山の漫画「岳」

岳 (1) (ビッグコミックス)

岳 (1) (ビッグコミックス)

夫が山仲間から借りた「岳」という漫画、山が好きな人たちの読む漫画かな〜なんて思いながら手にとって読んでみたら素晴らしい!! 
今回、1〜7巻までまとめて借りてあったのを、昨日一気に夢中で読んでしまいました。
中身が濃いというか、泣ける話が沢山!! 山が好きな人の気持ちが分かるというか、山が好きになるというか・・・
「世界中の山を歩き、山の素晴らしさ登山の厳しさをよく知る男・島崎三歩」という山岳救助ボランティアが主役?の漫画なのですが、「日本アルプスにやってくる人たち。生と死が隣り合わせの過酷な状況下で三歩と山に登る人たちはどう繋がるのか!?」が短いエピソードを連ねて描かれています。生と死は隣り合わせ。あっけなく人は死に、残された者は怒り悲しみという現実が日常として描かれていきます。山マニアの人には薀蓄が楽しめるように、山素人の者にはごく普通の人生がどう山と関わることになるのかが描かれています。
とにかく、三歩さんが魅力的! とことん優しいのです。どんなに無謀で無計画で非難されても仕方ない状況で事故にあい辛うじて生き残った人にも、力尽きて命を落としてしまった人にも、三歩さんは優しい。どうしてそんなに優しくなれるの?と不思議なくらいに優しい。
山が好きだから、山が嫌いになってほしくないから、本人にも、その家族にも山が好きでいてほしいから…というのがその優しさの原点・・・
これを読むと山へ行く人に文句を言えなくなる・・・それが、狙いだったかも?