12月のお茶のお稽古

寒い木曜日、午後からお茶のお稽古でした。
車庫に車が入っていないので玄関の扉を開ける前に先生のお庭を。椿のツボミと実物が冬の庭を華やかにしています。
久しぶりに三人そろってのお稽古でした。先生があったかい生姜湯を出してくださって、Nさんの生まれて初めての海外一人旅のお話から。先生も社会勉強だからとタップリお話を聞くことに。シンガポール転勤で娘さんが今年二人の子どもを連れて一家で住んでおられるので、お孫さんのバレエやお稽古の発表会を見るため思い切っての一人旅だったとか。いろいろお話があったのですが、一番の印象は日本人が減ったことだったとか。最近、フランス語が話せるキャリアウーマンの娘さんと南仏を旅行されたという先生も同じことを感じたと仰っていました。羽田からの直行便の飛行機の中も、日本でどっさりお土産を買いこんだ中国人や韓国人で一杯だったとか。シンガポールでも日本の観光客は見当たらずとか。どこへ行っても日本人という時期は10年ほどだったね〜と言う話に。

そして、Nさん、私たち三人にビーズで作ったネックレスを6本並べて、先生から好きなのを選んでと。2,3年前からビーズのネックレスの先生の教室に入り梅田の教室でも習ったり、と今では先生の代わりに教えるほど。ところが、このところの円安で材料費が高騰。スワロフスキーは2倍もするそうです。6本だから、「2本選んでいいの?」と言ったら、「今、1本、選んでというの聞いてなかったでしょ」とNaさんに言われました。欲張りでした。先生が黒い縞模様の玉が真ん中にあるシックなのを選ばれて、次が私の番。私はちょっと変わったビーズらしくない作品を選びました。ウッドビーズで材質は木。真ん中にガラスではない変わった変形ビーズが付いたユニークなのものです。Naさんは最近流行のコットンパールの5つ玉に繊細な鎖が付いている一番材料費が高いというのを選びました。早速つけてお稽古です。

お花は朝鮮唐津の花瓶に椿のツボミとハシバミ(榛)。”ハシバミ”は若いころの小説によく出てきた木の名前ですが、見るのは初めて。枯れたハシバミだそうです。(調べるとカバの木のことで、西洋ハシバミの実はヘーゼルナッツ。公園にある木の事か…でした)
お軸は「無事是貴人」。何回か見たことのある掛け軸ですが、覚えられません。聞くのをためらっていたのですが、やっぱり聞いてみました。先生も、呆れて「読めるでしょ」と言いながら教えてくださいました。一年の締めくくりに使われる言葉ですが、いつ使っても大丈夫とか。年の瀬には「無事」だけの言葉を掛けることもあるとか。
香合は柿に見えますが、今の時期ですから蜜柑。葉つきミカンです。韓国製の青磁。お茶道具ではなくて見立て使いだそうです。

お稽古に入る前の時間が長かったせいで窯いっぱいの湯は煮えたぎるほど。私が最初に水屋に入りました。
寒い日なので厚ぼったいお茶碗と松に雪の少し華やかな京焼を選びました。

厚ぼったいお茶碗は志野焼かと思ったら、先生が萩焼きですと。萩でも荒々しいので鬼萩と呼ばれるものだそうです。貫入(かんにゅう=ひび)が一杯入っているうえに亀裂まで入っていて、濃い色の刷毛模様まで入っています。釉薬のかかっていないお茶碗のお尻の高台も荒々しい作りです。「萩の七化け」と言ってこの細かい貫入(ひび)にお茶が入って使い込むうちに色が変わります。
蓋置は黄色い綺麗な色を選びました。先生から[一葉の蓋置]という名前を教えてもらいました。そういえば一枚の葉っぱが巻き付いた模様になっています。
この日、私の袱紗は今までにないハッキリとした大きな音をたてました。ビックリして「わっ、鳴った!」と喜んだら、すかさず先生が「もう少し優しい音でないと」と言われました。難しいものです。

Naさんに代わってお菓子を頂くことに。主菓子はゆずの実をかたどった薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)で白餡が入っていました。お干菓子はミカンの砂糖漬けと京都の音羽山(おとわやま)という名前の落雁のお菓子。てっぺんに赤い点が付いているのは先生の説明では中に餡が入っている印しなんだそうです。とても小さいけれど美味しいお菓子でした。お茶碗もお茶も熱くて美味しかったです。
最後のNさんがお茶を二服点てた後先生にも一服。そのあと、最後だから欲しいだけ淹れてもらいなさいと仰って、面合(おもやい)という新しい淹れ方を教わりました。一度で二人前のお茶を点てる方法です。お客さんが多い時など、正客さんが皆さんに諮って同意を得て、面合でお願いしますと言われたらこの淹れ方をします。この場合、一人目が一服分を三回半口をつけて飲んだ後、いつものように手ではなくて懐紙でお茶碗の口を拭ってから隣に回します。
最後に変わった水差しを写真に。
口の部分が広がった末広がりの形で焦げ茶色に模様が刻印されています。漆塗りの蓋を使っていましたが、先生が元々の陶器の蓋を持って来られました。横に置いてある棗は、槐(えんじゅ)の木に漆をかけて唐花の模様を描いたもの。一寸おしゃれな感じです。
途中、外では雪が舞ったり寒い日でしたが、熱いお茶を何杯も頂いて温まって帰りました。


Sさんの玄関先の階段に置いてある金魚鉢の氷を子どもたちが割って遊んでいました。冷たいのに、見て、見て、と。
今朝夫が氷が厚くて割れないと言ってましたが、5時ごろでもかなりの厚さです。「金魚、大丈夫?」と聞くと、「元気に泳いでるよ」と。
戴いたネックレスも写真に撮ってみました。