「靖国神社に自然死を」(「リテラ」白井聡氏)

毎日お天気続き、これが日曜日まで続くことを願っています。いよいよ、明日、隣りの99歳と94歳の両親と一緒に新幹線で出かけます。孫(私には姪っ子)の新居訪問が目的ですが、東京の長男も近場で箕面の祖父母と両親に会えると時間を作って夕食の席に駆け付けることになりました。従兄妹同士の10年ぶりの再会にもなります。翌日はリハビリに励む妹の連れ合いも小田原まで頑張って出てくれますので、こちらの家族一同とも昼食を共にする予定です。これが最後?の遠出なので、無事に済ませられるよう願っているところです。数日ブログお休みします。その前に・・・

◎皆で参れば怖くない…恒例の靖国神社(英語ではズバリ”戦争神社”と呼ぶ)の秋の行事が始まりました。
産経新聞は19日、「安倍首相の真榊奉納 菅官房長官「私人としての行動だ」という見出しで「国のために亡くなられた方に手を合わせるのは世界共通のことだ」と指摘した菅氏の言葉で締めくくっています。

また20日共同通信では、「超党派議連が靖国集団参拝 自民、民主など71人」と題して、右の写真入りで集団参拝を伝えて、「議連によると、自民や民主、維新、次世代の各党から71人が参加した。政府側からは武藤容治外務副大臣渡嘉敷奈緒美厚生労働副大臣副大臣5人、政務官3人が加わった」と報じています。

◎「第3次安倍改造内閣・自民閣僚全員が「靖国」派 侵略美化・改憲を推進…」というタイトルで、「7日に発足した第3次安倍改造内閣安倍晋三首相を含む20人の閣僚のうち、公明党石井啓一国土交通相を除く全員が、「日本会議国会議員懇談会」「神道政治連盟国会議員懇談会」「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の三つの議員連盟のいずれかに所属してきた「靖国」派の政治家であることが明らかになりました」と書いて下にコピーする表にしたのはしんぶん赤旗です。


(引用元;http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-10-12/2015101201_01_1.html
◎こういう内閣が誕生していることが異様で異常なんですが、もう今では見慣れた光景でみんな鈍感になっているような気がします。大騒ぎすべき事態なんですが。
★前置きがすっかり長くなってしまいました。今日私が取り上げたかったのはリテラ(10月17日)の白井聡氏についての記事です。
靖国神社の本質に気鋭の政治学者・白井聡が切り込む! 問題はA級戦犯合祀や中韓の反応ではない、靖国に歴史的大義がないことだ!

「靖国神社」問答 (小学館文庫)

「靖国神社」問答 (小学館文庫)

この記事は、『「靖国神社」問答』という本に掲載されている白井聡氏の論を紹介して始まります。
そこで、そもそも論です、靖国神社の成り立ちについて:

 同書によると、靖国神社はもともと、戊辰戦争での戦没者を弔うために建立された東京招魂社が起源となるのだが、この時に合祀されたのは官軍側の戦死者だけだったという。


当然のことながら彰義隊会津・白虎隊は誰一人祀られていません。東京招魂社は幕末から明治維新にかけての勤王派や尊攘攘夷派の殉難者、戊辰戦争の官軍側戦没者のための招魂社です。つまり明治政府と朝廷のために死んだ人だけを選んで祀ったのです〉(本文より)


 しかも、賊軍の戦死者には極めて冷淡な扱いで、〈敗者の死者は、まさに犬死に同然で、なんの配慮もなされなかったばかりか、一時はその供養さえも許されませんでした〉(同)
<中略>


 しかし、繰り返すが、靖国に祀られている英霊とは戦前の大日本帝国のご都合主義から選ばれたものであり、たとえば数十万人にも及ぶ空襲や原爆の死者などの戦災者は一切祀られていない靖国神社を参拝するということは、先の大戦に対する反省や、多くの国民を犠牲にした贖罪を伴った行為とは真逆の行為なのだ。


 白井も、これについて次のようにその欺瞞を指摘している。


〈「政治家の靖国参拝は平和の誓いをするためなのだ」というレトリックは、神社の来歴からして到底通用し得ない。仮に、靖国神社戦没者追悼のための公的な施設として使い続けるのであれば、靖国は過去の戦争神社としての在り方を公的に自己否定しなければならないし、政教分離の観点からし神道から切り離される、つまり神社であることをやめなければならない

◎「その上で、靖国の今後について、こう提言する」と書かれている白井聡氏の提言です:

〈してみれば、われわれが目指すべきは靖国の「自然死」である多くの人が、靖国の原理を理解すること――すなわち、そこには普遍化できる大義がないことを知り、「勝てば官軍」の矮小な原理を負けた後にも放置しながら、あの戦争の犠牲者たちに真の意味で尊厳を与えるための施設としては致命的に出来損ないであり続けているという事実を知ること――がなされるならば、誰もがこの神社を見捨てるであろう〉


 白井の言うように、靖国はまさに自然死こそがふさわしい。だが、そのためには、国民が靖国問題へのリテラシーを上げていく必要があるだろう。
(エンジョウトオル)

★全文はコチラのリテラの記事で:http://lite-ra.com/2015/10/post-1595.html