想田和弘氏の「#菅官房長官語で答える実験」とブレンディのCMについて


ノーベル物理学賞東京大学宇宙線研究所所長梶田隆章氏(56)とカナダ・クイーンズ大学名誉教授のアーサー・マクドナルド氏(72)が授与されると発表されました。
カミオカンデ? ニュートリノ? 何年か前に聞いたことがあったけど、今度は?
今から13年前の2002年に小柴昌俊東大名誉教授が受賞したのは、「カミオカンデ」で世界で初めてニュートリノの観測に成功したから。その門下生の梶田氏が今回受賞したのは、「スーパーカミオカンデ」で、「ニュートリノに重さ(質量)があるのを初めて確認した」ことで、ということなんですね。マクドナルド氏は、「カナダの実験施設で、太陽内部で生まれて飛んでくるニュートリノが別のタイプに変化する証拠をつかんだ」のだとか。まずはおめでたいことです。
想田和弘氏のツィーターでの「#菅官房長官語で答える」が話題になっています。ヤフーニュースの10月2日の「ツイッター実験が話題  無敵の”官房長官語”って?」(ttp://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151002-00000003-ovo-life)から一部です。


映画作家想田和弘さんが、批判などのリプライにこのハッシュタグを用いて「その指摘は全く当たらない#菅官房長官語で答える」とツイートしたのが始まりどんな中傷や非難のリプライにも、官房長官の言葉で答えると簡単に片づけてしまうことができ、これを延々と続けていくと、相手がイライラして、退いていく効果すらあるのがよく見えて、官房長官語は無敵だ、と話題になっているのだ。


 「そのようなことは断じてない」「不退転の決意で、正々堂々と、法令に則って粛々と進めるだけ」「よく意味が分からないというのが率直なところだ。」「レッテル貼りはやめていただきたい」など、いくつかのバリエーションはあるものの、それでほとんどのリプライに応答できてしまうところが面白い。


 想田氏自身、この表現のコツについて「相手の質問や抗議に対して決して答えないこと」「木で鼻を括ったような定型句を繰り出す。するとコミュニケーションがそこで遮断される。議論にならない。なりようがない。」とし、「安倍氏の言葉も橋下氏の言葉も、基本的にはコミュニケーションを遮断する目的で使われる。実はそれ以外の機能はない。
菅語を回りくどくすると安倍語になり、攻撃的にすると橋下語になる。これを言葉で説明しても伝わりにくい。そこで試みたのが #菅官房長官語で答える 実験だ実際に菅語で返答すると、面白いようにコミュニケーションが遮断されるその様子を見ている側は、僕の菅語がコピペであることを知っている。そこで明らかになるのは、僕ではなく菅氏の言葉の暴力性だ」と、この#が、一種の実験であることを明かしている。

◎5日には、琉球新報も取り上げています。

想田和弘 ‏@KazuhiroSoda · 5時間5時間前
なんと、#菅官房長官語で答える が琉球新報のコラムに!思えば、官房長官語の一番の犠牲者は沖縄の人々かもしれない。→<金口木舌>その指摘は当たらない - 琉球新報 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-249966-storytopic-12.html


<金口木舌>その指摘は当たらない
2015年10月5日 6:00


 「その指摘は全く当たらない」「よく意味が分からないというのが率直なところだ」。自分をツイッターで批判する書き込みに対し、木で鼻をくくったような回答が話題になっている
回答の主はドキュメンタリー映画「選挙」などで知られる映画監督の想田和弘さん。目的を問う書き込みには「目的の問題ではない。粛々と進めるだけ」といった具合に。批判が続いても、同様な回答を延々と繰り返す
▼笑えるが笑えない。実は菅義偉官房長官が会見などで実際に述べたことをコピーしているだけだからだ。回答には「#菅官房長官語で答える」という目印が付く。こつは「相手の質問や攻撃に対して決して答えないこと」
会話しているようで何も説明していない。誠意がないどころか、コミュニケーションの遮断だ。次第に反論の気持ちもなえるのが「無敵」との声も上がる、この論法の怖さだ。想田さんは民主主義を根底からむしばむと危惧する
▼安倍政権前の東京報道部時代、判で押したような閣僚の答弁に悔しい思いを何度もした。何も菅氏だけでない。だが安倍政権が違うのは、この論法による言動が政権を貫いていることだ
▼国民の声に耳を傾けず、政権の主張だけを押し通すのは民主主義の否定に違いない。会話がないと「平和」は保てない。コミュニケーションを封じる政権が治める国の行く末は空恐ろしい。

