「戦争準備中」と「忘れてはいけない」

幾つか党首討論を聞いていますとやはり百戦錬磨の「大地」の鈴木宗男さんの気迫が印象に残ります。安倍さんの国防論を聴いた後、すぐさま「政治家の究極の目的は世界平和にあるんです。いま世界はソチラに向かっていて、オバマ大統領は核廃絶(核なき世界構想)でノーベル平和賞を貰っている。それなのに・・・・」というグローバルな理念から鮮やかに切り返す鈴木さんは頼もしかったです。「みんな」の渡辺氏もTPP以外はとてもすっきりと分りやすい。社民党共産党なども加えて、小党でも持ちこたえている党首の議論は説得力もあります。
出来立ての「未来」の嘉田さんは大丈夫かな〜とハラハラして見ている割にはキチンと答えておられるので、さすがと思ったりしていますが、子ども手当年間31万円でしたか、数字まで政権交代時の民主党のまま、というのは…(現金+引換券)、これは政権交代を引き継ぐのは今の民主党ではなくて「未来」だと、前回民主党に投票した人たちを呼び込むため・・・小沢さんの「生活」が合流しているのだから当然とも言えますが、今の民主党のイメージで反発する人たちもいるんじゃないかな〜と心配も。
ところで、つい最近行われた市長選で嘉田さんの未来政治塾出身の市長が誕生しています。マスコミではあまり取り上げられませんが:(全文はコチラで:引用先http://pub.ne.jp/shimura/?entry_id=4657578

 日本未来の党への支持が伸び悩みと伝えられる選挙戦だが、明るいニュースがないわけではない。12月2日に行われた三重県桑名市市長選挙で、未来政治塾塾生だった36歳の新人、伊藤徳宇(なるたか)氏が、多選を重ねた現職を破って当選していた。しかもその勝ち方が尋常ではない、現職の16254票に対して42352票と、2.6倍もの大差をつけて圧勝しているのだ。
 ただし双方とも政党の公認や推薦も受けておらず、無所属として出馬しているから、直ちに政党の支持率を占うことにならないだろう。桑名の場合は、現市長の身辺に不祥事が続発し、この春には市長に対するリコール運動が起きていた。リコールは不成立に終ったのだが、それだけに市民の間には市政への不満がたまっていたことは考えられる。それにしても、ある条件の下では、劇的な投票行動の変化が起きることを示していると言えるだろう。

嘉田滋賀県知事も未来政治塾を立ち上げて政治を変えていこうという活動をされていましたので、嘉田さん側からすれば、あの言葉通り小沢さんを利用して国政に影響をという思いが現実のものとなるわけで、にわか合流のアタフタが収まったら脱(卒)原発、反消費増税、反TPPでしっかりした政策が示されることと期待しています。
その小沢一郎氏が大竹まことのインタビューに答えて福島原発事故についてこう発言しています。引用先「Happy」さんのブログ「はじめてちゃんと小沢一郎の話を聞いてみた11/30大竹まことゴールデンラジオ」:http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2589.html

小沢
これはね、あまりにもね、安全だ、大丈夫だみたいな、あの政府サイドのね、
あの…宣伝がされているのが、僕は本当に心配しています。
福島原発は、僕はとても安全だとは思えません。
そして現実に放射能も毎日毎日出ているわけですね。

大竹:毎時で1000万ベクレル

小沢:
2億4000万ベクレルでしょう、
そしてそれがまた、どうなるか分からない状況にあるわけですよ。
ですからあそこの福島の放射能を完全に封じ込めないと、
福島県じゃなくて、日本の未来がないと私はそう思いますが、
何10兆かかろうが、なんだろうが、封じ込めなければいけない。

「何10兆円かかろうが…封じ込めなければならない」、こういう言葉を政治家から聞きたいと思っていました。

◆さて、時々訪れるブログ「小海キリスト教会牧師所感」さんの記事で選挙前に是非読んでおきたい記事を2つ紹介したいと思います。
一つは「戦争準備中」という2006年に書かれたものを補足して再掲された記事。
安倍さんがライフワークにしている憲法を変えて戦争を公然と出来る国にするという準備は整いつつあります。4つの条件が挙げられていますが、読んで行くと着々と戦争準備が整っているのが実感できます。
自民党を支持している方に特に読んでほしいと思います。自民党の「日本の自立」は「アメリカが望む戦争協力の出来る日本」に変えることです。その為には反対する人々の人権や言論の自由を制限しても構わないという戦前の社会の再現にもなるでしょう。(色字by蛙)

戦争準備中

 自民は「米国の戦争の下請けをする(=集団的自衛権の行使)」ために、着々と準備をしてきた。戦争をするためには4つの条件があり、それはすでに相当整えられている。一つは法的な備え、第二は軍事力の強化、第三は兵員確保のためのワーキングプア、第四に愛国主義教育と戦死者の顕彰施設の整備である。


●法整備

武力攻撃事態関連三法 が2003年6月6日、有事関連七法 が2004年6月14日に可決された。集団的自衛権の行使ができるようにするというのが改憲派の主張。これは米国の戦争にイギリスやオーストラリアと同じように軍事的に荷担するためである。

 2012年4月27日に出された自民改憲案には、9条(戦争放棄条項)、20条(政教分離条項)、および21条(表現の自由の制約)が目論まれている。政教分離条項の改変は靖国神社国営化を目的とし、表現の自由の制約は有事における反戦運動圧殺を目的としている。



