産経切り抜きと「人質救出無理」(自衛隊機関紙「朝雲」)と田母神氏政治資金疑惑

★水曜日のヨーガが終わった後、午後からお茶のお稽古があり、皆さんのランチには参加しないで帰ろうとしたとき、産経新聞の切り抜きを渡されました。その時、「こういう意見もあるということで読んでみて」と言われました。気になるので信号を渡ってからは、読みながら帰りました。まだ、お話が出来てないのですが、書いてみますね。
◎書き手は『「吉田調書」を読み解く』の著者だとか。ノンフィクション作家の門田隆将という人です。
新聞に喝!」というコラムで<「命」と「憲法」どっちが重いか>というタイトルです。
◎内容は、日本人人質事件で、産経と讀賣は、在留邦人の命を守るための法整備を急げと提言しているのに、「朝日の7日の社説では、『憲法の制約を解き、自衛隊の海外での武力行使に道を開けば、国民の命を守ることになるのか。疑問点はあまりに多い。短兵急な議論は危険だ』と得意の憲法論を展開して、真っ向から反対した。つまり、自衛隊邦人救出に乗り出すことは『海外での武力行使』に当たり『許されない』のである」。もう一つ、カメラマンの旅券返納事件についても書いてありますが、これは省略。
で、この後、コラムのタイトルになるのですが、ここで話が、すり替えられています。朝日新聞の引用文を読んでも、この方が次に書いているように、「あくまで、最も大切なのは「憲法」なのだ。「命」よりも「権利」が優先する本末転倒の議論(は、戦後ジャーナリズムの特徴的な傾向であり、同時に頸木(くびき)でもある。)」とは、読めないじゃありませんか。つまり、「つまり」以下が朝日の社説と一致しないのです。
ここで引用されている社説で朝日が書いているのは、「憲法の制約を解いて自衛隊を海外へ出しても、国民の命を守ることになるのか? 疑問が多い。慌てて議論するのは危険だ」ということです。(命より憲法とは書いてない。)
それが、どうして、「今後、海外で自分の家族の救出を願う事態が発生したとき、命より憲法が優先されたらどうだろうか。」そして、「その家族は思うに違いない。命より大切な憲法ーこの机上の空論がいつまで読者の支持を得られるのか、実に興味深い。」と締めくくられます。
◎朝日の社説を都合のよいように解釈して(「命より憲法が大切」とは書かれていない!)、自分の言いたいこと=命を救うためには自衛隊を海外に出せるよう法整備をしなければならない=の論拠にする、というのは、物書きらしからぬ、マナー違反の記事だな〜と思います。
産経新聞や、読売新聞、門田氏は、人質救出に自衛隊を出していれば、二人は助かったのか、検証してみることが先だと思います。湯川遥菜さんと後藤健二さんを救出するのに、自衛隊を出していれば助かったのか…。世界一の兵力を海外に自由に出せるアメリカの人質救出作戦だって成功例はほとんどないと言われています。
◎では、どうすればよかったのか。「テロとの戦い」より「命」だったんじゃないですか。当事者であった安倍さんたちに大いに考えてほしい問題です。以前に読んだ記事、行方不明になっていましたが、ブログ仲間のランスケさんが「白銀のParadise」(http://blog.goo.ne.jp/toshiaki1982/e/7eacb0c7ccde60f7aa88cab307a80cf4)のコメント欄で取り上げてくださっていました。この記事も参考に:「人質の命を救うことを最優先しなければならない 身代金に関する4つの誤謬 ー アダム・ドルニック教授」( http://blogos.com/article/105161/

★★この切り抜きをもらった後、ナント、自衛隊が「人質救出作戦は無理」という記事を出したという事を知りました。
ところが、この記事は今は削除されているそうです。そりゃ、安倍さんたちは許さないでしょうね。自衛隊を海外で使えるように、そのきっかけに人質救出を使ってと思ってキャンペーンを始めて、産経や讀賣の応援記事もあって、その矢先に、肝心の自衛隊が、”出来ませんよ〜”ですから。
ブログで保存されている方がいました。また、大々的に宣伝されている記事も見つけました。
ウィンザー通信」さんの写真です。日刊ゲンダイらしいです。
この新聞の左上が、自衛隊の機関誌「朝雲」に掲載された記事です。
下にコピーします。

自衛隊の『朝雲』新聞は「問題の記事」を削除した!←安倍官邸が目論む「シリアでの人質救出作戦構想」に楯突く記事だからだ。本稿では、その記事を再現し採録する。自衛隊の正論派達よ!この恨み、忘れるでないぞ!(飯山一郎)


自衛隊:『朝雲』新聞は、「問題の記事」を消した! (引用元:http://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-7742.html


 朝雲寸言


 過激派組織「イスラム国」による日本人人質事件は残念な結果となった。悔しい気持ちはわかるが、自衛隊が人質を救出できるようにすべきとの国会質問は現実味に欠けている


 人質救出は極めて困難な作戦だ。米軍は昨年、イスラム国に拘束されている二人のジャーナリストを救出するため、精鋭の特殊部隊「デルタフォース」を送り込んだが、居場所を突き止められずに失敗した。

 
作戦に際し、米軍はイスラム国の通信を傍受し、ハッキングもしていたに違いない。さらに地元の協力者を確保し、方言を含めて中東の言語を自在に操れる工作員も潜入させていたはずだ。もちろん人質を救出するためであれば、米軍の武力行使に制限はない。それでも失敗した。


 国会質問を聞いていると、陸上自衛隊の能力を強化し、現行法を改正すれば、人質救出作戦は可能であるかのような内容だ国民に誤解を与える無責任な質問と言っていい。


 これまで国会で審議してきた「邦人救出」は、海外で発生した災害や紛争の際に、現地政府の合意を得たうえで、在外邦人を自衛隊が駆け付けて避難させるという内容だ。今回のような人質事件での救出とは全く異なる


 政府は、二つの救出の違いを説明し、海外における邦人保護には自ずと限界があることを伝えなければならない私たちは、日本旅券の表紙の裏に記され、外務大臣の印が押された言葉の意味を、いま一度考えてみる必要がある。
(2015年2月12日付『朝雲』より)

◎さて、旅券の裏には、「日本国民である本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、かつ、同人に必要な保護扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する。日本国外務大臣」とあります。私も今まではパスポートを手にすると国家(自衛隊ではなくて)に守られている有難さを感じていました。ついでにパスポートの最終ページ、「注意」の裏の最後には、「万一、海外で危険に遭遇した場合には、日本国大使館又は総領事館、あるいは日本の外務省に連絡してください。外務省電話番号:+81-(0)3-3580-3311」と書いてあります。
★★★自衛隊ついでに、元航空幕僚長都知事候補で湯川遥菜氏と握手する写真でおなじみの田母神氏の政治資金疑惑についてです。
「真実を探すブログ」さんの<【政治資金疑惑】田母神俊雄氏が臨時記者会見!3000万円が流用されていたことを認める!「会計責任者が勝手に使ってた」>から:

2月19日に緊急の記者会見を開いて資金の使い道について弁明しました。田母神俊雄氏によると、都知事選後に政治資金約3000万〜4000万円が会計責任者によって不正に利用されていたとのことです。<中略>

尚且つ、チャンネル桜の社長水島氏は「1億円近くが無くなっていた」と証言していたのに、田母神氏は「3000万〜4000万くらい」と話していました。数千万円のズレは大きく、今回の記者会見だけでは何が正しいのか断言することは難しいです。

◎全文はコチラで:http://saigaijyouhou.com/blog-entry-5610.html