蕾の薔薇


             五月の柔らかな朝に蕾たちが開花に備えて静かな充実の時を過ごしています
「英国の政権交代をもたらした総選挙前夜の5月5日、ロンドンのバービカン劇場で井上ひさし作、蜷川幸雄演出の「ムサシ」が初日を迎えた。」という書き出しで始まる記事が日経15日(土)朝刊の文化欄「文化往来」という小さなコラムにありました。
大成功の様子を伝えています。紹介されている現地の評は:
「深い禅の黙想から覚め、精神が清められた」(デイリー・テレブラフ)
「誌的な愛らしさのある場面であふれる」「タイムズ」
「生と死は一体であるという領域へ我々を連れていく」(インディペンデント)
「心を映す竹林のざわめきを『マクベス』の桜に重ねて」論じる通の劇評(ガーディアン)
「舞台は宮本武蔵佐々木小次郎の決闘後日談で、生きていた小次郎と武蔵は禅を学んで生きる大切さに気づくという物語。観客には、テロや戦争の恐怖を想起させた。対イラク戦争への参加がもたらした反戦ムードが労働党敗北の遠因となっただけに、説得力があったようだ。」

1997年のチラシ   ]
蜷川さんの「マクベス」はシェークスピアの大胆な日本版で、栗原小巻マクベス夫人を演じ、舞台は大きな仏壇で囲われ、その中で演じられるというものでした。私はロンドン大成功の日本凱旋公演を大阪で見ました。その時、舞台一面さくらというシーンがありました。妖しげな美しさでした。斬新な装置や衣装や客席からの出入りなど当時ではショッキングな体験でした。
ついでに翌年の1998年の切抜きとコピーは、これもロンドン凱旋公演「身毒丸」の藤原竜也くん。初々しい少年でしたが、今は立派にムサシですね。
●15日から、彩の国さいたま芸術劇場で公演後、7月にはニューヨークとか。