「原発売り込み先のポーランドは今?」(報道特集6/22)

先週の土曜日(22日)のTBS/報道特集原発輸出 その是非を問う」でした。
「安倍政権が推し進める原発輸出。 先日の東欧4カ国との首脳会談でも議題となったテーマだ。福島原発事故から2年を経た日本が、いまなぜ原発輸出なのか? ポーランド原発は必要なのか?現場を行く。」
ポーランドは1980年代に一度原発建設に着手していました。ところが、1986年のチェルノブイリ原発事故。住民たちは行列を作ってヨード剤を求めました。ポーランド政府は1990年、建設中止を決めました。そのコンクリートの廃墟と化した跡地を金平キャスターが訪ねています。大きな構造物の中には水が溜まり水鳥たちの棲みかになっています。その原発廃墟の町ジャルノーヴィエツに再び原発建設計画が持ち上がっています。理由はエネルギーのロシア依存からの脱脚です。バルト海に面した3つの町が候補に挙がっています。ジャルノーヴィエツはその最有力候補です。
PGE(ポーランド・エネルギー)インフォメーションセンターの女性担当者は「原子力を使って良い環境を保っていきたい」と話し、心配して質問する金平キャスターに「50以上も原発のある日本なのにあなたたちは疑っているのですか」と意に介する様子はありません。
クロコーヴォ町の住民の一人は「自然破壊の問題はあるけど、ここには働く場所がない」し、「ここは日本とは違って大丈夫」という住民も。勿論反対意見の住民も。
ところが95%の住民が反対する村があります。昔からの観光地ゴンスキです。この村の親子3代で観光業を営むモニカさんも反対運動に参加しました。2012年2月の住民投票では95%が建設に反対でした。

ポーランドは今、町の中でも、反対と賛成で議論になっています。
街を歩きながら金平キャスターは、福島の原発が未だ収束していない今、原発を輸出することに道義的な問題はないのか・・・と。
そして、売り込み先はポーランド一国ではありません。
6月20東京の参議院会館で開かれた【緊急来日集会開催】 「倫理なき原発輸出を許さない――インド、トルコの現地の声」ではトルコとインドから来日した方が訴えました。輸出先のインドはNPT(核拡散防止条約)未加盟国です。原発の輸出が即核拡散につながりかねません。

それでも「世界は原発推進に向かっている」と日本エネルギー経済研究所理事長は言います。「2030年代には世界では原発は現在の400基から倍になっている。中国、台湾、韓国だけで50基が100基になる。」そして、「日本は国内問題と国際問題は整理して考える必要がある」「日本は世界に安全を輸出する」のだと。この方の考えが現政権の考えですね。しかし、それは儲けんがための『考え』であって現実ではありません。何が「安全」なんですか? どこが「安全」なんですか? 輸出のための口実としての架空の『安全』です。それで失敗したではありませんか。原発推進のための「安全」、反対を封じるための「安全」。その安全神話が崩壊したではありませんか。今また原発輸出のために原発事故被害が隠され、「危険」は封じられ、「安全」のための帰還や復興を急いでいます。

◇唯一の被爆国の日本がやるべきことでしょうか。2年前に原発事故を起こし、世界に放射能の大気汚染、海洋汚染を発生させ、いまだ収束していない日本が、やるべきことでしょうか。
一国の景気を良くするために、アベノミクスのために、最終処分方法も決まらない欠陥技術とも言われる原発を輸出するなんてことが許されるのでしょうか。考え直してほしいと思いますが、現政権では無理ですね。未来に対する責任とか国際的な道義とか言っても通じません。ただただ富国強兵にまい進する政権を誕生させてしまっています。それで良しとする国民が多数ではないが、政権についているという不思議な国です。何とかしないとダメですね。