「象徴にならんとする」と「書き直されるか?日本の歴史」

日が流れるように過ぎていきます。そんな中で季節の節目は有難いものです。昨日は冬至。今日からまた明るい日中の時間が少しずつ春に向かって増えていきます。冬至は柚子ですが、金柑の一句を。月曜日は母の俳句の日でした。

    しあわせってこんな色かと金柑たく


そして今日は天皇誕生日。12月23日が天皇誕生日になって27年という事ですが、天皇陛下も安倍政権の憲法改定の動きを大多数の国民と同じように心配されているのではないかと思います。「文藝春秋12月号」が手元にありますが、その中に「皇后さまが明かした八十一歳の『ご覚悟』」という記事を元外交官の小池政行氏が書いています。美智子さまの誕生日に合わせての記事ですが、小池氏が美智子さまが語られた言葉を紹介されています。その中から:
国の象徴であり、国民統合の象徴という在り方を、一人の生身の人間が担う。それは非常に難しいことです。とてつもなく大きな、重い任務を背負っていると言えるかもしれません。とても困難がともない、ほとんどできないのではと思う時もありました。
 陛下は、国民統合の象徴に『ならんとする』、ないしは、陛下御自身の行いによって近づこうとしている姿を国民の方々にお見せし、理解してもらうことによって、それが結果として『日本国民統合の象徴』になるであろうと思い定めて日々を過ごされているのです。私はそれをお側近くにいることでお支えしたいと思っています
2005年から始められた海外慰霊の旅はサイパンから、今年はパラオペリリュー島、来年はフィリピンが予定されている。そのことについて:
戦争の惨禍を語り継ぐだけでは、過去にそういう事があったという事で終わってしまうのではないかしら。最も大切なのは、そこから学んで私たちがどのような未来を作っていくかという事。フィリピンや韓国、中国との間で、ともに良い未来を作って行くことを考える切っ掛けにならなければいけないと思います。歴史から学んで、より良き日本、より良きアジア、よりよき世界をどうやって作っていくかを考えなければいけないのではないでしょうか。これからのことにつなげていくことが最も大切なことであり、それが陛下の願いです。」
◎今の憲法を大切にする立場、歴史から学びよりよい未来を…これらとは対極の考え方の人たちが今の政権を動かしています。内田樹氏のツィート欄から山崎雅弘氏の日本会議批判を:「日本の伝統」と現政権の人たちが言う「伝統」は、ほとんどが明治期に出来上がった理屈だという指摘。私たちも勉強しないで、妄信していては、騙されてしまいます。


内田樹さんがリツイート

山崎 雅弘 ‏@mas__yamazaki · 12月21日
『戦前回帰』でも書いたが、国家神道の政治思想を共有する人間は、自らの政治目的を正当化する武器として「日本の伝統」を持ち出すが、ほとんどは明治期に当時の国家体制の正統性を補強する素材としてアレンジされたものだった。実際の伝統とは違う。



例えば、櫻井よしこ氏など日本会議の弁士は、天皇中心に国民が従う国家が「日本の伝統」であるように宣伝するが、日本人の大多数にとっては天皇よりも幕府や「藩(くに)の殿様」が絶対的に偉い存在だった明治期に作られたフィクションを、国家神道の政治思想を共有する人間は「伝統だ」と言い張る

憲法を無視した法律を作る一方では、歴史も作り変える。反省したくない人たち、自国の歴史に、間違いや失敗を認めたくない人たちが、『絶対正しい日本の歴史』を創作するつもりのようです。


山崎 雅弘 ‏@mas__yamazaki · 7時間7時間前
自民党は22日午前、日清戦争以降の歴史を検証する「歴史を学び未来を考える本部」の初会合を党本部で開いた(産経)http://bit.ly/1O5l7eb 「議論の対象とするテーマをめぐり、有識者と意見交換。安倍晋三首相(党総裁)直属の組織で、谷垣禎一幹事長が本部長を務める」


(続き)「本部設置を主導した稲田朋美政調会長らは、東京裁判も議題にする方向。慰安婦問題や南京事件などの歴史認識問題も取り扱いたい考えだ内輪でしか通用しない戦前の国体論と同様の「自国無謬の神話」を、政権与党が公務として創作している。


この自民党の「歴史を学び未来を考える本部」について、今日の午後2時のNHKニュースでも谷垣幹事長のコメントを含め詳しく丁寧に報じていたが、こんな「一政党内の単なる勉強会」を、わざわざ公共の電波を使って全国に報道する理由を説明できるのかNHKは完全に自民党の広報媒体と化している。

◎日本の歴史が、ある特定の考え方の人たちによって、書き直され、それ以外の解釈は許されなくなる社会になりそうです。日本は、どうなるんでしょう・・・いつから、日本の内閣総理大臣が絶対権力者になってしまったのでしょう。国会も政党も言論界も形だけ、やりたい放題・・・


山崎 雅弘 ‏@mas__yamazaki · 6時間6時間前
ソ連北朝鮮などの全体主義国では、政治指導者の都合や意向に沿う形で、歴史認識や事実の認定が修正され、文章の修正だけでなく、不都合な人間が写真から消されたりもした日本もそれと同種の修正行為に手を染め始めている。今回の修正はわずかに見えるが、これを何度も繰り返せば大きな変化になる。


理不尽や不条理と戦う心理的ストレスから逃れるために、政治権力者に迎合する道を自ら選び取る人間が増えれば、社会は短時間のうちに全体主義へと変化する。権力に身を委ねてしまえば、その種のストレスから一時的に解放される。それと引き換えに、自分や家族の生殺与奪の権を、政治権力者に売り渡す


今の中国をはじめ全体主義国に共通する特徴の一つは政治権力者の無謬性という前提を絶対化し、メディアが政治権力者を批判することを許さないことにあるが現在の日本でも、安倍晋三政権の無謬性を絶対視する空気が社会に広がり続けている。政治権力者はしばしば間違うという歴史的事実を認めない。