「放射線と高麗人参」

私の子供の頃、ということは昭和20〜30年代の頃の古い話になりますが、私たち三姉妹が楽しみにしていたのは、訪問販売と言っていいのか、富山の薬売りと隣町の呉服屋さんでした。
呉服屋さんは大きな風呂敷に丸く筒に丸めた着物地を持ってきて、8畳間の畳の上に、さぁーと反物を広げます。私たちは、そのテクニックの見事さと畳の上に広がる絹の着物の光沢や模様や色の美しさに本当にウットリしたものです。母は、仕立て上がりを想像しながら、和服姿のしみず屋さんの口車を用心しながら断ったり、じゃ、お願いしようかしら、とたまに言ってみたりしていました。
富山の薬屋さんは、大小の籠で編んだ入れ物が入れ子になったり、組み合わさった大きな荷物を背中に背負って来ます。やおら玄関の上がりかまちに後ろ向きになって大きな風呂敷の荷物を下ろします。風呂敷から荷物を取り出して、解いていく儀式のような所作が面白く、熊の胆とか葛根湯とか常備薬を母が入れ替えてもらっている間に、薬屋さんが風船をくれます。ツヤツヤと光る油紙で作った紙風船をもらうのが楽しみでした。用が済むと、また、大小さまざまの網籠を元通りに組み合わせて、一つの大きな荷物にして背負って帰ります。その作業がまた面白くて飽きずに眺めたものです。あとは、姉妹三人で紙風船でバレーボールやドッジボールみたいにして遊んだりしました。
結婚して何年(何十年?)かして、家族と共に、箕面に戻って来たら、名簿が残っていたのか、今風「富山の薬屋さん」の「置き薬」のセールスの方が訪ねて来るようになり、断りきれずというより、子供の頃の思い出があってか、お世話になっています。漢方の風邪薬や下痢止め、頭痛薬などはお医者さんに行くより、コチラで重宝していることもあります。
先日、3ヶ月に一度の訪問があって、代金の清算と置き薬の点検をして帰るときに、「遊和」という冊子を置いていかれました。健康に関する話題が集めてあって、この号は「鎌田實さんに聞く」が特集されています。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、その中の記事「放射線高麗人参」からです。
知っているようで知らない放射線についてわかりやすく書かれているので、適当に端折りながら引用してみます。

放射線高麗人参     薬学博士  松繁克道:1937年生まれ 
                  (1961年、富山大学薬学部卒業、1961〜80年、山之内製薬開発部勤務、
                   1981〜85年、千葉大薬学部、1985〜01年、富山医科薬科大・和漢薬研究所)
放射線とは
放射線放射性元素が崩壊する時に放出される粒子線または電磁波である。
1896年物理学者ベクレルにより、ウラン化合物から発見され、そこから放射能のベクレルの単位で表す。
広い意味では、宇宙船、電波、紫外線、赤外線、X線(レントゲン)も電磁波である。それらの違いは波長の長さである。
テレビ電波は1m〜数m。ラジオ電波は数十m〜数百mである。一方、紫外線は1mの250万〜10億分の1という程短い。X線はさらに短く、放射線で最も強力なガンマ線X線の百分の1以下である。
有害な放射線は波長が短いほど強力である。紫外線やアルファ線は紙一枚で防ぐことが出来るが、ベータ線ガンマ線は透過性が強く、衣服を通して体内に入る。
放射線保護服は放射能を帯びたチリやほこりが直接皮膚に当たらないようにするためのものであるが、ガンマ線は通過する。もし、完全に放射線を防ぐ服を作るとすると、厚い鉛で作らなければならない。
最近よく耳にする「ベクレル」と「シーベルト」とは何を表しているか。共に放射線の強さを表しているが、「ベクレル」はある物質から放射される放射能の量を表し、「シーベルト」は人体に吸収される放射線の量を表す。



放射線障害とは
放射線障害は必要以上に恐れてはならないが、軽くみてもいけない。正しく認識する為には、急性障害と慢性障害をはっきり分けて理解しなければならない。
「ただちに」健康に害はないという表現は「急性障害」のことを言っているのである。
厳密にいうと「ただちに」とは「一ヶ月以内」ということである。
急性障害は白血病、赤血球減少、脱毛、免疫低下、肝障害、腎障害などである。しかし、現場にいない人は後遺症である慢性障害に留意すべきである。チェリノブイリ事故の5年後に、小児甲状腺ガンは通常の130倍も発症しているのである。
何故、放射能を浴びるとガンになるのか、それは放射線が体内に入ると、二次的に「活性酸素」が発生し、この活性酸素が正常な細胞のDNAを破壊し、細胞がガン化するからである。


放射線障害を防ぐには
放射性障害を予防するためには、出来るだけ放射線をあびないことであるが、足し算と掛け算が重要である。一種類の野菜は安全でも、水、空気、多種の食物を足し算し、年月を掛け算しなければならない。
放射線障害は放射線が体内に活性酸素を発生し、その活性酸素が神経、血管、筋肉、臓器に障害を与える。脳梗塞動脈硬化心筋梗塞なども活性酸素が関与しているので、放射能に被ばくすると、発病の危険性の確立が高くなるのである。
放射線障害を予防、軽減するためには、体内の活性酸素を消去し、痛んだ細胞を修復しなければならない。
放射線障害の予防・軽減食品>
活性酸素を消去する食品、サプリメント・・・抗酸化ビタミン(ビタミンC、ビタミンE),カテキンポリフェノール、フラボイドを含むサプリメント(フランス海岸松、プロポリス)
■細胞修復作用のある高麗人参(大阪放射能医学研究所はネズミに致死量の放射線を照射して高麗人参を投与すると驚異的に生存すると報告している。チェルノブイリ事故でも使われた。DNA損傷にも有用である。

私は、夏バテ予防に置き薬屋さんのおススメどおり、滋養強壮・栄養補給の人参ドリンクを10本だけ購入することに。
月曜日は、姉(夫の)夫婦が大津から遠路はるばる隣の両親のお見舞いに。突然の事で大慌て。月曜日の午前中はまだまだ片付かないのに・・・、ここはもう観念して、散らかっている物を何とかまとめて、とモタモタする内にバス停から電話。道案内のお迎えに飛び出しました。ご飯は済ませたからと仰っているのですが、私たち二人が未だ済んでいません。でも、話し始めたら止まらないお姉さんですので、お茶を淹れて隣の両親も呼んで一しきり健康談義。その後もお兄さんがお孫さん達に教えている華道の作品のケイタイ写真を全部見せていただいたり。夕方早目に車で出て途中で4人で食事をすることに。
福島の原発事故や放射能汚染の話になりました。汚染したものは高齢者が引き受けて子どもたちには汚染されていないものをという考えの学者さんもいますと私が言ったら、お兄さんに、「そ〜んなぁ〜、免疫力も抵抗力も衰えてるのに、かなんなぁ〜」と言われました。