スペインの「9条」とノーベル賞と国会議員60人の「立憲フォーラム」


◎いつも豊富な話題を提供して下さる「Various Topics」さんのブログ5月29日のタイトルは:
「スペインにある9条の碑、そして思うこと」http://afternoon-tea-club.blog.ocn.ne.jp/blog/2014/05/9_03aa.html
『えっ、ほんとう?!』と思いますよね。(↓一部を手を加えて引用です)

全日本民医連のHPに、写真家の山本耕二氏の記事がありましたので、そのリンクと説明部分の抜粋を。

http://www.min-iren.gr.jp/syuppan/genki/2011/232/232-01.html


授業で9条習った


 バスから降りると、地図を片手に「九条の碑」が掲げられた広場を探し当てた。その名も「ヒロシマナガサキ広場」。こじんまりとしているが、管理の行き届いた清潔な感じを受けた。

 お昼の休憩時間なのか、隣接する高校の女生徒が二人、「九条の碑」前のベンチに座って話していた。これはよい機会だ。「九条の碑」について質問してみた。
 二人はニコニコ笑顔を絶やさずに、学校で日本国憲法第九条の「戦争放棄」について学んだこと、広島・長崎の原爆投下もテレビのドキュメンタリー番組を見て知っていることなどを話してくれた。 碑の前で写真を撮りたいと頼むと、「どうぞ」と快く被写体になってくれた。


戦争放棄」に市長が感動

 日本から遠く離れたテルデ市に憲法九条が掲げられているのには訳がある。

 一九八二年にスペインはNATO北大西洋条約機構)に加盟したが、スペイン全土で加盟反対の運動が盛り上がった。テルデ市は当時の市長、議会が反対を表明して非核都市を宣言した。

 その後、市長となったアウレリーノ・フランシスコ・サンチャゴ氏は、日本国憲法第九条に示された「戦争放棄」を知って感動し、一九九六年、ついに「ヒロシマナガサキ広場」をつくり、スペイン語の「九条の碑」を掲げた。落成式には、日本総領事や在留日本人も出席し、広島・長崎市長のメッセージも届けられた。サンチャゴ市長はさらに平和市長会議のメンバーとなり、二〇〇八年に開かれた九条世界会議の国際賛同人になったのである。

◎「日本国憲法第九条」。意外とその有難さが分っていないのは日本人の私たちかも・・・ですね。
ところで、神奈川の一主婦が思いついた「9条にノーベル平和賞」は、受賞者が個人か団体ということで、「9条を今も持ちこたえている日本国民に」と仕切り直し、今年のノーベル賞の候補にノミネートされたことは、新聞でも報道されました。これに賛同する国会議員が60人もいて、選考委員会に後押しをと、先月22日、ノルウエー大使館に陳情書を渡したんだそうです。東京新聞(5月23日)によりますと:

超党派議員「9条にノーベル賞を」 60人、選考委宛て陳情書



 憲法九条が二〇一四年のノーベル平和賞候補として同賞委員会に受理されたのを受けて、超党派の国会議員有志が二十二日、東京都内のノルウェー大使館を訪れ、委員会宛てに受賞を陳情する文書を提出した。菅直人元首相をはじめ、自民、民主、維新、共産、社民、生活、無所属の衆参議員六十人が賛同者に名を連ねた。
 提出後、国会内で記者会見した民主党田城郁(かおる)参院議員は「憲法九条が(解釈改憲の)危機にひんする今、ノーベル賞に選ばれれば、一定の問題提起ができるのではないか」と語った。
 憲法九条のノーベル平和賞受賞を目指す動きは、神奈川県座間市の主婦の活動がきっかけ。市民による実行委員会が昨年発足し、推薦資格のある大学教授らの賛同とともに、約二万五千人分の署名をノーベル賞委員会に提出した。受賞者は十月に決まる

◎国会議員名を知りたくて色々探っているうちに「立憲フォーラム」と言うサイトに行きつきました。ここで60名の国会議員名とノーベル平和委員会への手紙を見つけました。日付は5月17日です。


ノーベル平和賞委員会御中 (The Norwegian Nobel Committee)

私ども、下記したる日本国国会議員は、本日貴国憲法制定200年の記念日に、謹んでお祝いを申し上げます。

我が国は、戦争の放棄と戦力の不保持を定めた憲法第九条のもと、68年間にわたり平和国家としての道を歩んできました。この度、我が日本国民の平和憲法が、2014年度の栄えあるノーベル平和賞に nomination(推薦受理)されたと伺い、誠に光栄に存じます。
全ての推薦者の方々からの本推薦に係る政治的中立を表明しつつ、是非の授与をお願い申し上げます。   共に世界の平和を願いつつ  

賛同者 (ABC順):(省略)

◎新聞で読み洩らしたか、テレビで聞き漏らしたか、こういう超党派のグループがこういう活動をされているのは初めて知りました。国会議員は何をしてるんだ?と思いつつ、半ばあきらめていましたが、こういうことがどうしてもっと大きく報道されないんでしょう!? こういう事こそ本当に知りたいことなのに。ここに安倍総理の安保法制懇の集団自衛権行使についての意見も載っていました。これも本当に知りたかったことです。一部を:

2014年5月15日

安倍首相の私的諮問機関「安保法制懇の報告書」、及び安倍首相の会見に関して

立憲フォーラム

1. 私たちは立憲主義の原則にのっとって政治を行うことこそが肝要であるとの立場から「立憲フォーラム」を名称としている超党派の議連です。私たちは「立憲主義による政治、憲法を生かした政治」こそが国を守ることだと考えています。しかし、本日提出された安保法制懇の報告書、及び、安倍首相の「方向性」は、憲法は為政者を制約するものという、立憲主義の根本を踏みにじり、憲法の制約をかなぐり捨てようとするものです。断じて認めることはできません。



2. 安保法制懇の北岡伸一座長代理は新聞や雑誌で憲法は最高規範ではなく、重要なのは具体的な行政法と述べていましたが、今回の報告書を貫くのはこの転倒した論理です。昨年夏、麻生副総理は「ある日気づいたらワイマール憲法ナチス憲法に変わっていた。あの手口を学んだらどうかね」と発言しました。ナチス憲法は作られませんでしたが、当時世界で最も先進的であったとされたワイマール憲法を変えることなくナチス党の一党独裁を可能にしたのが、全権委任法などでした。解釈による改憲は、こうした手法に通じるものがあると考えます。 私たちはこうした歴史に学び、憲法は最高規範であるという自明のところへ、この国のありようを押しもどさなければなりません。

(以下省略)

◎明確な立憲主義の立場からの批判に頼もしいな〜と嬉しくなります。
◎是非60人の国会議員名と全文をコチラ「立憲フォーラム」で:http://www.rikken96.com/---!comment/c17c7#!comment/c17c7
<椿の下のドクダミ(十薬)の白い花、その横には濃い紫になった山アジサイ、そして白く色づき始めたアナベル(西洋アジサイ)>