山ホロシと原発再稼働

昨日、お昼過ぎ、ピンポンが鳴って玄関の戸を開けると、折紙先生が手に花を持って。
金曜日にお電話を頂いて、6月、折紙教室再開がきまりました。次の木曜、我が家で、Mさんにも声をかけて、立体的なアジサイからということに。それで、時間内に作品が仕上がるよう前もって準備をしておくようにということで、アジサイの花の折り方見本を届けに来てくださいました。ついでに、お庭に咲いたお花を手に。「うすい紫から、咲ききると白くなるのよ、山ホロシというの」と仰って。
私はこの花というより蔓を、今年、台所のシンクの前の窓の柵につたわせました。やっと蔓が延びてきたところですが、「つる花ナス」という名前で覚えていました。ナスの花に似ていますので「そのまんま」の無粋な名前で、ヤマホロシの響きの方がこの花の風情には似合っています。

ところで、お電話を頂いた日(金曜)は、父が前日、9錠もの常備薬を呑み損なって喉を痛めたので近くの耳鼻咽喉科へ行ったら、かかりつけのお医者さんで診てもらうように言われ、そこでレントゲンをとって肺炎の診断。そのまま紹介状を持って市立病院へ直行、即入院となりました。昨年10月の入院騒ぎの再現みたいです。
そんなで、せっかく「今日の午後だったらウチでどーぞ」とお誘いを受けたのですが、出かけるわけに行かず、早目に食事の支度にかかっていました。一夜明けて、心不全と肺炎で一時は危なかった父、女医さんに延命治療はどうしますか?と判断を求められた母は相当ショックだった様子でした、その父が、昨日は、持ち直して5キロも体重が落ちて(ここ一週間ほど水が溜まっていたということ)、むくみがスッカリ取れていました。午後からは一般病棟の個室に移動も出来るとか。父は、「まだ、(死ぬ)予定にない」と笑っています。「誤嚥性肺炎」という高齢者によくある病気という私の説明に納得していました。
今まで、9錠も一度にのんでいたことが、まず、無茶です。私は1錠でも飲み下しが下手で、水だけ飲んで薬は口の中にまだ残っているというのが、2回に1回はありますので、9錠ときいて、本当にビックリです。
今回も、色んな偶然が重なって命拾いした父ですが、母とのやり取りを見ていると、お互いが相手の事を思いやって優しいな〜と思います。しかし、母の言い方はストレートです。「お父さん、もういいね。友達はみな亡くなってしまって、残っているのは一人だもんね」なんて、ことを集中治療室で父に向かって言うので、車の運転で3箇所走り回って付き添ってくれた夫は驚いたといいます。その母が、私との早目の夕食時には「今度は家に帰ってこれないかも・・・。こんなに急では可哀想・・・」と泣いているのですから。
過去を振り返らず前しか見ないで二人で支え合って生きている両親は身近な私たちのお手本です。支えあっているのではなくて「もたれ合っているの」と母は笑っていますが。昨日の父の様子では、2週間の入院で退院でき、7月には無事95歳の誕生日を迎えることが出来るでしょう。

さて、昨日の18日は、東日本大震災から100日です。行方不明者はまだ7000人を超えています。生死の区切りのつけようのない大勢の人たちがいます。
18日の朝刊の一面はでかでかと「原発『安全対策が完了』」とあり、「経産相きょう表明 再稼働理解求める」。
そして隣には「福島第1原発 浄化装置が本格稼働」とありました。
それが、夕刊では「福島第1原発 汚染水浄化を停止/ 吸着剤 5時間で交換基準に」です。東電は「再開の見通しは立っていない」。記事では「処理が停滞すれば、6月末にも原子炉から洩れる汚染水が再び敷地や海洋へあふれ出す懸念が出ている。」
工程表の作成や事故の対策に、以前から原発の安全性について「安全神話」にとらわれず、科学的に研究してきた人たちを加えることは出来ないのでしょうか。事故を想定することを不適切と考えてきた東電だけでは無理というか、どうしても事態を甘く甘く見て、科学的で冷静な対処が出来ないのではと考えるのは素人判断でしょうか。
海江田経産相の運転再開要請については、橋下大阪府知事の記事を。
「”安全”理解できぬ」 :18日、インドネシア出張からの帰国後に取材に応じ、「福島の原発事故が収束していない中で、どういう思考回路で安全と言えるのか理解できない」、「絶対的な安全などない」、「『電力が本当に必要なので、(原発に)リスクはあるけれど背負ってください』と地元や国民の方々に言うのなら分るが、まだ『安全だ』とごまかしている」、「『安全』という自分たちが、そこに住めますか、という観点で考えなければならない」。(日経夕刊より)
讀賣夕刊では)大阪府橋下知事、『時期尚早極まりない』」と見出しを付けて、橋下知事の発言を紹介。「安全だというのなら、大臣はじめ、霞ヶ関の役人を全員原発の周りに強制的に住まわせればいい」、「本当に電力が足りないなら、リスクを明示した上で、地元に一時的にでも納得してもらうというアプローチにしないといけない」。「今の日本政府が発する(安全だという)メッセージを信じる国民なんて、よっぽど能天気。自治体は言うことをきかないと思う」。
<また、関西電力が一律15%の節電を求める、と発表した際、「停止中の原発再稼働を福井県に働きかけてほしい」と関電側から要請されたことを明らかにした。「将来的に原発依存度を下げる方向性を示すなら協力する」と伝えると、要請を取り下げたといい、橋下知事は「ふざけた態度だ。府民を代表して厳しく糾弾する」。>
橋下府知事、なかなか頑張っています。