フィギュア五輪代表決定と「市民の意見」から(その1)

◆23日には、フィギュアスケートのソチ冬季五輪最終選考会を兼ねた全日本選手権最終日がさいたまスーパーアリーナで行われ、女子は1位鈴木明子(28)、2位村上佳菜子(19)、3位浅田真央(23)の3人に決定。男子は全日本連覇の羽生結弦(19)、2位町田樹(23)、3人目は5位だった高橋大輔(27)と3位の小塚で争ったが、「代表を推薦する強化部で挙手したところ満場一致」で高橋に。日本のエース二人、浅田さんと高橋くんが本調子でなかっただけに波乱の全日本でした。二人と鈴木明子さんにとっては多分最後の大舞台、現役フィギュア人生の集大成をソチで期待したいと思います。
渡部絵美さんや伊藤みどりさん、ジャネット・リンさんの頃からTV観戦してきたフィギュアスケートですが、今では感化されてか家族3人で楽しむようになりました。転んだり失敗するのを見るのが嫌と言いつつ、怖いもの見たさ…と言うより、やはりこの競技の魅力と男女ともに日本人選手のレベルの高さ層の厚さで素人にも楽しさや面白さが分るようになったからと、これは二人の弁です。(TV画面の写真は代表決定の翌日、メダリストonアイスのショーの後、女子左から鈴木・浅田・村上。男子、羽生・町田・高橋)
◇この日、織田信成さんの引退発表あり。コミカルな演技とあの軽やかな見るからに気持ちの良いジャンプの着地が見られなくなるのは残念。そしてもう一人、安藤美姫さんも引退。夫がソフィア・ローレンと呼んでひいきにしていました。4回転の衝撃的デビューから10年(かな?)、ママになっての挑戦も立派でした。
◆さて、随分前に届いた「市民の意見30の会・東京」発行の「市民の意見」誌141号。病院に付き添いで行くときはバッグにこれを突っ込んで待っている時間に読むことにしていました。病院でしか読んでいないので、もう何週間も持ち歩いていたことになります。そろそろブログの記事にしたいと思いながら、今年最後になる病院付添い時に読み直してみました。あれからでももう二週間にもなります。
そこで、特集2 民衆を騙す安倍政権にどう対抗するかの3つの記事を取り上げてみようと思います。どれも読みごたえがありますが、最初の2つは大幅に省略して、3つ目を中心に紹介したいと思います。

1)「デマゴギー政治の全面化―2020年東京オリンピック招致・原発再稼動・放射能汚染水・<壊憲>  天野恵一あまのやすかず/「市民の意見」誌編集委員

最後の項目<オリンピックによる「民族の誇り」の「復興」という政治>
 安倍たち権力者が狙っている東京五輪の「文化的成熟」の内実については、「50か国以上を飛び回り、IOC委員に全員会って」アッピールしてきたというJOC会長・招致委員会理事長竹田恒和を父に持つ、旧皇族を売り物に発言している竹田恒泰があけすけに語っている。

ところで、私は2020年の東京五輪には、もう一つの本当のテーマが潜んでいると見ています。昭和39(1964)年に行われた前回の東京五輪は『戦後復興』を象徴する五輪だった。・・・・・しかし、前回の五輪が象徴した『戦後復興』はあくまでも、『物質的復興』である。戦争で負けたことで、わが国は解体こそ免れたものの、国の歴史は否定され、民族の誇りは踏みにじられた。戦争に負けるとは、そういうことなのである。学校教育では歴史と神話は封印され、その結果、戦後世代の日本人は、日本人としての誇りをすっかり失ってしまった」(傍点=太字・引用者天野)

 この誇りを、この間、ようやく領土問題などを通して、『国防意識に目覚め』ることによって、急速に取り戻しつつある、と語りつつ、竹田は、この文章を、このように続ける。

 「そして、この流れは七年後の2020年に完成の領域に至るに違いない。・・・占領軍によって植えつけられた敗戦コンプレックスや自虐史観から抜け出し、『精神的復興』を果たすには、百年余の歳月を要するとされてきた。それが東京五輪によって戦後七十五年で完成することになりそうだ。それこそが『戦後レジームからの脱却』なのである」(太字引用者天野)

