「原発ゼロは選択の問題ではなく不可避の現実」(田坂宏志氏)

サッカーのアジア最終予選、昨夜のオマーン戦、アウェイでしたが、2−1で勝ちました。
いい試合で応援のし甲斐がありました。来年3月のヨルダン戦に勝てば5大会連続W杯出場が決まります。

さて今年もあと一月半ほどで終わりますが、クローズアップ現代で気になっている番組があります。
10月1日に放送された高レベル放射性廃棄物の問題で、学術会議が、地層処理を白紙に戻すよう提言したという報告書についての番組です。実際の放送時間に見たのですが、用心のためにも録画していました。放送を見てこれはブログで記録しておきたいと思いつつ、東京行があったり、日々のニュースに追われたりで、なかなかじっくり録画を見るチャンスが作れません。そのうち、自由報道協会での田坂宏志さんという方の会見を書き起こしたブログが見つかり、その会見で田坂氏がこのNHKの番組にも触れておられて、これをコピーして終わりにしようと思っていました。(5日の蛙ブログで会見を載せているブログのURL紹介のみしています)
 ところが、私は、先週夫が予防注射に行った医院でもらったという風邪(ノドの痛みとヒドイ咳)を今週になって私がもらったらしくて、数日声が出ない状態。昨日はヨガに行くつもりでしたが、朝のコーヒータイムで皆に止められて、よく考えたら、他の人たちにうつすことになったら悪いし・・・と携帯で欠席届を出しました。
それで、大人しくしていなくては・・・とテレビの前に座って思いついたのが録画してあるこの番組です。丁度いいのでこれを見ようと見出したら、やっぱりこれは大事と結局、殆どをメモに取って書き起こしに近くなってしまいました。特に国谷さんを相手にゲストの京大大学院の教授の植田氏が解説している内容がとても良かったです。

先に、田坂氏の11月2日の自由報道協会での長い会見の中からNHKの番組に関係する部分を抜き出してコピーしてみます:
脱原発は選択の問題ではなく、不可避の現実である」田坂広志氏11/2自由報道協会会見
先ず、田坂宏志(1951年生)さんをウィキペディアで:

 1974年 - 東京大学工学部原子力工学科卒業、
 1981年 - 東京大学大学院工学系研究科博士課程修了
 1981年 - 三菱金属入社。原子力事業部で高レベル放射性廃棄物処理・処分プロジェクトなどに従事。原子力委員会委員。
 その後、米国シンクタンク・バテル記念研究所客員研究員、日本総合研究所取締役を経て、2000年より現職。

 2011年には、内閣官房参与として原発事故対策、原子力行政改革原子力政策転換に取り組む。

 シンクタンク・ソフィアバンク代表も務める。

という経歴からも解るように、かつては日本の原発の推進に、そして原発事故後は事故対策と政策転換にも、と原発には両方の面から深く関わっておられる方です。
その方が、「今この時点に於いて原発ゼロ社会というのは、政策的な選択の問題ではありません。
つまり、ゼロ社会を選ぶんですか?選ばないんですか?という選択問題ではありません。これは不可避の現実だ
」と話しておられます。

今この時点に於いて原発ゼロ社会というのは、政策的な選択の問題ではありません。
つまり、立場が推進であろうが反対であろうが、なんであろうが関係なくやってくる、
もう避けることができない現実になっているんだという事を一人でも多くの国民の方に理解していただきたいと思います。


先ほど申し上げたように私は原子力の世界を歩んだ人間です。特に感情的に原子力をつぶしたいと思っている人間でもありません。
ただですね、専門家として、今現実のこの状況を見た時に、もう原発は推進反対に関係なく、必ず止めざるを得なくなっている状況になっているという事を、まず、直視するべきだと思います。


よく、原発脱原発の議論に対して、「そういう非現実的な話しはおかしい」という方がいらっしゃいますが、いったい誰が非現実的であるか?という事も少し考えてみる必要があると思います。今、全ての国民、そして政治家、官僚、財界の方が直視しなければいけない現実を見ていないのは、むしろ、もしかしたら財界の方や行政の方ではないのかという印象が私の中にはあります

全部引用したいところですが、ここでは、先を急いで日本学術会議の提言書とNHKの番組に関係したところを:

今年の9月11日に皆さんもご存じのように日本学術会議が提言書を出したわけです。これは、正式な報告書を原子力委員会に出したわけです。
で、日本でも最高の権威が三つの事をおっしゃったわけです。「日本において地層処分を行う事は適切ではない」とハッキリおっしゃったわけです。


その理由は先ほど申し上げた現在の科学では10万年の安全は証明できないという、これは、あの、原子力を推進するためにこのテーマに取り組んできた一人の人間が正直に申し上げれば、「おっしゃるとおりです」。これはもう、正鵠を得た指摘としか言わざるを得ないのです。



この事についてはNHKがしばらく前にクローズアップ現代で、非常に分かりやすくこの事を解説されていたと思いますが、たとえば今まで地層処分ができるという論理は、地図を広げて活断層がない地域を全部マッピングして、活断層の無い地域がこれ位あるから、そこに埋めれば大丈夫だという論をしていたんですが、実は活断層が無いところでも地震が起こったという事をNHKは、あの番組で示しました。


そして、地下水の速度が非常に遅いということを論拠としていた地層処分ですが、これも福島ですか、地下水がある、地震が起こった後にもう、毎分4リットル出て、1年半たっても地下水が止まらないという状況まで紹介していましたが、分かりやすく言えば、まだ現代の科学で分からないことが沢山ある。という事を分かりやすく説明されたと思うんですね。

改めて、全文はコチラで:http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2504.html
前置きが大変長くなってしまいましたが、これから、NHKの番組に取り掛かるところです。番組紹介をNHKのサイトから:

[ 10万年の安全は守れるか〜行き場なき高レベル放射性廃棄物〜   
出演者
植田 和弘 さん
京都大学大学院教授)


「2030年代に原発ゼロ」の方針が打ち出されるなか、使用済みの核燃料から出る「高レベル放射性廃棄物」の最終処分という未解決の難題が浮かび上がってきた9月11日、日本学術会議原子力委員会に報告書を提出したそれによると法律で定められた方法である高レベル放射性廃棄物を地下深くに埋めて、放射能レベルが下がるまでの10万年間、隔離するという「地層処分」は、安全性が不確実なため白紙に戻すべきという地震大国の日本で、万年単位で安定した地層を見つけることは現代の科学では困難としている。「総量管理」「暫定保管」という今後の方針も提言した学術会議の報告を軸に、将来の世代を脅かしかねない原発ゴミ問題の解決への道を考える

◎庭もすっかり初冬を迎えています。黄色い花は11月の花・ツワブキです。
◎この透明感のある黄色い花が咲くと本当に灯がともったようです。