金曜デモとNHK「戦後68年 いま”ニッポンの平和”を考える」

猛暑が続くお盆の三が日の最後の日が金曜日でした。金曜官邸前抗議に今回も参加された「特別な1日」さんの記事を紹介します。

敗戦記念日』と『謎の独立国家 ソマリランド』、それに『★0816 大飯原発を停止せよ!首相官邸前抗議!』http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20130816/1376658039
8月15日の呼び方、と、本のタイトル通りソマリランドという「謎の独立国家」についてのお話があります。
そして恒例、デモ参加者の写真。お盆の最中で参加人数は3000人ほどとか。この暑いお盆のさなか、こうやって意思表示にかけて付けてくださっている皆さん、子供たちには本当に感謝です!! 新聞、テレビには取り上げられないけれど、まだ続いているのか!!という脱原発の意思表示は推進派へのプレッシャーには確実になっていますね。

さて、8月15日、NHKで「終戦」の日の特別討論番組がありました。
NHKスペシャルシリーズ日本新生「戦後68年 いま“ニッポンの平和”を考える」(午後7:30〜)一般の人による討論を聞いて、ゲストが討論を進めるという形式でした。
出演者は:作家…半藤一利マサチューセッツ工科大学シニアフェロ…岡本行夫東京外国語大学教授…伊勢崎賢治,評論家…宇野常寛ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表…土井香苗,秀明大学専任講師…岩田温
NHKの狙いは:

2度と戦争の惨禍を繰り返さないと誓う終戦の日。戦後、大切に守ってきた”ニッポンの平和”を、次の世代にどう引き継いでいくのか、その道筋について考える。
「戦争を放棄し、国の交戦権を認めない」憲法のもと、第2次世界大戦の荒廃から、戦争のない平和と繁栄を築いてきた日本。しかし今、中国の台頭や日米安保の変化など、日本を取り巻く状況は激変、平和を守るための国のあり方そのものが問われている。
日本人の平和観についての世論調査や、さまざまな意見を持つ市民たちの討論をベースに、20代から戦中派まで世代の違う論者たちが”ニッポンの平和”の”今”と”これから”を考える。

議論そのものは噛み合わず。
〇半藤氏の「若い人たちの不安、自衛隊を増強して守らないと・・・というのは歴史を学ばないから。日本は海岸線の長い国で軍事で国を守ることはできないので、外へ外へ、「生命線」と言って、外へ出た。それがよその国から見たら侵略主義と見えた。当時の人たちは本気で国を守るためと思って侵略とは思っていなかったかもしれない」という言い方が、だから、平和主義でということにつながる説得力があったかどうか・・・もう少し丁寧な説明があれば・・・。国際連盟脱退後、日本に外交はなくなった、もっと外交努力が必要と言うのは良くわかる意見でした。

〇人権問題で国際的に活動されている土井さんのお話は、一番筋が通っていて、かなり具体的。日本としてやるべきことをやっていない、この面でまだまだ外交努力が必要だし、平和貢献できる道だと思えるお話でした(中国や北朝鮮の人権問題に対してリーダーシップをとってやれることがある)。

アフガニスタンでの武装解除の経験がある伊勢崎さんのお話は、早口で聞き取りにくく(内容も?)よくわからなかったのですが、米軍の苦手な面で、日本は貢献できる場面がある、火器銃器以外のソフト面で…とか仰っていましたよね。米軍の持つジレンマをどこまで日本が理解できるか…とか。お隣り日記で確認したら「9条のブランド力」は国内に居るより海外で発揮できているというお話だったそうです。今の憲法(9条)も安保も現状のままで、日本のやるべき役割があるという平和的現実論です。

岡本行夫氏は、もう完全な日米一体論の方、で、ここでも、際だっていました。首都の近くに米軍基地があるのは、アメリカがそれだけ日本の安全を本気で守りたいと思っている証しだとか。「守ってもらっているだけで相手が窮地に陥っているときに守ることができないのはオカシイ」と集団的自衛権の問題になった時、隣りに座っている半藤氏、「安保条約に米軍が日本を守ることは書いてあっても、日本が米軍を守るなんて条項はありませんよ。承知の上の日米同盟で、アメリカが日本に守ってほしいなんて思ってないですよ。」にはタジタジ、「そうです」でした。(軍関係者やジャパンハンドラーと言われる人たちは、安保条約に書いて無くても、日本が脅しに弱いというのが分っているので、何かと言ってきます。そして言われたら書いてなくても、岡本氏のように、日本もアメリカを守らなければと思ってしまっています。)

〇リベラル派としてその場にいた宇野さんの意見は:「ネトウヨと言われる人たちは、なんかちょっと寂しい人とか、社会的に結構不運な人が・・結構その不安を和らげる為にナショナリストになったりとか、結構タカ派の言説にまかれてるっていうイメージを漠然として持ってたんですよね。でも今のVTRの人達全然違いますよね、多分超普通の人達ですよ。普通の人達が、あのこのままの日本の外交大丈夫なのかとか・・本当に軍隊とか、今の位置づけでいいのかとか・・そういう事を真剣に考え始めてるんですよね。で、この漠然とした不安、外交に対する不安に対して・・保守の人達は明確な解答を持ってるんですよ。改憲して、国軍を作って、重武装化して・・っていう解答を持っているんですよね。(目的がハッキリしているだけで、それが国を守るという「解答」なのかは問題 by 蛙)
僕、個人は・・今の自民党改憲案とか全然いいとは思わないし、そんなタカ派政策で大丈夫なの?って結構怖い方なんですよ。
でもね、あの・・それに対抗するリベラルの人達の処方箋っていうのは全然ないんですよね。」と。
この方のいらだちや戸惑いが結構目立っていました。「なんとなくこう・・あの、憲法最高って言ったりとか、とりあえず反対って言ったりすることで・・あんまり具体案が無いんですよ。なんかその差がね、あの世論調査にも出ちゃってるんじゃないかなって気がするんですよね」

