使用済み燃料の危険と坂田明と原発マネー

木曜日(8)のモーニングバードの「そもそも総研」は、「政治の流れは再稼働、福島原発は収束した!?」というタイトルでした。
自民党民主党の一部に再稼働を望む国会議員の勢力があって、再稼働にむけて動いている。しかし、国会の事故調査委員会の結果も待たず、そんなことが出来るのか、まして、福島原発事故そのものがいまだ収束とは程遠い。ということで、今一番危険と言われている4号機の燃料プールについて、京大助教小出裕章氏を仕事場に訪ねての取材で小出氏の解説を紹介していました。
4号機の使用済み燃料プールには1535本(原子炉に入る燃料の2.8倍)がむき出しの状態で入っています。
「もしこれから大きな地震でも起きてここの壁が崩壊するようなことになれば、膨大な放射能が何の防壁もないここから外へ噴き出してしまう」
ーーどうすれば? 「蓋のできる容器を沈めて燃料棒を取り込んで、水の中で蓋をして吊り上げて移動できればいいのですが、上のクレーンが全部壊れていますので出来ません。」

「あとは、建屋の周りの瓦礫をどけて、外から巨大なクレーン車で容器を吊り下げて、ということが出来るでしょうから、その準備をする。そして、プールへ容器を沈めて、たぶん何がしか壊れているであろう使用済み燃料を回収する。多分、何年という単位が必要になるだろうと思います。」
ーー何年の間に建物を壊すような地震が来たら?
「おしまいです。」


7日の日経夕刊文化欄に丸顔の坂田明さんのお顔が。
なんだろう? 坂田明さんのことを知ったのは、ピアニストのブーニンがらみで山下洋輔さんを知り、東京でずいぶん以前(息子がまだ学生の頃でした)に、日野皓正さんと和太鼓演奏集団「鼓童」と山下さんのピアノを聞いたことがありました。その後、山下さんの著作を通してミジンコ博士?の坂田明さんのことも知りました。毎年、隣町の豊中市の服部(はっとり)緑地でジャズフェスティバルのような野外演奏会があり坂田明さんも参加して演奏されるそうです。今年は、坂田さんのサックスの演奏をライブで聴いてみたいと思っています。
その坂田明さん(1945年広島県生まれ、広島大水畜産学部卒)、昨年秋、平家物語をジャズにした異色作「平家物語」を発表しました。

個人の真剣な表現 心打つ  「日本らしさ」こそ国際化への道 
ジャズサックス奏者 坂田 明さん (72年、山下洋輔トリオに参加し、メールス・ニュージャズフェスティバル、ベルリン・ジャズフェスなど、世界各地で演奏。ミジンコ研究でも知られる)
 

2001年に民謡や演歌を演奏したアルバムを出し、民謡歌手とライブで共演もした。その時、平家琵琶をコピーして演奏したら、西洋音楽との共通項があるのに気づいた。テンポをあげれば旋律や展開がフラメンコみたいだ。最近、坂田美子さん、友吉鶴心さんという薩摩琵琶の奏者と共演した際、2人も「敦盛」を演奏した。そこで平家物語をジャズで演奏したらおもしろいんじゃないかと。
 もともと琵琶は(アラブの弦楽器)ウードと同じ起源といわれる。ウードがヨーロッパにわたってリュートになり、ベトナムでは「ティパ」、中国では「ピーパー」になって、日本では琵琶になった。 日本の伝統文化だと思っていたものが、出自をたどっていくと案外、西洋文化から遠くないのがわかる。実際、ちかもらち(バンド?)で、ポーランドやロシアに行った時、平家物語の一部を演奏したらとても反響があった。日本語だろうが(言葉遊びの)ハナモゲラ語だろうが、真剣に表現すれば国際的に伝わるんだ。


 僕は原爆の爆心地に近い広島県呉市で生まれた。かつて医師の鎌田実さんと、ベラルーシ共和国放射能汚染地帯に行ったこともある。ずっと放射能の問題にかかわってきて思うのは、個人として問題に向き合おうということ。組織では組織防衛の本能が働くから、おかしな結論が出ることが多い。そのためにも、個人一人ひとりの意識を高め、それを表現していくべきではないだろうか

昨夜の10時からのNHKスペシャル原発マネー、今まで日本全国の県や市町村に投じられた3兆円という原発マネーについてでした。
原発が迷惑施設として都会から離れた地域に建設され、その見返りに巨額の助成金を与えられる。そもそもそのお金は反対派を抑え込むための飴であった。しかし、番組を見ていると飴ではなくて麻薬でした。一度手を出すともらい続けなければ生きていけなくなる。電源三法で与えられる交付金の使途は「公共のため」という使途目的の制限つきで、その目的は、「公共」ならばその恩恵があまねく及ぶから=原発反対を主張する人も恩恵に浴することで反対と言えなくなる=のが目的。そして、「原発のお蔭」をいつも意識出来てアピールできるようにするためでした。(1974年〜平成10年?まで使途限定だったとか)
特に青森、六ケ所村の使用済み核燃料の再処理工場を引き受けた青森は、日本全国の原発の廃棄物を引き受けるのだから、と、青森県内全市町村に助成金が与えられています。青森が引き受けてくれなければ原発の核廃棄物の捨て所が無くなるわけですから、電気事業連合会も全国各地域の電気料金からその一部を青森に貢ぎます。そして、青森県内全市町村は自由になるお金で箱もの行政に手をだし、不釣り合いなほど巨大な施設の維持費に赤字を出すような本末転倒の事態を迎えます。何という愚かな・・・・!!
見ていて、これはもう、電気を大量に使う大都市が加害者で、原発を引き受けた地域は被害者、とは言えません。ともに加害者であり、被害者。国策で核の平和利用に血道をあげてきた政治の誤り、自由な競争で切磋琢磨する機会を奪ってまで原発の独占企業を国策で保護してきた制度を見直すことなく続けてきたこと、反対する人々の声を無視して、民主主義に反するあらゆる方法で原発反対勢力を無力化(弾圧?)してきたことなどが見えてきました。
今、方向転換のチャンスです。国民がこのチャンスを活かさなければ、日本はもうだめですね。
一生懸命働いて得た財貨がいかに無駄に使われてきたことか・・・怒るべきです!