俳句仲間、源五と三平の忠臣蔵


昨夜の「NHK歴史秘話ヒストリア」は、赤穂浪士の一人で俳人でもあった大高源五でした。そういえば14日は討ち入り。そうそう、句会やお茶会で探りを入れていたのは大高源五だった。俳句を取り上げるんだったらひょっとしてと立ったままで見ていたら、出てきました。俳句仲間で萱野(かやの)三平が。
番組のタイトルは「友と刀と五七五 〜忠臣蔵 熱き青春の物語〜」。
じゃ、見ようと。途中用事で抜けて戻ってきたら二人が勝尾寺に出かける場面。勝尾寺までロケに来たんですね。NHKの写真、二人の背景の山の様子が箕面の山だな〜と思うのですが、どこの日本の山も同じかな。
水引草を供えてお参りするシーンで詠まれた句。
赤い水引草の花穂に赤穂をかけたとか、なるほど。
俳人同士同じ句集に載っている二人の俳句。
 
素湯(さゆ)呑んでごろりと寝る冬の寺  子葉(源五)

春の野や何につられてうわの空      涓泉(けんせん・三平)



萱野三平のお屋敷も使われているシーンがありました。
三平は「孝ならんと欲すれば忠ならず」。親と仲間の板挟みに自害して果てるのですが、辞世の句ではなくて、大高源五との関連で詠まれた句が出ていました。

壁を這ふ木綿(さわた)の虫のもみじ哉


壁を這う小さな木綿という虫も真っ赤な色をしている、君の心にも同じように赤く燃えるものがあるはずと源五が三平に問いかけます。


三平の返歌は:

秋風や隠元豆の杖のあと

杖は止まったきり・・・。

源五は討ち入りの直前に、自分や一緒に討ち入る仲間たちの俳句を集めた句集を出版しています。そこにこの亡き三平のこの句が入っています。三平の心の内を源五は分っていたのですね。
その後、源五は四十七士の一員として討ち入りを果たし切腹して果てるのですが、討ち入りを前にお茶の師匠に自作の茶杓を形見のようにして渡していたそうです。その茶杓が今も残っていて、添えられている句:

人きれば我もしなねばならぬなり


人を斬れば自分も死なねばならぬ・・・というのは師匠へのお別れの句であり、命は果てても切れない子弟の絆を表しているとか・・・
五七五の短い句が表わす世界は如何様にも取れて味わい深いですね。三平27歳の辞世の句を何年か前萱野三平邸を訪ねたブログから探してみました。(http://d.hatena.ne.jp/cangael/20091031/1256987675
 

     晴れゆくや日ごろ心の花曇り