 平和憲法の破壊のレジーム・チェンジの政治の必要不可欠のプロセスの中に、東京オリンピック開催は、位置づけられているのである。安倍達が準備している成熟した「文化」とは、天皇主義=排外主義ナショナリズムであり、軍国主義文化であるにすぎない。・・・・・・・・・・・・・・・
 

◎安倍政権にとってのオリンピックが、経済効果や国威発揚に加えて「敗戦コンプレックスや自虐史観から抜け出して『精神的復興』を果たす」役割まで担わされていることには気づきませんでした。だから、福島より大切になってくるんですね。だから、「完全にブロックされている」と大ぼら吹いてまでオリンピックをやりたいのですね。ますます、オリンピック精神からは遠ざかりますし、福島だけではなくて大多数の国民置き去りのオリンピックです。それでも、日本人選手が出れば応援しないわけにはいかないのですから、これは、早々に辞退してほしいと思います。日本は本当はそれどころじゃないはずなんです。一旦引き受けておいて辞退なんて事態は、お恥ずかしい限りですが、あの安倍さんが大見得切ることの恥ずかしさを思い出すと、ここは正直になるしかありません。それにしても都知事選が気がかりです。
次は「憲法状況」と書かれていますが、安倍政権のやろうとしていることが良く分る部分を:

2)安倍政権下での憲法状況 飯島 滋明(名古屋学院大学准教授) 

<最近の安倍自民党政権の動向>から

<前略>・・・・・・・
こうした安倍内閣の目的は、2013年7月26日の「防衛力のあり方検討に関する中間報告」や、2013年10月3日の2+2でも確認できる岸田外務大臣ヘーゲル国防長官との間の会合である2+2で、「より力強い同盟とより大きな責任の共有に向けて」が発表された。そこでは「日本は国家安全保障会議の設立や国家安全保障戦略の発表を準備している。さらに集団的自衛権の行使の問題を含む、日本の安全保障の法的基盤の再検討、防衛予算の増額、防衛大綱の見直し、領土防衛の能力の強化」と明記されている
 こうした取り組みだが、「アメリカはこのような努力を歓迎する」(The United States welcomed these effotrs)と言う。さらには、「情報保全をさらに確実にする法的枠組みを構築しようとする日本の真摯なる努力」が「歓迎される」と明記されている。NSCの設置や「特定秘密保護法」の制定は、こうしてアメリカとの約束となっている。そのほかにも防衛費の増額、「敵基地攻撃能力」の検討や、「武器輸出三原則」の緩和の動きなど、海外での武力行使に加担する動きが着実に進んでいる。


海外での武力行使に積極的にかかわるこうした政策を安倍首相は「積極的平和主義」と呼んでいる。こうして安倍政権では再び軍事大国化が目指される。また、「道徳」の教科化や、「国家安全保障戦略」(NSS)の原案に、「国際協調の精神と開かれた形での国を愛する心の涵養」を盛り込むことで「愛国心」教育を目指したり、教科書検定を通じて歴史認識や領土問題などについて政府見解を教科書に記載させるなど、教育を通じてのマインドコントロールを進める動きも依然として継続中である
それまで11年連続で減額されていた軍事費も安倍政権で2年連続で増額する一方、福祉などの経費は削減される。2013年10月13日、生活保護費の抑制策を盛り込んだ「生活保護法」の改正などが参議院本会議で可決されている。70〜74歳の人が医療機関で支払う自己負担額の2割への引き上げや、国保料の上限を2万円引き上げる可能性が検討されるなど、医療、福祉などの分野の予算削減が進んでいる。

<後略>

◎これが安倍内閣が、推し進めようとしている「壊憲」政治ですね。