「新帝国主義時代」?

午前中は父の入院している病院へ3人で出かけて主治医の先生のお話を聞きました。
まだ不整脈が残っているので、薬で心臓の働きをコントロールします。こんなにシッカリした90歳代の患者さんは初めてで、上手にコントロールできれば100歳まで大丈夫と言われました。昨夕から酸素の管も外されて院内を歩く事もできるようになりました。母が、今度退院したら少しはポックリ行く事も考えて身辺整理をして下さいねと注文していました。父は笑っていましたが、どうするでしょうか。

さて、昨日はロシアのメドジェーベフ大統領が国後島を予告通り訪問。帰ってきた息子が遅い食事をしながらニュースを見て「ダメだな〜」。佐藤優の本を読んでいた者同士、考える事は同じで、「鈴木宗男をはずすからだ・・・」と。

新聞論調(我が家は日経ですが)では、尖閣諸島問題での日中関係、今回の北方四島問題で日露関係で日本の外交力が低下している、沖縄の普天間問題を早期に解決して「強固な日米同盟の再構築が最優先だ」そうです。

朝のどの局だか、珍しく電話取材を受けて佐藤勝氏が分析していました。「時代は冷戦下の協調外交の時代が終わり、新しい帝国主義の時代に入っている。力で押して通れば良し、押し返され無い限りはそれで行くという時代に入っているのを日本の外務官僚が見逃している。」というようなお話でした。

日本を取り囲む国々が確かにナリフリ構わぬ力の外交に入っている、その先頭に立っているのがアメリカだと思います。
北方四島に対してアメリカは責任があるにもかかわらず一切ソ連時代にもロシアになってもハッキリ抗議しようとしないのはアメリカが沖縄に対して同じことをしているせいだという見方があります。
沖縄の問題でアメリカ、尖閣諸島で中国、北方四島でロシア、竹島問題で韓国と領土問題だけでこれだけ、拉致被害者の問題では北朝鮮とも大きな問題を抱えています。前原さんのようにただ原則論をオウム返しに繰り返すだけでは外務大臣は務まらないでしょう。
アメリカに対してハッキリものが言えないような日本だからこそ他の国々にもハッキリした態度がとれないのではないかと考えてしまいます。
いつまでもアメリカ頼みでは・・・アメリカの国内も大変なんだと先日のNHKのニュースを見てそう思いました。税金が自分たちより貧しい人々や恵まれない人々の為に使われるのは我慢ならないという時代になっています。貧すれば鈍す。内向き、人種差別、格差の拡大とアメリカ自身の抱える問題も深刻です。先進国と言えども自国の利益を守ることに必死で、余裕の無い時代に入っています。
アメリカのドルの力が下落すると共に、拡張主義になっている中国やロシアが、いつまでもアメリカ頼みの日本の隙をついてきただけのこと。日本自身が中国やロシアとどういう関係を築きたいのかが明確でないことが今回の尖閣諸島や昨日の国後訪問を引き起こしたと思います。
それなのに、この二つの問題の解決も日米同盟強化で解決しようとするのでは、もう、日本もおしまいです。
アメリカが何をしてくれるというのでしょう。アメリカが何をしてくれたというのでしょう。その結果が今なのに・・・