◎橋下氏を批判する想田さんに対してこんなツィートもあります。

オスギ@フューチャリング@ピーコ @taketikubi7 @KazuhiroSoda @kyojindayo 橋下市長は登退庁時に記者の囲み、定例会見で2〜3時間質疑応答して、やり取りを全てネット公開しています。タウンミーティングも100回は越えていたと思います。とても対話を怖がってるようには見えないのですが…対話の定義にもよりますが

◎これに対して想田さんは、丁寧に答えておられます。


想田和弘 ‏@KazuhiroSoda · 10月3日
オスギ@フューチャリング@ピーコ
対話というのは、AとBという異なる意見の人がお互いの意見を尊重しながらすり合わせ、AでもBでもないCにたどり着く作業だと僕は考えています。対話が成立するためには、相手の意見を聞いているフリではなく、本当に聞かねばなりません

橋下さんは記者会見などを頻繁にしますが、それは自分の主張を一方的に相手に伝えたり押し付けたりするプロパガンダのためにしているのであって、相手の意見を聞く姿勢は希薄に感じます。討論形式の番組に出ても、それは相手をねじ伏せる自分を見せるためのものであり、対話のためではありません。

◎こんな意見もあります。

Shuya Okino ‏@shuyakyotojazz · 10月4日
@KazuhiroSoda さんはまともな問いかけに #菅官房長官語で答える ことはない官房長官はまともな問いかけに こそ #菅房長官語で答えるその違いは大きい

◎菅官房長官語について想田さん曰く:


ジャイアン @kyojindayo @KazuhiroSoda
対話が怖いと感じる人には持ってこいですなw w w


想田和弘 ‏@KazuhiroSoda · 10月3日
想田和弘さんがリツイートしました ジャイアンそうです。つまり菅官房長官や安倍首相や橋下市長は、実は対話をするのを怖がっている
#安倍語で補足 #橋下語で攻撃 #菅官房長官で答える


◎次は、最近見た奇妙なというか不快にさせられるCMについて。私は、ネットではなくテレビのCMで見たと思うのですが、思い違いかな〜。
高校生の卒業式で卒業証書を渡されるシーン、何となく見ていて、鼻の下に輪っか?! 壇上に居る女の子だけでなく座っている生徒たち皆にも鼻輪?? 何? これ? 
選りすぐりの特別な牛乳を使っている…ってことが言いたいようですが、不可解、不気味…のワケが解明されていきます。長いですが、最後に、寄せられたコメントに言及してまとめています。関心のある方は★印から入って読んでみてください。

__yamazaki · 10月4日
山崎 雅弘さんがリツイートしました vertanlこれはお見事な分析。私が感じていたモヤモヤした不快感の正体が、手際よく解明されている。最後のコメントにも強く共感。私はニヤリとさせられる風刺CMは好きだが、これは見終わって「商品を買う気が失せる」点で、風刺CMとして成立していない。


山崎 雅弘さんが追加

vertanl @vertanl 炎上したブレンディのCMを冷静に分析する - Mist "i" Room
http://mistclast.hatenablog.com/entry/2015/10/03/163446
このCMが気持ち悪い理由が明確に分析されている。否定されるべき価値観を全肯定するこのCMが、政治家たちが継続的に示してきた価値観と重複して不快感を誘うのだ。

(写真は、朝の散歩で見た唐池公園の木の葉とドングリと、トップの写真は、夏、水面を覆っていた水草が消えてしまった芦原池、そして最後は、芦原公園で誰かが並べたドングリ)