日曜2万人「反原発★統一行動」と『末の松山浪こさじ』


◎金曜デモをブログで伝えて下さる「特別な1日」さんが、3・11直前の昨日の日曜日に特別行動があると予告されていましたので、昨夜のニュース、注目でした。確か夜のNHKだったと思いますが、紹介していました。日比谷公会堂に人が一杯のところが映し出されて、これはすごい!と思いました。2万人以上が集まったとか。毎週金曜日に集まっている団体が呼び掛けたという紹介もありました。毎年1万人ずつ参加者が減るとか、参加者の一人が、年寄りばかりになるので若い人の参加を望むと話していました。
早速今朝一番に「特別な1日」さんを訪ねました。「0308 NO NUKES DAY 反原発★統一行動」の報告です:


日曜日の東京は生憎、雨が降ったり止んだりのお天気。でも、やっぱりなあ、と思って『0308 NO NUKES DAY 反原発★統一行動』に行ってきた。東京に住んでいる、ヒマ人のボクなんかが出かけて意思を示さないとどうしようもない、と思うからだ。大人の嗜み、とでも言いましょうか(笑)。311から4年しか経ってないけれど、もっと長い時間が過ぎたような気がする。

◎そして、先週末土曜日の「報道特集」で取り上げたトモダチ作戦で被ばくしたドナルド・レーガン乗組員の提訴の問題。

先週土曜のTBS『報道特集』は驚きだった。トモダチ作戦に参加した空母ロナルド・レーガンの兵士100人以上が東電に対して被爆により健康被害を受けたとして、賠償訴訟を起こした「トモダチ作戦で被ばく」米兵による東電訴訟の継続、連邦地裁が認める【東日本大震災】のは知っていたが、昨秋 米海軍は議会にこんな報告をしたそうだ。

★全文はコチラで:0308 NO NUKES DAY 反原発★統一行動と映画『ストックホルムでワルツを』(http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20150309/1425852528


◎2月22日の日経新聞の文化欄、捨てられず残していた記事、少し端折りながら。
丁度、3月11日、あの日から4年。信じられない映像をテレビで見たのが4年前でした。うっそ〜!でした。はるか沖から白波蹴立てて押し寄せる津波を見たのも初めてなら、荒々しく押し迫る波の力がビルや民家を飲み込む様子も信じられない映像で、映画の中でしか考えられないような事態が、現実だなんて・・・。
丸4年のその日を前に、山下柚実という作家の「歌の力、土地の記憶」と言うエッセイです。百人一首の仕事を知人から頼まれ、本作りを一緒にする中で何十年ぶりかで一つ一つの句と向き合ったという前書き部分のあと、「末の松山」に関係する箇所をピックアップしながら:

  契りきな かたみに袖をしぼりつつ 末の松山浪こさじとは


 清少納言の父、清原元輔の恋の歌だ。

 「固く誓いあいましたよね。末の松山を浪が越さないように、2人の心も決して変わらないと」
  愛を約束した相手が心変わりをしたと嘆く歌。一般的にはそう解釈されている。
 「末の松山」は歌枕で、調べれば宮城県多賀城市八幡地区を見下ろす標高10㍍の小高い丘に、「末の松山」の歌碑があるという。なにより私が衝撃を受けたのは3・11の東日本大震災の時も、この「末の松山」を浪が越さなかった、と知ったからだ。
 「松山は(山の下にある)寺から急斜面上のさらに約8㍍高い場所にあり、今回も波が超えることはなかった」(日経電子版「『末の松山浪こさじ』百人一首に残る1100年前の大津波の秘密」2011年12月21日)
 地元ではすでに広く知られているかもしれないが、私は今回、本づくりの途上でこの事実に触れた。いったい歌枕とは何なのだろう。歌が持つ不思議な威力に、私はズンと胸を突かれた。


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 869年、陸奥国貞観地震が発生した。東日本大震災震源地が同じM9クラスの巨大地震で、多賀城一体も津波に襲われたという。「末の松山」を浪が越えなかった、という説と、実際には超えた、という説。千年以上前の事だけに検証は難しい。だがいずれにせよ、「末の松山」の4文字に大津波の記憶、貞観地震の記憶が刻み込まれている。
 「末の松山を浪が越す」といえば「あり得ないこと」の例えとなり、誰にでも理解しやすい恋愛歌に姿を借りて、はるか千年の時空を超えて今、私たちの目の前にあるのだとしたら……
 大切な記憶を、どうにかして受け渡したい。歌枕「末の松山」に悲壮な叫びのような力を感じてしまう。和歌を記憶装置として捉えた時、坊主めくりの印象と全く違った「百人一首」が表れた。


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 「奥の細道」で歌枕を訪ね歩いた芭蕉は、「末の松山」にも足を運び、「いま眼前に古人の心を閲(けみ)す」と記した。芭蕉にとって歌枕とは、地層の中に眠る記憶を、情感とともに現在に引き出すフックだったのだ。<略>
 間もなく3月10日がくる。東京大空襲から70年を迎える今も、東京・日本橋の上には焼夷弾の傷が残る。その痕跡はいつか、祈りの対象へ姿をかえていくのだろうか。
 歌枕、道祖神、お地蔵さん、石仏……土地に眠る記憶は別の何かに姿を借りて誰かに読みだされることを、今日も待っている。

やました・ゆみ 作家。1962年東京都生まれ。著書に「ショーン」(小学館ノンフィクション大賞優秀賞)「都市の遺伝子」「年中行事を五感で味わう」など。