が終わるまでは言うまい、と思っていました。だから真央さんの周囲の方たちはきっと思っていても言えなかったことでしょう。
次回はもっとご自身の持ち味を活かした音楽と振り付けでのびのびと真央さんらしく跳躍、舞い滑る姿を見てみたいと切望します。アスリートでありアーティストでもあるという道は素晴らしいし、真央さんなら頂点に立てるはずと思っているからこそファンは期待してしまいます。
それにしても、伊藤みどりさん以来のトリプルアクセルを3回も跳んだ偉業は素晴らしい!
解説の八木沼さんが指摘されていたように日本人以外は余り評価していないのでしょうか? こういう難度の高い演技が得点に反映されていないとしたら、プルシェンコが戻ってきてまで会見で訴えたことをスケート界全体で考え直してほしいですね。こういう所は政治力の世界なんでしょうか。日本人が活躍するとルールが変更されるというスキー(ジャンプやノルディック複合)で知られているように。OBたちのアスリート魂を発揮してほしいですね。
今回、日本から男女3人づつ出場して、全員が8以内入賞。団体戦なら金メダルとどの局だったかで言われていました。
本当に日本人選手の活躍はすばらしい。川口さんはロシアで、日系のリード姉弟は日本で、お姉さんはグルジアでと、まるでオリンピックも、卓球やサッカーや相撲みたいに、人種や民族や国を超えた競技にもなってきました。
これも時代ですね。国の代表か個人なのか・・・混沌がいいのかもしれません。