一夜明けて

昨日のフィギュアスケートNHK杯(札幌)、女子SP(ショートプログラム)の結果は鈴木明子さんがトップ。2位はロシアのレオノワさん。ステキな衣装の浅田真央さんは3回転半ジャンプがすっぽ抜けて残念な3位。でも、フリーは得意なので頑張りますと。

この番組の途中でテロップが入った昨日の野田首相のTPPについての記者会見、日経では朝刊トップが「TPP交渉 参加表明」「首相『関係国と協議』 農業・医療の支援強調」で、編集委員の長文の記事のなかでは先日のCSIS(米戦略国際問題研究所)とのシンポでアメリカ側が述べた内容に追随した期待が述べられています。

「日米両国が軸となって新しい経済秩序を築く道筋が見えてくる。互いに輸出や投資を伸ばすだけでなく、日本経済の再生に欠かせない国内改革を後押しする効果も大きい。」
「TPPの全21分野の交渉はいずれも米国ペースで進んできた。アジアの交渉担当者からは『日本が米国とアジアの間に入り、時には先頭に立って米国に注文をつけてほしい』との要望が聞こえてくる。」
「米国にとっても日本の参加は望ましい。今は米国以外は小国ばかり。2番目の豪州でも経済規模は米国の15分の1にすぎない。アジア太平洋の全体を自由化する看板からほど遠く、日本が加わって初めてTPPは実態がある貿易圏となる。」
「経済だけではない。外交・安全保障の面からも日米が中心になってアジア太平洋地域に共通の価値観を持つ勢力圏を構築する意義は大きい。」

今朝のよみうりテレビの「あさパラ!」は「TPPのメリットは」。反対派の若一氏が解りやすい解説をされていました。司会進行役のリンゴさんが正直に「反対派の意見を聞くとそうかな〜と思い、推進派の意見を聞くとそうか〜と思う。若一さんの話を聞く限り、やっぱり反対せなアカンな〜」というものでした。韓国と日本では貿易の占める比率が違うこと。日本は貿易立国というのは昔の話で今は18%。80%は内需、その内需を拡大する方策抜きに経済の発展は見込めない。大企業のみが自国民の農業や大多数の犠牲と引き換えに利益を追求するTPP参加には賛成できない。環太平洋と言っても日本は既に他国との連携には踏み出していて、TPPは対米の問題である。米国にとっても相手は日本と明快な解説でした。また、日本のマスコミが韓国のアメリカとのFTA(自由貿易協定)についても問題点や国内の動きを報道していないと苦言を。
お笑いタレントの一人が海外ロケに出ていると日本車は既に韓国にとって代わられているし、ホテルの薄型テレビは日本製は消えているし、案内の日本語も韓国語や中国語になって消えてしまっている。海外ではすでに日本はトップの座から落ちているのを実感していると話していました。それを受けての若一さんのお話でした。

天木直人さんが昨日のブログで予想されていたことが当たりました。野田首相は言葉で参加表明を誤魔化す。その誤魔化しに推進派と反対派はそれぞれに解釈して良かったよかったになると。その通りになりました。TPPも脱原発も立ちはだかっているものが同じだということが誰の目にも明らかになってきつつあることは良いことなのかも知れません。

昨日のワシントンナショナルギャラリー展、ルノワールの大作がありました。「ポン・ヌフ、パリ」と「シャトゥーの漕ぎ手たち」「モネ夫人と息子」小品で「皿の上の桃」どれも印象派の時期の輝くような幸福感に満ちています。「踊り子」はバレリーナが一人描かれているのですが、体形がとてもバレエをやっている人には見えないふっくら体形。思わず笑ってしまいました。「アンリオ夫人」は油彩なのですがパステル画のような雰囲気。我が家には2枚のポスターが。今回、素描で「田舎の踊り」が出ていましたがボストン美術館の「ブージバルの踊り」とバーンズコレクションの中からジャン・ルノワール(後に映画監督)がモデルの少年像のポスターです。そういえば2年前、セザンヌルノワールの南仏のアトリエを訪ねていました。