鳴門の渦潮観光(家族会3日目)

3月30日(土)、家族会の最終日は私たち夫婦の結婚記念日でもありました。40数年前、京都で人前結婚式を挙げて新幹線で横浜へ。石田あゆみさんの「ブルーライト横浜」が流行っていた頃です。横浜から千葉県のどこかに着いて、房総半島をめぐって潮来へ。春には早く、どこへ行っても誰も居なくて寒かったのを覚えています。行川(なめかわ)アイランドでも一泊しましたが、クジャクの飛行もフラミンゴのダンスも私たちのためでした。帰りは三島からバスで新生活を始める沼津へ。私たちコンビのスタートがこの日でした。
さて、前夜の宴会後、関東組の帰りのバスの時刻が決まって、午前中、大鳴門橋の下に渦潮見学の道がついているので、そこを歩いて渦潮を見たあと、エスカレーターで山の上の展望台へ行こうということに。フロントに尋ねたら、「渦の道」のオープンは9時。汐見表で確かめると朝の満潮は7時50分。昼の干潮は1時50分。前後1時間は渦が見えるということでした。小さな船なら8時、大型船なら8時半がおススメとフロントで。そういえば、昼間、渦の真近まで近づいてジッとしている船を見かけました。あれは一寸怖いと皆同意見。両親は夫が車で出来るだけ近くまで行くので…ということで決まり。
朝、目が覚めると明るくなっています。しまった、日の出を見逃したかも、とカーテンを開けるとすでに日が昇りかけています。5時50分の日の出でしたが、6時10分頃でした。今日はお天気が良さそう!
チケットはセット券を買って橋の下の「渦の道」を歩くことに。
450メートルほどあって、真ん中の渦の真上に行けるようになっています。
ところが、海の上に出ますと冷たい潮風がネットを通して吹き付けて寒い寒い!! 
間に数か所休憩所があってそこは風よけになっています。
父が”寒い”と3つ目くらいの休憩所で座り込んでしまったので、私はカメラを持って皆を追いかけました。ぐるっと回って戻ってくると夫が両親と歩いてきます。「バッグも置いて、親を放っておいて」と夫がなじりますが、杖をつきながらこの寒い中ここまで来るとは思いもしなかった。母が「96歳のお父さんが、それ!って立ち上がって歩き出したので、5つ下の私もついて行かなきゃしようがない。お父さんの好奇心には参った参った」と。

足元のガラス越しに45m下の海面が見えます。
抜けているようで怖いです。メグちゃんは寝転んでお父さんに写真を撮ってもらっていました。通り過ぎるとすぐに係りの方たちがガラス面を拭きはじめます。
ホテルのロビーや窓から海峡を見ていますと、海の流れが朝と昼では逆になっています。それが一日6時間おきくらいに4回あると言います。
「渦の道」に掛かっていた解説を読んでやっと渦の出来るワケが分りました。神戸側の明石海峡と徳島側の鳴門海峡では流れはいつも逆になっていて、潮流の速さは普通13〜15km。大潮では時速20kmになり、渦の直径は20mにもなると言います。海面の高さの差だけでなく、真ん中あたりに深い穴があって渦になるというのも初めて知りました。
世界三大潮流があって、イタリアのメッシーナ海峡アメリカのセイモア海峡、そして日本の鳴門海峡だそうです。昨年、イタリアの長靴の爪先からシチリア島メッシーナへ船で渡ったあのメッシーナ海峡が入っています。これで2つ体験ですが、潮流はあっても、渦潮になるのは鳴門だけかもしれません。
瀬戸内海側の海を見ると、満潮の時間から1時間以上、でも微かに渦になりかけているような…それに右手の淡路島に風力発電なのか風車が見えました。水平線が心なしか弧を描いているようにも見えました。
 
 
「渦の道」の次は、皆さんは歩いて、私たちは両親を車に乗せて、展望台のエスカレーター前へ。展望台の上は意外なことに風はなく日も差して驚くほど暖かい。海の上のあの寒さは何だったのかと思うくらいでした。
トンビが羽ばたきもしないで旋回していますので風に乗っているのでしょう。泊まったホテル「海月」の白い建物が見えました。本当に先端にあります。(トンビの下の白い建物)
大鳴門峡の反対側を見ると高速道路の向こうに昨日訪ねた美術館の建物とモネの睡蓮を見た円形の壁面も見えます。下りはまた東洋一長いというエスカレーターを下って駐車場の満開の山桜を見て、ホテルへ。
海は、今度は白波一つ立っていない鏡面のよう。
流れが見えない時間帯の方が珍しいということに気づきました。
10時台でした。
関東組がホテルの送迎バスで路線バスの停留所まで送ってもらうのに出発しました。
ついで小松一家を夫が車で高速バスの駅まで送っていくことに。

11時頃、すでに、潮流は朝とは逆方向に流れ始めています。三本マストの船が通りかかったので最後の写真を。

さあ、私たちも出発です。お世話になったフロントに挨拶して車に乗り込みました。
大鳴門橋の全景も見納めです。
これからこの橋を渡って淡路島へ。そしてもう一つ明石海峡大橋を渡ります。
私たち家族の一大イベントの終了です。これで家族みんなが揃うのはまた一年後です。