昨夜の電話(平時と緊急時)

昨夜夕食が終わって一本の電話。
Nさんからです。色々話しているうちに、福島から乳飲み子と幼子を連れて姪っ子が避難してきたというIさんの話に。Iさんが私と会った事を懐かしいと話したとか。
そう、土曜日のお客さんご夫妻と龍安寺へ行ってから駅まで見送ったあと、二人で銀座?通りに入ったところで、Iさんと何年ぶりかでバッタリ出会いました。
5月のお茶のお稽古で、NさんからIさんのお話を聞いていましたので、「Nさんから聞いたけど、大変ね〜」と私。「Nさんにはスッカリお世話になっているの。まだ、原発が収束しないので…」「ホントね〜」と、お互い話たいことは沢山あったのですが、連れがいましたし、通りの真ん中でもあったし…でご挨拶だけで別れたのでした。
Nさんは、今回の地震津波原発事故の被害で避難して来たIさんの親戚の方の受け入れについてアレコレ親身にお世話されているようです。でも、お役目からすると本当は圏外というか、担当外であって、隣の地域のお役目の方たちのお仕事なのです。でも、Nさんはそういうヤヤコシイ縄張り?に関係なく、いわばそういうものを無視して、この緊急時、自分の出来ることを精一杯お世話されています。
Iさんは福島で、どうも県会議員さんの娘さんだったらしく、口利きを求めて家を訪ねてくる人たちがいつも引っ切り無しで、そういう人たちの出入りを快くは思っていなかったそうです。今回、Nさんは、使える伝手は全部利用して、市に掛け合っていますし、今も、乳児の為にエアコンを入れてもらうように要求すべきだと助言したそうです。
クリスチャンでもあるIさんは、避難先が大阪にあるだけでも姪っ子たちは幸せなんだからと、全てに遠慮気味。Nさんは、「それはダメ。子供が第一だからね。お返しは出来る時が来ればその時困った人にして上げればいいんだから。今は、子供たちを健康に育てる事に全力をあげるべきよ」と説得しているそうです。昨日も自分の娘さんの買った子供用品を譲るためにIさんと会ったとか。
平時ならNさんのやっていることは立場やお役目からすると余計なことになります。その役を辞めて数年になりますが、私もきっとルール上すべきではないという考えになっていたでしょう。でも、緊急時の今、組織に内緒でルール破りの出来るNさんは貴重な存在ですし、Iさんは本当に心強く思っていることでしょう。
色んなタイプの人がいて本当にいいんだと思います。平時ならNさんはルール破りの勝手な人となるでしょうが、緊急時にルール破りの出来るNさんは立派です。
ところで、話の途中で「今、ダンナいるの?」「いるよ」「なんで? 水曜なのに」「水曜じゃないよ、火曜だよ」
「え〜〜っ!?」 こういうところも、彼女ならではです。

イタリアの脱原発選択を聞いて、「日本もそうならないと〜」と二人で。「今すぐではなくても、脱原発方向ぐらい言えないかね〜」
「新規には造らない。今あるものは安全性を高める。原子炉の寿命が来たらその時点で廃棄、でいいから、
どうして日本は、言えないかね〜」「言わないね〜」と二人で。