「ニーチェ」って暗い人?

ブログで教えてもらってNHKの4月スタートの新番組「100分de名著」という番組の最初に取り上げられたニーチェの「ツァラトゥストラ」を録画で見ています。今夜はその4回目で最終回です。私にとってはそれこそ「ニーチェって?」で、100分で早分かりできるならと見ることに。
クラシックの曲でリヒァルト・シュトラウスに「ツァラトゥストラはかく語りき」という曲があり、以前から「ツァラトゥストラ」って何のこと?と思っていました。ニーチェツァラトゥストラが結びついたのも今回初めてかも・・・
ニーチェといえばニヒリズムとかルサンチマンとかで暗い人?のイメージでした。
ところが第一回目(ルサンチマンを克服せよ)で、この二つとも登場します。
西研という東京医科大教授の哲学者先生の解説では、ニーチェはこの二つを否定・超克する考えの人であったというのです。私の印象が、全く入り口の聞きかじりであったことがわかりました。<ルサンチマンというのはフランス語で、「センチメント」に繰り返しの「り」をつけた言葉で、感情が繰り返すという意味ですが、実際には「恨(うら)み・妬(ねた)み・嫉(そね)み」>などの負の感情のことを言います。
第二回は「神の死」から「超人」へ。
「超人」とは、ニーチェは具体的に語らず、超人に至る三段階を述べていると解説されます。重荷を背負うラクダから、意思持つライオンを経て、最後は無垢なる幼子へ。西先生はこの三段階は日本の「守破離」に通じるとも。最初はお師匠さんの教えを守り、次の段階はそれを破り、最後は教えを離れて自分独自の表現なり技なりを身につけるということで、要は人生の達人?
第三回は「永遠回帰とは何か?」。
人生の良い面、楽しい面だけでなく、辛く悲しい面も含めて同じ人生を永遠に繰り返すことを貴方は良しとできるか?という問いかけ・・・
で、以前からNHKのこの手のテキストは値打ちがあるので、今回も買い求めようと出向いた箕面の書店には置いてなくて、息子に頼んで550円のテキストを入手。これが番組以上に面白くお値段以上の内容です。
今夜のテーマは「現代に”超人”は可能か?」です。
西先生の解説を先に読んだのですが、共感できます。<「悦びと創造性の精神」でもって生きる>の項目の所。
「コール・アンド・レスポンスーー呼びかければ応えがかえってくるという安心できる空間が、自身の感覚を言語化する時の的確さと、相手の言葉を受け取る際の鋭敏さを育てる」、「創造性は尋ね合いが土台となってはじめて展開する」=「表現のゲーム」を育てて行けるかにこそ、この個別化がきわまったようにみえる日本社会の一番の課題。
なんだか大震災と原発事故で日本が体験している今を克服できる鍵のような考え方に思えてきます。
桃と山   ソラマメと山