「帰還事業は棄民事業」(福島より・「人民新聞」)と法政大学声明

◎「People's News 2015.1.25」の「甲状腺検査 子ども107人にがん発症」という記事の後半を書き移してみます。
記事の書き手は、佐藤幸子さん(←)です。

IAEAと情報操作
事故を小さく見せるためのデータ収集


 IAEAが、南相馬市田村市に研究施設を設置しています。そもそもIAEAは、原発を推進するための組織ですが、チェルノブイリ事故への対応を総括して、新たな原発事故が起こった際に住民は避難させない、という基本方針をもって福島で活動していることが、暴露されています。チェルノブイリ事故では、大規模に住民を移住させることで原発事故の影響の大きさが明らかになったからです。


 

福島では、事故の影響を小さく見せるためのデータを集めて低線量被ばくの影響はなく、事故が起こっても住民は住み続けることができることを実証しようとしています県民健康調査も、その一環だとみることもできます



帰還事業は棄民事業


 避難生活が長引き、狭くて孤独な仮設住宅で無為に時間だけが過ぎてゆく、という非人間的生活に嫌気がさして、少々危険でも自宅に帰って余生を送りたいという気持ちは、ある意味自然です。被ばくの影響は既に出ています。私の周囲の人たちでも、体調を崩している人はけっこういます。被ばくとの因果関係を証明できないので、「加齢や季節の変化によるもの」と納得させられていますが、実際の因果関係はわかっていない」だけなのです。高齢者は体力が落ちていきますから、放射能による健康被害が出やすいとも考えられます。


 さらに除染は、基本的に宅地の周りだけです。田舎暮らしは、山野や農地に接してこそ価値があるのですから、被ばくは避けられません。

 
そもそも、事故後の生活を個人の選択にゆだねること自体が間違っています。避難生活の原因となった原発事故についての責任は、被災者には全くないからです。「ふるさとを離れる」という決断は、個人にとってあまりにも大きな決断ですから、政府が、事故の責任を明らかにしたうえで、帰還できない地域を宣言し、十分な補償をして移住をサポートすべきです

 


 
 そのうえで、生活困難地域をどう活用するのかを住民とともに考えることができれば、さまざまなアイデアが湧いてくると思います。無人で稼働する太陽光発電基地を作るのも一案でしょう。もともと土地は人間の専有物ではないのですから、「自然に返す」という考えもあります。


 
 福島の放射能被曝問題は、まだ始まったばかりです。福島の28年後は、現在のチェルノブイリにあります。汚染地域で生活を余儀なくされている人々の命を守るために、チェルノブイリに学び、50年後、100年後を見据えて、今何をなすべきかを決めなければならない、と考えます。
《付記》2014年12月25日発表で、甲状せんがんは4人増えて107人となっている。

後藤健二さんの母校である法政大学が声明を:「shuueiのメモ」(http://d.hatena.ne.jp/shuuei/)さんからです。

法政大学は戦争を放棄した日本国の大学であることを、一日たりとも忘れたことはありません


いかなる理由があろうと、いかなる思想のもとであっても、また、世界中のいかなる国家であろうとも、人の命を奪うことで己を利する行為は、決して正当化されるものではありません。暴力によって言論の自由の要である報道の道を閉ざすことも、あってはならないことです。


法政大学は戦争を放棄した日本国の大学であることを、一日たりとも忘れたことはありません。「自由と進歩」の精神を掲げ、「大学の自治」と「思想信条の自由」を重んじ、民主主義と人権を尊重してきました。さらに、日本の私立大学のグローバル化を牽引する大学として、日本社会や世界の課題を解決する知性を培う場になろうとしています。その決意を新たにした本学が、真価の問われる出来事にさらされた、と考えています。


なぜこのような出来事が起きたのか、この問題の本当の意味での「解決」とは何か、私たちは法政大学の知性を集め、多面的に考えていきたいと思います。


まず全学の学生・生徒・教職員が人ごとではなく、この世界の一員として自らの課題と捉え、卒業生としての後藤さんの価値ある仕事から多くを学びつつ、この問題を見る視点を少しでも深く鋭く養って欲しいと、心から願っています。


法政大学総長 田中優子

◎「☆句の無限遠点☆」さんから:

テロは戦争より残虐か、テロが「シャルリー・エプド」の救世主という皮肉


政治社会経済

元日本の大学教授のゴードン氏のTwitterより、

@G_D_Greenberg: 9.11テロの米国での死亡者数2,973人、その報復という名目で仕掛けられたイラク戦争(という名の一方的な殺戮)でのイラク国民の死亡者数、
65万5,000人(米大学調査結果)。220倍。

〇全文はコチラで:http://d.hatena.ne.jp/haigujin/20150205/1423143965