「八重の桜」最終回

昨夜は日曜日、大河ドラマの「八重の桜」の最終回・第50話でした。
最終回と言えば、ミニ総集編みたいになりがちです。たしかに、大河ですから、ある人物や物事の流れが描かれて、その最後となるのですから、流れを遡ったり、到達点を俯瞰したりという内容になったり、名場面特集みたいな振り返りになったりします。
今回の新島八重さんを描いたこのドラマは、明治維新を敗者側である会津から描いたもので、勝者である薩長側から描いたドラマはよく見ていますので、それだけでも珍しいし、興味がありました。
新島八重さんは「歴史秘話ヒストリア」で、大河が始まる前に取り上げられ、新島襄亡き後も活躍されたことは知っていました。タイトルは、新島襄が八重さんのことを、”beautiful"というよりは”handsome woman"と書いたことから、「ハンサムウーマンがゆく」でした。
同志社大学は、下の息子の母校であり、京都と煉瓦造りの校舎にあこがれていた息子ですが、こんなにも深く会津と関係があったとは…知らない事ばかりで、親子3人で楽しみに見たドラマでした。49話では、山本覚馬が亡くなるところでしたが、今回の大河は覚馬(西島秀俊さん)に始まり、覚馬に終わるね〜と思わず言ってしまうほど、八重のお兄さん山本覚馬の存在はこのドラマにとっても大きな存在でした。
佐久間象山の下に集まる有能な人々の中に江戸を終わらせ近代国家を切り開く沢山の英哲がいます。長州の吉田松陰会津山本覚馬幕臣勝海舟も。そこから幕府解体、新政府スタートまでの日本の混沌と近代国家誕生の数々のドラマ、視点の据え方次第で幾通りものドラマが描かれます。幕末維新物が面白いのも解ります。
ところで、山本覚馬が名付け親とも言われる同志社大学の卒業式での覚馬最後の演説は、不戦の演説とも言われているようですが、強気をくじき、弱気を助け、富める者より貧しき者たちに心を寄せよ…という、格差社会の今聞くと、かなりラディカルだったようです。洗礼を受けたキリスト教徒だったこともあるのでしょうね。幕藩体制を超えて、また維新の勝者・敗者という対立を超えた日本人として生きた先覚者でした。
最終回、茶人でもあった八重さん(綾瀬はるかさん好演でしたよね)がお茶で徳富蘇峰をもてなしながら、「貴方の新聞は戦争を煽って、今では政府の機関紙のようですね」、「あなたの愛国心と、襄の愛国心は違う」「社会を動かすという力を何のために使うか、考えないといけないよ」となかなか厳しいことを言っていましたが、今の日本のマスメディアに対する「忠告」か「警告」のように聞こえました。
NHKは、松本正之会長が五日の定例会見で、続投の意思がないことを表明。会長の任免権を持つ経営委員会に、「お友達人事」といわれる新任メンバーを送り込んだ安倍晋三政権。24日には経営委員会が決めた新会長が発表される事になっています。民主党政権になって、一つ良かったのは情報公開や、報道の自由度が増したことでした。沖縄密約は、その存在を初めて認めました。NHKの日韓、日中、日台の歴史に関する番組は、それぞれの国の歴史学者との交流を交えて突っ込んだ内容のものが増えました。その都度ネトウヨと言われる勢力からの反発があったり、裁判にまで訴えられているものもあるとか。今度は八重さんの言う「政府の放送局」にするつもりなのでしょうか。
日経13日のニュースから一部を:

 来年1月24日に退任する予定のNHKの松本正之会長の後任として、籾井勝人日本ユニシス特別顧問(70)が候補にあがっていることが13日分かった。NHKの最高意思決定機関で、会長を選定する役割を担う経営委員会が今後、同氏を軸に調整を進める方針。


 
 籾井氏は三井物産で鉄鋼部門が長く、同社副社長などを経て、2005年に日本ユニシス社長に就任。11年に退任していた


  NHK会長は全12人で構成する経営委員のうち、9人以上の支持で任命されると放送法で定められている。物産やユニシスでの経営実績を踏まえ、籾井氏を推す委員が多いと見られる。


 籾井氏が就けば、会長は3代続けてNHK外部からの登用となる。

◎「Various Topics」さんの7日のブログでは、NHK会長退任を取り上げておられます。詳しくはコチラで:
NHK松本会長退任、15年は安倍首相が喜ぶ長州藩大河ドラマhttp://afternoon-tea-club.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/12/nhk15_39cf.html

(写真は日曜日、映画を観に行ったマーケットパーク・ヴィソラの二つの橋。

三角屋根の「萱野三平橋」は御堂筋線をまたぐ橋脚なしの屋根付き橋。もう一つの橋は千里川をまたぐ「さくら橋」)
★共感したお隣り日記:http://d.hatena.ne.jp/maricozy/20131216