最多メダル38個達成!と枝野経産相の「甘い言葉」

オリンピック、男子レスリング・フリースタイル66キロ級、米満達弘、24年ぶりの金メダル獲得!です。決勝では、相手のインドの選手を持ち上げて降ろしました!! すご〜〜い!! 史上初の38個目が最終日の金メダル。
全オリンピックでの総獲得メダル数がこれで400個!です。
男子のマラソンも、中本選手が6位入賞です。立派!!
ボクシングの村田選手。奈良出身なので開催前から色々紹介されていました。冷蔵庫に奥さんが先回りして貼っていた「金メダル、おめでとう!」も現実に。2年半ほど前に急逝された京都の高校の元顧問・武元先生(当時50)の言葉が励みだったとか:
「努力したからといって報われるものではない、しかし、努力しないと報われない」

昨日のブログで取り上げた、関電が原発4基分にあたる出力の火力発電所を和歌山に建設するというニュース。
メディアの先頭にたって原発推進の旗を掲げている読売新聞が夕刊のトップで報じたというのは、色々考えさせられます。
この記事からわかるのは、関電が、これから先原発再稼動が見込めないし、40年廃炉は実現されると予想しているということ。それでも電力の安定供給の独占的な役割を果たしたいと思っていること。その為に火力発電所の建設に乗り出すことを決めたということ。読売新聞の狙いは、原発再稼働が出来ないなら、ほら、電気代が上がるぞ!と言いたいんだろうということ。

その背景にあるのは、政府が[2030年のエネルギー・環境に関する3つの選択肢(原発依存度を基準に、ゼロシナリオ、15%シナリオ、20〜25%シナリオ)]を提示、3つの選択肢に関する国民的議論を礎として、7月2日から7月31日(途中で8月12日に延長)までの間、「エネルギー・環境に関する選択肢」に対する意見募集を行ったこと。と同時に、4日終えた地方11都市での意見聴取会では、意見表明を希望した約1400人の7割が「原発ゼロ」を支持したこと。そして、6月から始まった金曜日の官邸前大飯原発再稼働反対デモは毎週続けられていて、その参加者の広がりが衰えていないこと。

そのデモについて、11日土曜日の「報道特集」で金平キャスターが小熊慶大教授に質問しています。「デモの影響は?」と問いただしたのに対して、「多くの人が思っている以上にデモと政治の動きは連動しています。国会の中の人は気にしています」と答えています。また、「一度立ち上がった人は色んな形で自分の意志を表明していくでしょう。ここ20年続いた経済の低迷と政治の混迷にいつまでも国民は黙ってはいないでしょう」とも。

どうも、政府は選択肢の真ん中15%の選択肢を諦めているのかもしれません。意見聴取会の7割がゼロだったことや、国会を取り巻く2か月に及ぶ金曜ごとのデモが観念させたのかもしれませんが、あの手この手で考えるものです。
先日見出しだけをメモした日経の10日の記事です。
「ゼロ」が民意だとしたら、表向き「ゼロ」で、政府案の「15%=現状維持」で行ける方法はないものかと枝野さんは考えたんですね〜よくもこんな卑怯な!?と呆れます。10日の記事を移してみます。

原発「50年ゼロ」案 政府内で浮上 経産相「30年に執着ぜず」 判断先送りの面も
 

 政府が検討する中長期のエネルギー政策を巡り、2050年を原発ゼロの最終目標に設定しようという動きが出てきた。枝野幸男経済産業相は9日、将来の原発依存度で「2030年に線を引くとは決めていない」と語った。時期に幅を持たせれば、脱原発を打ち出しやすくなるとの狙いが浮かぶ一方で、原発の基本政策について判断を先送りする面も目立つ。
 政府は30年までの原発依存度で「ゼロ」「15%」「20〜25%」の3つの選択肢をまとめ、どれが望ましいかを国民に聞いている。 
 枝野経産相は9日、動画配信サイト「ニコニコ生放送」に出演し、原発について「私はできるだけ早くゼロにした方がいい」と表明。出演後、記者団に「30年を軸に議論してきたが、それに執着して一歩も動かないものではない」と語り、政府の結論は必ずしも30年時点の数字を示すわけはないと強調した。
 30年に原発ゼロを仮定した専門家の試算によると、再生可能エネルギーは現状の3・5倍、電気代は2・1倍に膨らむ。経済界を中心に実現性を危ぶむ声は根強い。
 時期を30年より先に延ばせば、経済に悪影響を及ぼす印象を薄めながら、原発ゼロが示しやすくなる。そんな読みから政府内では一つの落としどころとして50年までの見通しを探る動きがある。
 原発の40年廃炉を徹底した場合、新設がないと50年には原発がゼロになる計算だ。この場合、30年時点で原発依存度は15%だが、最終的には原発ゼロの結論を導き出せる。一方で30〜40年も先の戦略を建てるのは非現実的との批判も出そうだ。


日経のこの記事は、深読みすれば「ゼロ民意をとり入れるには、それはいい考えだ」という書き方にも取れます。
私としては、枝野さんの「ただちに健康に影響を及ぼすものではない」発言を思い出して、今回の民意にすり寄った甘い言葉も許せないと考えています。
一方で「30年時点でゼロの民意」を無視できないということは、小熊氏の言う「デモは思っている以上に政治家に影響を与えている」証拠かな〜と思ったり。

◆<「区長がツイッターで暴言」という記事を読んで、橋下さんもたいへんだなあ・・・となんだか気の毒になりました。そんな気の毒な橋下さんの目下の悩みは何でしょうということについて書きました。>・・・というのは内田樹先生です。「党首か市長を探しています」という12日のブログ。維新の会の苦境?についてです。[cangaelのアンテナ]の「内田樹の研究室」から入れます。
(写真はプラタナスの木陰からのぞいた唐池・・・土曜日、唐池公園にて)