雨の今日、午後から国立国際美術館(以前は万博公園内にありました)のルノワール展に車で。
去年の今頃は、丁度ルノワールが晩年を過ごした南仏カーニュ・シュル・メールのレ・コレットの丘にある
アトリエを訪れていました。樹齢数百年のオリーブの林があって、とっても静かな場所でした。
(中ノ島の大阪市立科学館の隣に入り口(写真左)があります。美術館は地下になっていますので入り口だけが地上に。)
「ブージヴァルのダンス」 これで実物(ボストン美術館)を見るのは3回目くらい。前回見たときは目の位置より高い所に掛けてあったのですが、今回は低い場所にあって、人物が実物大ほどに見える位置。全く違って見えたのに驚きました。そして圧倒的な存在感です。
モデルは18歳のマリー・クレマンティーヌ・ヴァラトン(1865−1938)。後に画家シュザンヌ・ヴァラトンとなり、モーリス・ユトリロ(1833−1955)の母ともなります。以前に見たときは女性の視線の先のスミレの花束とタバコの吸殻が印象的でしたが、今回はばら色の頬を輝かせて身を硬くして身体を寄せて踊っている淡いピンクのドレスと頭を包む赤い帽子をいつまでも見ていたくて佇んでいました。
もう一つ印象に残ったのはチラシには載っていないのですが、「ジュリー・マネの肖像」。1894年の作品で、モデルは母親がルノワールの親友のベルト・モリゾ(1841−1895)で、父親は同じく印象派の画家であるマネ(1832−1883)の弟(1834−1895)です。ジュリーは16歳で孤児になりますが、ルノワールが親しく面倒をみたそうです。肖像画は15才のジュリーで、私は姪っ子にソックリで驚きました。
肖像画では何といっても、チラシやチケットにも使われている、「可愛いイレーヌ」。8歳の女の子を描いたものですが、かわいい少女の横顔と流れる金髪が生き生きとして輝くようです。他にも「テレーズ・ベラール」は13歳の少女の肖像画ですが、これも惹きこまれます。
ルノワールは印象派でスタートしますが、描き方には迷いがあって、イタリア旅行で古典主義の輪郭をハッキリとした線で描く方法を取り入れたり、彫刻をしたりと絶えず模索を続けた画家で、それを辿った展示になっていました。
裸体画の豊満な女性像は美しいとは思えません?が肖像画の女性像は19世紀末から20世紀初頭に掛けての豊かで堅実な女性を
温かく幸せに描いた偉大な画家でした。 マウスパッド(真ん中)を記念に。
さて、昨夜のFIFAワールドカップのサッカー、カメルーン戦、日本1:0で勝ちました!!
(←讀賣夕刊)(↑日経朝刊) 岡田監督の評価がV字回復とか。良かった〜