●軍事力強化

2007年1月1日から防衛庁防衛省に昇格。予算も発言力も強くなっているミサイル防衛開発に年間3000億円が計上され、国内では三菱重工をはじめとする兵器産業の懐を潤している。(だがPAC3はほとんど命中しないそうである。命中率9%とか。)経団連は何年も前から、武器輸出制限を緩和・撤廃せよと政府に要求し続けている死の商人は、昔から「愛国者」を装うものなのだ。彼らは戦争を作っては、武器を売ってもうけるものなのだ。http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/067/honbun.html



●兵員確保のための二十,三十代のワーキングプア

20−30歳台の貧困層を造ることベトナム戦争の後、米国では徴兵制をやめ、志願制になった。そのために20−30代の大量のワーキングプアが出る格差社会構造にしたといわれる。米国の高等学校には軍隊がリクルートに来て、軍隊に行けば奨学金も用意すると宣伝する。

 小泉・竹中内閣以後、米国の年次改革要望書に応じて、同じ事が進められ、その結果、現在、全労働者の2人に1人は非正規雇用1700万人いる自衛隊員になってイラク戦争に行けば、月給30万円と一日3万円の手当てが付いた。生活苦から行こうという若者がいるだろう。



愛国心教育と戦死者の顕彰施設整備。

お国のために戦死することこそ最高の栄誉だ」と信じる愛国心を、子どもたちの世代から植え付けること。日の丸・君が代の強制、そして2006年末に安倍自民政府の強行採決で決められた改正教育基本法、教員資格を5年ごと更新制度は、お国のために喜んで死ぬロボットを製造するための制度改変である。さらに安倍自民は公約で先の戦争はアジア解放戦争だったと歴史教科書を書き換えるぞと張り切っている。


 戦死者の顕彰施設とは、靖国神社の国営化である。これは憲法第20条改変によって可能としようとしている。


(以上、2006年末に書いたものに補足した)


オマケに、公然と「日本は核兵器を持て!徴兵制だ!」と叫ぶお爺さん。(石原慎太郎氏の動画が貼り付けてあります)
(引用先はコチラ:http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20121207/p1

維新の石原代表は兵器産業で景気を良くすればいいと発言していましたし、ワーキングプアの存在、世の中に矛盾や疑問を感じないでお金の為なら戦争にだって行くという若くて貧しい人たちは確かに準備されています。社会のあり方は本当に日本が大東亜戦争に向かって行った頃と似てきました。今度の選挙がそういう時代を推し進める結果になるのか、それとも・・・という選択の選挙だと考えると、一票は重いです。
◆◆紹介したいもう一つの記事は、「忘れてはいけない」です。
福島が今どうなっているのか? 新聞やテレビでは全くと言っていいくらい分りません。報道されません。でも、今一番忘れていけないのは福島の原発事故がどうなっているかです。日々健康と命が脅かされていることに無関心であることをやめ、関心を向けないようにさせられていることを自覚していないといけないと思います。なぜ報道されないのでしょう?それを考えないわけにはいかないでしょう。 

忘れてはいけない


 ユダヤ人は記憶の民族だと言われる。それに対して、日本人は忘却の民族などと笑われる。実際、最近の大新聞の支持政党アンケート結果を聞けば、多くの日本人はすでに昨年3月11日の地震を引き金とした原発震災を忘れてしまったかのようである。


 地震福島第一原子力発電所は破綻し、あってはならないメルトダウンを起こし、島型原爆4023倍、チェルノブイリの4倍の放射能が環境にばら撒かれた。その結果、今年九月の検査によれば、福島県の子どもの男女平均43パーセントの甲状腺に異常が発見されている。原発周辺の豊かな国土は事実上失われ、住民は故郷も仕事も健康も失ってしまった。今現在も、福島県中通、栃木県、群馬県の広域、そして茨城県、埼玉県のホットスポットは、チェルノブイリ原発事故後5年のベラルーシの基準でいえば、避難権利区域・強制避難区域に数十万の人々が暮らさせられている。


 このことを思うと、南の無人島のことを指差して、「我々は国土と国民を守ります」と声高に叫ぶ政治家のことばは白々しい。また、まるで向こう30年は地震原発を襲わないかのような脱原発依存計画で胸を張る政治家は、あまりに呑気である。浜岡原発を直下から襲う東海大地震は30年以内にやってくる可能性は88パーセントだとされている。原発銀座のある福井は、戦後すぐの1948年に大地震に襲われている。その被害規模は阪神大震災が起こるまでずっと最大だった。


 昨夜宮城沖で大きな地震があった。遠く長野県の小海町でも相当に大きく長い揺れだった。あまりにも忘れっぽい私たち日本人に対する警告なのではなかろうか。日本には53基の原発がある。原発規制委員のひとり渡辺教授によれば、そのうち52基の原発の直近または直下には活断層が存在している。利権がらみで、こんな国土に原発を造り続けてきて、なおかつ原発を維持していくという政治家・官僚・財界人の健忘症はこの国を亡ぼすことになる。


 忘れてしまって良いこともあるだろう。だが、決して忘れてはいけないこともあるのだ
(引用先:http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20121208/p3

<写真は上から、ご近所の垣根のサザンカ山茶花)、次はサンルームで開花準備中のカニサボテンと、咲き出したインパチェンス