広島の放影研、福島を通して低線量被ばくも研究に方針転換

本日2つ目、放影研理事長・大久保利晃氏の福島・郡山市での講演会のつづきです。
タイトルを「広島の放射線影響研究所、福島を通して低線量被ばくも研究に方針転換」としました。

(残念ながらこの大久保氏の講演会がいつ開かれたものか聞き漏らしました。後ほど触れますが、講演会の後、質問をした”うらら”ちゃんのお母さんのお腹が大きい頃でしたので、春出産ということから今年に入ってからではないかと思います)

大久保氏は講演会後の質問に明確な返答が出来ません。「放射線に被曝すればするほどガンは増える。しかし、本当にゼロに近いところでも増えるのか、あるいは増えないのかはわからない」「子どもを散歩させて、外気浴をさせていいのか、良い、悪いという形で返事はできない」。放影研のデータは福島で活用できないのです、なぜなら、放影研の調査対象は高線量外部被ばくであり、リスクデータに内部被曝放射線は勘案していない。内部被曝はABCCの時代から調査の対象外であった。大久保氏は言います、「黒い雨は放射性物質が周りにあって被曝するから福島と全く同じ。しかし、黒い雨がたくさん降った所は調査の対象外だった」。
元ABCC遺伝子部長だったウィリアム・シャル氏によると、1953年にウッドベリー氏が書いた未発表の報告書がある。「原爆が爆発したときの放射線をほとんど、または全く浴びていない人たちに被ばくの症状がみられる。黒い雨の放射性物質で発症した可能性、衛生状態の悪化で発症した可能性がある。どちらの可能性が正しいか確かめるためにもっと詳しく調査するべきだ。」
内部被曝予備調査が1953年から約1年つづいた。調査書に「Dr.Tamagaki」で登場する玉垣秀也氏(元ABCC研究員)は言う。「原爆投下後に広島入りの救助隊員40人のうち5人に深刻な症状があり、うち2人は死亡。(放射線を)直接受けた人たちと同じように脱毛がある。『衛生状態の悪化が原因』とされたが、私は原爆の影響だと思った。上司は『あの当時の人たちは衛生状態が悪いから、腸チフス感染症)にかかっても不思議はない』とした。」
広島大学の原爆放射線医科学研究所の大滝慈教授は「内部被曝のような問題、もしその重要性が明らかになるとアメリカ側が想定してきた核戦略の前提がくずれてしまうのでは」と推察する。
郡山市の大久保放影研理事長の講演会のあと、大きなお腹で大久保氏に赤ちゃんを育てる上での注意を訊ねていた井上美歌(28)さん。今は出産を終えて、春に生まれた子供だからと名付けたうららちゃんの子育てに励んでいる。「食べ物からの内部被曝に気を付けていくことが一番安全なのかな・・」と食材選びには気をつけている。しかし、「自分たちで気を付けてください」とただ言われているようでと不安を感じている様子。
広島の原爆投下後、半ば強引に金銭で遺体を集めた。アメリカのその資料集めが、今、福島で役に立たない。
この3月、37年前にABCCの後を引き継いだ放射線影響研究所は、福島の事故を通して、方針転換を余儀なくされた。
初めて内部被曝を含む低線量被ばくを研究の対象とすることに決めた。
金平さんは最後に「黒い雨の調査をなぜ葬り去ったのかの検証も欠かせない」と。


被爆者の身体の一部を提供された研究が、放射能被害者の役に立つ研究になる後押しを福島がしたということになるのでしょうか。
また、この放影研が、「原爆被爆者の死亡率に関する閾(しきい)値なし」と発表したそうです。
そのことについて、厚労省に問い合わせた方もいて:

追記(5月1日20時)厚労省に電話した。「放影研厚労省と外務省所管だが、今回の報告で低線量被ばくでも被ばく量に応じた発がんリスクなどの健康被害が生じたと疫学的に証明された、と理解している。これまで国はICRP準拠で「疫学的証明はないものの放射線防護上はあるものと仮定して防護基準を定めている」と理解していた。今回の報告はこれまでの国の立場を覆すものだが、厚労省として報道発表の予定はあるか。事実関係の理解としては今申し上げた内容で正しいか」聞いた。』(ICRP=国際放射線防護委員会)

その返答は「発表の予定なし」ということです。
竹田邦彦氏のブログを紹介しているブログですが、コチラで:http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65803358.html
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