8月のお茶のお稽古

29日(水)は久しぶりのお茶のお稽古日です。前回が7月の中ごろでしたので、お稽古仲間のお二人に会えるのも1か月以上の間が開いています。
お喋りが弾むだろうと少し早目に出かけましたが、私が先でした。玄関わきにブッドレアの大きな花房が沢山下がっていました。
昨日は朝から曇り日。出かけるときは東の空が暗かったので夕立があるかもしれないと晴雨兼用傘をさして出ましたが、雨にはならないようです。
お軸は少し小ぶりで「歩〃起清風」。歩くごとに清風が起こるという意味? 「薫風」は5月、「涼風」は夏、「清風」は夏でも秋の初めでもいけるようです。
お床の上には香合のホウズキが。手に取ってみても蓋にはなっていないようです。先生に開けてごらんと言われましたが、開くんでしょうか? 合わせ目が全く分からないほどのリアルなホウズキでしたが、先生は開けて見せてくださいました。本物のホウズキを乾燥させて漆を塗ったものもあるそうですが、これは木を彫刻して蓋物にしてあります。

お花は竹製のアケビ籠に入ったムクゲと野牡丹と秋海棠。
野牡丹は花びらが風でハラリと落ちるほどあっけない花なのでホンのひと時花と先生が。
そんなお話を聞きながら、お二人は8月中ごろが忙しいと仰っていたからと噂をしているうちに、Nさんが一人でみえました。Noさんは体調が悪くてお休みだとか。娘さんや息子さんたちが7月から8月にかけて次々とお孫さんを連れて帰省。精一杯頑張る彼女のことですから一生懸命お孫さんサービスをされたのでしょう。その上、老人会の会長さんで地域の催し物のための準備の会議が続いて・・・ということらしいと。ただでさえ猛暑続きの最近、体調を崩すと大変だろうな…暫くは電話も遠慮して…と思っていたら、夜、電話がありました。ここ数日会議が続いたのと高齢者のサロンに向けて下準備を一人で抱え込んで頑張ったせいだと分りました。一安心です。

さて、暑い夏の終わりなので今日は立礼式でと。まず、先生が一服点てて下さることに。
主(おも)菓子は、瑠璃色のガラスのお皿に水色の夏菓子が載っていて目にも涼しげです。
このお皿は先生のご実家にあった子供のころからのもので、お父さんと大阪のガラス店で作っているところを見たと仰っていました。お皿も冷やしてあったようで、ヒンヤリとして露がついていました。
先生の流れるようなお点前を見ながら、一服頂いたお茶碗には字が書いてあります。「茶十徳」といって、読んでみると面白いことが書いてあります。十番目が「臨終不乱」、なるほど〜です。もう一つはオーストリア製の陶器の見立て使いの器。サラダかスープ用のお皿だったのでしょうか、もう30年近く前に手に入れたものだそうです。

二人が一服づつ頂いた後は私の番です。用意されたお干菓子を出して、お茶碗は鮎の絵柄の夏の平茶碗と、もう一つは紺系の色違いのオーストリア製の陶器の器にしました。お点前の手順は綺麗に忘れてしまって先生の指示待ちでした。その指示ですら、一瞬、何のこと?という間が入りますので、Naさんに笑われてしまいました。先生からは、指示を聞いてないと言われるし。聞いてないのではなくて、解らないだけです、なんて・・・。水でお茶碗を洗う前に、風炉に水を注いでしまったり、手順を沢山抜いてしまって笑われてしまいました。先生は、年数が掛かればできるようになりますと言って下さって、このお点前だけは350年変わってないんだからね〜と。本当にスゴイことですね。千利休さんの時代から変わっていないというのは。
二人で2服づつ点ててお稽古はお仕舞。来月のお稽古日を決めて、あとは元気になられたNaさんのお母さんのお話。目の手術が上手くいって、今では器用な手仕事の腕を存分に発揮されて、洋裁や和裁をされているそうです。能勢の実家では今ミシンが出してあって、今度Naさんのレースの白い服地を染めるところからご自分でなさって仕立ててくださるそうです。
子どもの頃から洋服は全部手作り、お姉さんとご自分のお嫁入りの着物の支度も全部お母さんがされたそうです。昔の主婦の手仕事の腕の高さが分ります。昔は皆さんある程度やっていたでしょうが、今もその技能を生かし続けている方は少ないと思います。先生は一重の着物を仕立ててもらえないかしらと仰っていました。
さて、お茶の十徳を帰って調べたら分りましたので、コピーしてみます。お茶碗に書かれたものと順番や熟語の組合せが少し違っているようですが、お茶の「十の効用」です。

「諸天加護」:お茶は強く根をはり、一年中緑を保ち、その生命力があなたを守ります

「無病息災」:お茶は養生の仙薬ともいわれ、効用は様々あり、毎日を健康に暮らすことができます

「父母孝養」:お茶の深い味わいは素直な心を芽生えさせ、父母への感謝の心を育みます

「朋友和合」:一服のお茶が楽しい語らいを生み、家族の団らんや友愛の心を育みます

「悪魔降伏」:お茶の香気やビタミンCで疲労は解消され、心の迷いまでも払拭されます

「正心修身」:茶道として活きている風習は、精神修養の効果があります

「睡眠自除」:お茶は神経を活発にさせ、頭脳と血液の循環を増進し眠気を払います

「煩悩消滅」:お茶の香気は、わずらわしい世事の疲れを忘れさせ、清々しい気持ちになります

五臓調和」:お茶に含まれるたくさんの保健成分が体全体のバランス維持に役立ちます

「臨終不乱」:お茶は昔から仙薬として珍重され、愛飲が心の平静を保ち、天寿を全うできます