ダチュラと「ラスト・マネー・愛の値段」最終回

プールへ行く途中、曲がり池の向かいに住宅街へつづく広い道があります。
その両端は、貸し出されているのか任されているのか市民農園になっています。
鍋田川と道に挟まれた幅3,4mの畑や花壇の川沿いにダチュラの花が鈴なりに咲いていました。


エンゼルトランペット(朝鮮朝顔)とも言うこの花を初めて知ったのは、田中一村の絵でした。
奄美大島に移住して中央画壇に見向きもしないで独自の絵を完成した田中一村を没後取り上げた番組を2,30年前、NHKで見ました。その後、大阪の百貨店で田中一村展があり、実物を見ました。奄美の生物が妖しく描かれた独特の世界です。
その中でこの釣鐘型の大きな花の存在と名前を知りました。温暖化のせいかこの辺りでも見かけるようになり、一度我が家でも植えたことがありましたが、小さな庭にはそぐわないので諦めました。
昨日、畑の中にこの花を見つけ、花の下まで行って写真を撮りました。
自転車に戻ったとき、いきなり「いい写真がとれましたか?」と声を掛けられてビックリ。畑の世話に来ている人でした。「ダリア?」と言われたので、「ダリアもですが、あちらのダチュラ」。「ああ〜」、「お世話大変ですよね。いつもお花の写真を撮らせていただいています」としばらくお話ししました。大根が10株ほど植わった畝の片隅に大きなオクラがなっています。「うわぁ〜立派ですね!」と言ったら、「タネが取れるから来年庭で植えてみはったら」と並んだタネが見えるほど弾きかけている大きな鞘をいただきました。
さて、昨夜は火曜夜10時からの連続ドラマ「ラスト・マネー・愛の値段」の最終回。
見始めは保険会社の査定をする人(伊藤英明)を通しての一話完結のシリーズかと思っていたのですが、途中から子連れの女性(高島礼子)の保険金目当ての連続殺人事件になって俄然見逃せなくなりました。高島礼子さんが、男の弱みに付け込むというか淋しい男を誑(たら)し込む女の凄みと怖さを上手に演じています。
先の読めないドラマの展開で最終回が楽しみでしたが、結局警察に捕まって最後は自分の命を保険金に換えて幼い息子に残していくという結末。情に流された甘い査定でつまづいた過去を二度と繰り返すまいと厳しい査定をモットーにして仕事に邁進してきた伊藤英明も立ち直れないほどのショック。でも、孫を亡くした老人の”115回の誠意に救われた”という言葉に力を得て、高島礼子の最後の願いを叶えるため、残された子どものため、会社に保険金を支払うようにと重役会議に乗り込みます。
思いがけない展開に、改めてドラマのテーマは「保険」なんだと。
「会社の正義と社会の正義は違う」というセリフに、東電や九電が重なりました。
途中、「正しいこと」や「幸せ」は、立場や人や時によって一転することを考えさせられます。
女が2回の事件で得た1億円の使い道は?とかツジツマの合わない箇所がところどころありますが気になりません。
むっつり伊藤英明さんも良かったし、薄幸の怖い女の高島礼子さんは迫力満点、つかみどころのない謎の女性が魅力的でした。NHKのこの火曜夜10時枠のドラマは多様な女性を描いて本当に見ごたえあるドラマが続いています。