11月のお茶のお稽古

[曇り日の月曜日、少し早く先生の御宅に着いて、お二人の車がまだ見えず、玄関までの間に植わっているお花を写真に撮ることに。
控えの間の縁先にツワブキが満開です。
通路の途中の小菊も満開。
どちらも11月のお花です。
お部屋には立礼式のお稽古の準備がしてあって、ステキな壷が目を引きます。
壷屋焼きという沖縄の焼き物で、沖縄がまだ日本に返還されていない頃に亡きご主人が焼物の展示会で求められたんだとか。ご主人は美術品として見るのでお茶に使えるものは滅多にないのだそうです。
お茶席に使えるお道具としての焼物と美術品の焼物とは全く違うというお話です。
不思議ですが、用の美と美の美とは違うということ?

まずお花は陶器の瓢(ひさご)形の花入れに”照り葉”という紅葉した葉っぱ。今日はお庭のヤマボウシの葉で、葉の数は奇数枚と決まっているようです。これがなかなか難しいそうです。真っ赤なのを選ぶと葉が落ちてしまうので、青いくらいの葉を選んぶそうです。丸い形にまとまっている赤い実は美男カズラ。ピンクの蕾はサザンカでなくて椿。サザンカは花びらがハラハラと散るのでお茶席には使わない花だそうです。椿は花ごと落ちるので縁起が悪いと言う話もありますが、花開く前のツボミの状態で一時を共にいう、紅葉した葉と同じ、一期一会、その人のために瞬間を共に楽しもうという気持ちです。
掛け軸は、これも解説をお願いしました。大徳寺塔頭の太玄(たいげん)さんの書で、「開門多落葉」と書いてあります。「門を開けると、落葉多し」という意味で今の時期の様子を表しています。
香合は茶臼を象(かたど)った信楽焼きです。11月の初旬の立冬の頃は茶の湯にとっては特別なんだそうです。茶壷に入れた新茶は半年寝かされ、立冬の頃に風味が最上になるので、口切りといって、茶壷の封を切って新茶を味わう茶事があるくらいです。それでその”新茶”を挽く茶臼というわけです。
お茶を点てるお稽古に入ってからは、水屋の仕組みから自分達でしなければ(当り前!?)ならず、お茶碗や出てくるお道具類に感心しているだけでは済まなくなって忙しいことです。丸一月あいていますので、覚えているよりは忘れている方が多くて大変です。柄杓と茶杓、右と左で考え込んでいるお二人を見て、私と一緒!と、安心したりしています。
実際自分の順番が来ると、本当に見るのと遣るのでは大違い、になってきます。
今日は袱紗捌き(ふくささばき)が上手くいきません。一度目の袱紗捌きはポンと音が出ないといけません。
溝を作って!と言われて、親指で溝を作って左右にピンと張っても音がしません。フクサまで上がってるようです(?)。

主菓子は黄色い常用饅頭のようなお菓子で、箕面特産の柚子を用いたもの。餡(あん)も柚子の香りがする黄色い餡でした。お干菓子は漆を塗った箕(み)の形をした漆塗りの器(一貫張りの)に入っています。お茶碗は狂言袴という模様のついたものとドングリの絵柄の和歌山の葵釜のもの。写真に写せなかったのですが、箕面焼きのお茶碗がありました。先代の松田さんのもので、地味なえんじ色に朱赤が混じっています。これは箕面のモミジを現したお茶碗で今の時期にピッタリだと思います。お茶碗は薄手のものだとお湯の熱さが直に伝わって熱いくらいのお湯を使っていました。陶器のぼってりしたお茶碗は、その点、手の内で丁度良い熱さになります。
Naさんのお母さんが入院中で毎日病院へ通っているということで、4時きっかりにお稽古を終わることに。
短い時間でしたが、先生の方から「選挙も終わって…」と言い出されて、前日のダブル選挙の結果の話になりました。「朝日新聞に載った記事では、倉田さんが上回ったのは出身地の池田市能勢町だけで、箕面豊中も維新の会が倉田さんを上回った」と池田市民のNaさんが。評価については4人とも何も言わなかったものの、先生とNaさんの口調は心配そうな口ぶりに聞えました。
来月は新年の初釜に備えて濃茶の飲み方を習う予定です。次回までは3週間ですので、忘れないようにしないと。