小出裕章氏ニューヨーク講演(5/3)

小出裕章氏が5月3日、ニューヨークで講演を行いました。

その時の講演内容の書き起こしを掲載しているブログを見つけました。

「ぼちぼちいこか」:http://bochibochi-ikoka.doorblog.jp/archives/3399500.html

演題:「日本に帰る前に知っておきたい『放射能』のことin New York」

講演はとっても長いですが、本当に噛み砕いた分りやすい内容になっています。

原子力のそもそもから、原子力発電所、日本の原発受け容れ、放射能の怖さ、福島の事故、事故の現状、そして最後に、これからの原子力科学者の課題(目標、使命?)など知りたいことが分かります。

アメリカ在住の日本人向けの講演ですが、日本に居る私たちが読んでも充分値打ちのある内容です。

講演最後の質疑応答の中から、福島原発4号機ブールの危険についての質問があり小出氏が答えておられます。

(川井氏)次の質問、福島4号機に対する危険度を知りたいという質問です。



(小出氏)さきほど見ていただいたとおりなんです。爆発してしまって、使用済燃料プールが宙吊りのような状態になってしまっていたのです。そこにものすごい危険があるということは、東京電力自身がもちろん気が付いていて、東京電力はあの事故の後ただちに破壊されてしまった建物の使用済燃料プール、底が宙吊りのようにしてたんですけれども、そこに鋼鉄の柱をダーッと並べて、宙吊りの燃料プールが崩れ落ちてこないようにそれをコンクリで固めるというような耐震補強工事というのをやったのです。それは東京電力ですら、「これが崩れ落ちたらダメだ」というのが判っていたからやったのです。ただし、猛烈な被曝環境ですから、ゆっくりゆっくりとそこで工事をするということが許されるような状況ではなかったのです。ですから、私はッ本当にその工事がきちっとできているのかなというのが不安なんです。

 だから何とか大きな余震が起きてくれるなよということを今、私は願っているというような状態です。


 そして多分、東京電力もそのことに関しては、かなり危機を感じてると思います。東京電力が何を最優先で作業してるかというと、使用済燃料プールの底に沈んでいる使用済燃料をとにかく安全な場所に移そうと、その作業を今東京電力はしています。被曝環境で、さっきは4号機の穴が空いた建屋を見ていただきましたけど、今既にあの建屋のオペレーションフロアはもうほとんどむきだしになっています。要するに東京電力が壁を取り壊した。何の為かといえば、プールの底に沈んでいる使用済燃料プールをとにかく早く、一刻も早く安全な場所に移したい。そのために作業をしなければいけないということで、邪魔なものをドンドンどけてその作業を急ごうとしています。

 それでも来年の12月にならないと、取り出し作業が始められないというのが、確か東京電力の工程表だったと思います。ですから、まだ1年半はあるので、それまでの間余震が起きないでくれよと、まずは願うということだと思います。

 申し訳ないけれども、今はそれくらいのことしか私にはわかりません

「日本に子どもを連れて帰ってもよいでしょうか?」「野田政権の再稼働を止めさせるためにどうしたらよいか?」などなど質問が続出、小出氏のいつもながらの誠実なお答えぶり。どの質問も日本に居る私たちにとっても切実な問いかけでもあります。
◎八重のクレマチス(テッセン)が咲きだしました。かなりの大きさとボリュームです