そうですねあの・・今、この・・皆さんの議論を聞いてた時に・・テレビ見ている人は結構保守側の人達の言説にね、共感する人が多いと思うんですよ・・実際問題、あの世論調査もそうだし。なんでかって言うと、やはり、(リベラル派の)具体案の不足だと思うんですよね。
あの・・じゃあ保守の人達はちゃんと、軍備の強化って言う答えを持ってると。
それに対して・・いや、僕はねそれはいいとは思わないですよ。あの軍備の強化とかちょっとやだなあとか、
怖いなあと思う人達は・・そうです、まさに土井さんが仰ったようにね。
じゃあ他のどんなカードで、日本の安全をこう守っていくのかとか

軍備の強化とか、憲法改正以外こんなアイデアがあるっていうね、
ポジティブな提案とかどんどんしていく事でやっていかなきゃいけないと思うんですよ。
もうそのためにはね、あの・・国家には軍隊が必要だとか、防衛力は必要ですっていう前提立った上で
じゃあ具体的に日本の安全を守るにはどうしたらいいですかって時に・・・
そこでなんかタカ派憲法やったりとかね、軍備の強化一択じゃないぞっていうとこを見せてかないと・・誰も話聞かないと思うんですよね。
書き起こし引用先:http://omoixtukiritekitou.blog79.fc2.com/blog-entry-2124.html

〇保守で憲法改正賛成、戦後の平和は日米安保自衛隊で守られてきたという岩田氏は、最後に沖縄と福島を忘れてはいけないと。

◎聴き終えた私の感想。中途半端な話し合いに見えたのは、日本の憲法が、それ自体で改憲とか護憲とかについて話がされると、必ずこういう宙ぶらりんの話になってしまう。なぜか? 日本の独立は、1951年、こっそりと吉田茂首相一人が出かけて行って、立ったままの米軍関係者に取り囲まれるようにしてサインしたという日米安全保障条約と引き換えに与えられました。一応手続きに則って決められた憲法と押し付けられた安保条約とセットで成り立っている「独立」だということを、話し合いの前に確認し合うというか、前提に話し合いをしないと、こうなってしまうと思いました。
日米一心同体、アメリカの言いなりが日本の生きる道というのでないなら、日米安保条約をどうするのか、有った方が良いのか、破棄した方が良いのか、によって憲法の改定問題も違ってきます。日米安保条約をそのままにして、憲法だけを変えて戦争の出来るように変えるというのは間違いではないでしょうか。第九条は、日米安保条約の下、日本がやりたくないアメリカの戦争に巻き込まれるのを防ぐためには、今のところ有効で、あった方が国益にかないます。
日米安保条約を破棄して、自立した国の憲法として新しい憲法を持つことが国民の総意で目標となるなら、それに向かっていけばいいし、その時、九条をどうするか、自衛隊国防軍にするかも考えればよいのでは。
安保破棄が夢物語なら、現状で如何に平和外交ができるかを追求すべきで、アメリカべったりではない適度な距離感を保ちながら、中国や韓国、北朝鮮との近隣平和外交で、積極的に出来ることをやっていく、拉致被害者だって返してもらわないといけないし。平和外交の努力をしないで、逆に、対立をあおる方向で、軍事的な危険に備えて戦争準備をすることが日本を守ることにはならないと思います。

◎半藤氏が言われるように歴史を知らないと間違いますので、おさらいです。

1945年8月15日 日本軍の無条件降伏、及び「日本の民主主義的傾向の復活」「基本的人権尊重」「平和政治」「国民の自由意思による政治形態の決定」を要求するポツダム宣言を受諾。
   9月2日 東京湾内米戦艦ミズーリ号上で降伏調印。敗戦国に。
1946年5月16日 第90回帝国議会で「憲法改正草案要綱」を審議、修正後、
11月3日 日本国憲法公布
1947年5月3日 新憲法施行
1950年 朝鮮戦争。 沖縄に基地。 マッカーサー警察予備隊を作らせる(のちに自衛隊に)
1951年 サンフランシスコ平和条約が結ばれ、同時に吉田茂首相は日米安全保障条約に調印。
1952年4月28日 平和条約発効。 日本国は「独立」(沖縄は召し上げ)。 米軍はそのまま駐留。

[下の写真2枚は、今日病院の帰りの車の窓から、171号を横切る辺り。
前の車の「アオリイカ乗ってます」のステッカーを見て、息子が、「だから、どうしてほしいねん?」。
下には「あおり天翔会/烏賊釣り職人」のステッカーも。


昨日、夫の「明日から白馬へ行ってきます」に、父が一言「うらやましい〜」。
今日は酸素マスクが取れていました。まだ飲み込みの訓練がありますので絶食ですが。