怪しい雲行き・原発と核兵器

金曜日、東の空は夏雲の炎天、ところが南側が怪しい。自転車を走らせて、とにかく水中歩行のプールへ。
入道雲も夏の思い出とカメラに収めてみました。帰りは西半分が厚い雲。ゴロゴロと雷も鳴り、一筋の閃光も!

お盆の頃に、何かの番組で自民党の石破氏が「原発は安全保障上必要。核兵器を作ろうと思えば作れるという状態にしておく事が抑止力になる」と発言。大変気になる重大発言だと思っていました。先日、NHKの「アメリカから見た福島原発事故」でも、後藤正志さんが、「原子力発電所の問題が秘密主義になるのは核兵器と関係があると思う」と発言されていました。その内、小出裕章さんの発言を伝えるブログでも、こんな事故を起こして産業界ももう原発からは撤退するだとろうと思ったが、そうではない、「それでもなおかつ日本という国が原子力を諦めないのは、いわゆる「核」だと思います」と、NHKの去年の番組を引き合いに出して述べておられます。
気になっていましたので、考えてみようと思います。
私は、石破さんの発言には、とうとう、自民党も「平和利用」だけでは世論はついてこない、原発推進はおろか維持も無理と判断して、本性を現したというか、本音を言ってでも、原発と再処理工場は残さなければと思い始めたと受け取りました。たとえば、原発は安くつくという神話もコスト計算のまやかしがバレテしまっています。そうなると、高くついても原発維持・核兵器を作るために自前でプルトニウム(すでに専門の科学者達から破綻していると指摘されているにもかかわらず)を、という事つまり核核抑止論を隠しておくわけにはいかなくなったのだと思います。このこと自体、国際的に核拡散につながりますので大問題ですし。
ここで、石破さんの発言を採録してみます。「日本がアブナイ!」(http://mewrun7.exblog.jp/15297648/)から16日のテレ朝「報道ステーション」の「原発 私はこう思う」コーナーより(You Tubeから、とのこと)引用:

 石破氏は、エネルギー政策として、「原発を減らし、再生可能エネルギーのウェートを増やすことに異論はないものの、原発をなくすべきということを目標にするのは賛成できない」と主張。
 そして、自分は「核を持つべきだと思っていないが、日本以外の国が、原子力政策を核政策とセットにしていること、日本の周辺諸国核兵器を持っていることを考えると、核兵器を放棄していいか議論すべきだし、(自分は)放棄すべきではない」と語った。
 その中で「日本は(核を)作ろうと思えばいつでも作れる。1年以内に作れると。それはひとつの抑止力ではあるのでしょう」と明言したのである。(**)

この記事の中では、ブログの書き手のmewさんの持論、<「菅おろし」は「反脱原発」>であり、<特に、菅さんが電力会社や経産省保安院と対立して、脱原発の姿勢を打ち出した頃からは、与党議員までが加わっって「脱原発(依存)」政策を政府の方針にしないように「菅おろし」を強めた理由は、「この核武装&安保軍事的な側面が大きい」>と書いています。その上、「菅首相がサミットで脱原発依存のエネルギー政策の方針を発表した直後の5月末に、森、安倍、福田、鳩山氏などの元首相や谷垣、亀井、平沼氏らの党首クラスの議員(しかも保守派の議員)が集まって、「地下式原子力発電所政策推進議員連盟」を立ち上げたのも、そのためだと言えるだろう。」とも書いています。6月初めのブログでは(http://mewrun7.exblog.jp/14935006):

「5月31日に、「地下式原子力発電所政策推進議員連盟」という超党派の議連が発足し、1回目の会合には約20人の議員が参加したそうなのだけど。そのメンバーが、スゴイのだ。(・o・)

 会長は「た(ちあがれ)」党の平沼赳夫氏。そして、顧問には、民主党から鳩山由紀夫氏、羽田孜氏、石井一氏、渡部恒三氏。自民党からは谷垣禎一氏、森喜朗安倍晋三氏、山本有一氏、国新党から亀井静香氏の9人が就任したとのことで、首相&閣僚経験者ばかりなのである。(@@)

<ちなみに「菅おろし」の急先鋒役を務めた西岡参議院議長や小沢派の山岡賢次副代表、あの松木謙公氏も参加しているという。> * * * * *
 もともと90年代に、自民党内で同名の勉強会が設けられていたそうで。今回、福島原発の事故を受けて、かつての勉強会の会長だった平沼氏を中心に、改めて超党派の議連を作ることにしたとのこと。『平沼氏は「菅内閣が風力、太陽光発電を20%にすると言っているが、現在1%弱のものがなぜ二十数%になるのか。主要な電力は原子力でまかなう必要がある」と述べ、原発事故の封じ込めが可能な地下原発の推進を訴えた』という。<産経新聞5月31日>

こういう人たちの力が、玄海泊原発の再稼働を働きかけ、何とか泊は成功?に関係があったのでしょうか。どちらも、やらせ疑惑が発覚していますし、今までのやり方は暴かれてきています。それでも、無視、強行するのですね。
昨夜のNHKの討論番組「日本新生」で「私たちのエネルギー!」と題して原子力と再生可能自然エネルギーの討論がありました。アンケートの7割がこれから先は自然エネルギー脱原発の方向という回答でした。これが、政治の世界で生かされるように願いたいものです。今さら「地下で原発」は時代遅れです。原子力関係の学者は廃炉の方法や使用済み核燃料の処理法での画期的技術で世界と競争してほしいです。今回も吉永みち子さんが議論が2項対立になることを指摘されていました。散漫でしたが、若い方の発言が良かったと思います。今回は、一人で見た前回と違って、二人で見ました。

さて、小出裕章さんの発言は、こうなっています。(http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/08/22/terumi-aug22/
「8月22日 平和利用という言葉だけで原子力を進められないと覚悟を決めてきたのか 小出裕章吉田照美ソコダイジナトコ)」より:

小 出 「えー、去年の秋にNHKが「核を求めた日本」という番組を放映したんですね。その内容は、この日本という国は先の戦争で負けて二等国になったと。で も二等国で、ままいつまでもいたくないので核兵器を持てる力を作りたいと、ずうっと思ってきたと。そのために原子力の平和利用という言葉を標榜しながら実 際には核兵器を持つ技術的な力、というのを蓄えたいというために今日まできたと」

 「私はそのことをずうっと政府の外交文書等で知っていましたので、まあようやくNHKもこういうことを言い出したんだな と、思いましたけれども。えー、まあいわゆる国営放送であるNHKが、なぜ今こういう段階でそれを言い出したのかなと。思って。むしろ積極的に国民に対し て日本という国が強国になるためには核兵器というものを持つということも必要なんだし、えーいつまでも原子力の平和利用という言葉だけで、進められないと いうところまで彼らも、覚悟を決めてきたのかなと、いうように受け止めました」

脱原発は安全保障の問題とも絡めて単にエネルギー問題だけではなくて、「核兵器」の問題とつながっています。
自民党が、長年、国策で大金(税金)を注ぎ込んで原発推進してきた本音が露になりつつあります。
原発の問題を考える事は、非核三原則被爆者の方たちの問題や平和の問題を考える事とも繋がってきます。