[悩む力」

一昨日、私のお友達の中では最高齢の82歳の方からお電話を頂きました。病院の待合で読む本を貸してほしいということで、先日の新書大賞1位、2位の2冊を今日待ち合わせ場所に持って行くことになりました。昨日、ヨーガへ行ったら、以前に新書の「小沢主義」を貸して下さった方が、新書を2冊差し出して「読む?」と。一昨年(08年)のベストセラーの姜尚中(カン・サンジュン)の「悩む力」と「在日」の2冊です。読みたかった本でしたので、有難く読ませていただくことに。(因みに「悩む力」は2009年の新書大賞の8位でした。)

悩む力 (集英社新書 444C)

悩む力 (集英社新書 444C)

どちらから先に?と迷ったのですが、読みやすそうな方からと「悩む力」から先に読み出しました。夕方、風邪気味でおなかの調子もよくないので、かかりつけのお医者さんに出かける時、先輩さんに倣って、バッグに新書を入れていきました。で、夕飯の支度にかかる前に読み終わってしまいました。
私たちとは100年違いの世紀末を悩みつつ生きたマックス・ウェーバー夏目漱石の二人を取り上げて、章ごとにテーマをたてて姜さんの考え方、生き方が語られていきます。ドイツと日本の先人が直面した問題と私たちの今の問題に共通したものがあり、それが現在の方はより深刻になっているのではないかといいます。自由は得たが、かえって不安や悩みは深刻。たとえば恋愛においても。というのは、よくわかります。情報過多の今、「知ってるつもり」と知性は別物だとか、「自己チュー」と「自我」は別物とか、テーマごとに今の問題点が明らかにされていくようで、解りやすい。社会の中で自分の存在を認められることが、働くことであり、生きていく力になるというあたりも、老いも若きも男も女も共通して直面している問題ですので、その通りだと思います。まじめに悩んだ末に突き抜けろ、というのが姜さんの締めくくりです。
「2014年に、4人に1人が65歳以上になる社会」! もう、すぐ、そこ! 「一身、2生」で還暦を境に第二の自分を生き直す。そういうパワーが日本を変えていく力になる・・・かもと、姜さん自身も考えていて・・・