ルモンドの「パート25万批判」と「止められるか『立憲主義』の危機」


内田樹氏のツィート欄より:
一つ目は安陪首相の国会での答弁でのパート25万円について、ネットではありえない数字とか、年間130万円に引っかかる数字であり得ないと、すぐ反論が寄せられていたようですが、フランスのルモンド紙による批判です。日本の貧困はすでに世界でも知るところなのを日本が知らないということでしょうか。内田氏のブログで、11日のルモンドの記事が日本語で紹介されています。

内田樹 ✔ @levinassien

フランスの「ル・モンド」紙が安倍首相の予算委での発言をめぐって、首相の現実認識の不足を指摘しています。日本は急激に貧困化しているということは海外メディアではすでに「常識」のようですが・・・http://blog.tatsuru.com/


内田樹さんがリツイート


平川克美 ‏@hirakawamaru · 49分49分前
安倍さんのパートで月収25万円という認識にも、驚いたが(このスピーチ原稿は側近が書いているの?)、かれらの経済方針がどうかという以前に、日本の現実を知らな過ぎることに愕然とする。世界の中心で輝く日本という夢を見続けているのだろう。

★「内田樹の研究室」の「ルモンドの記事から」はコチラでも=http://blog.tatsuru.com/2016/01/12_1039.php


◎2つ目は改憲憲法改悪について。
安倍首相は、記者会見で、自公以外に「日本の未来に責任を感じている」党と一緒になって…とおおさか維新の会をあげて、国会で3分の2をとって改憲を目指すと話しました。
数年前から行われている安倍政権の政治は、現憲法下にありながらすでに憲法否定、憲法無視の政治を行っているという大変危険な政治だと思います。すでに、2013年末、モートン・ハルペリン氏によって「21世紀に民主政府によって検討された秘密保護法の中で最悪なもの」と痛烈に批判された、ツワネ原則を破る特定秘密保護法が2014年に、昨年は、日本の憲法学者の大多数が憲法解釈が違憲と認める安保法制の法律を、あんな無法なやり方で、決めてしまっています。
憲法を蔑(ないがし)ろにする政治を行いながら、今年はいよいよその仕上げに、国会議員の3分の2を確保して憲法を変えてしまおうという段取りです。どの段階でも、民主主義を守ろうという勢力はその動きを阻止できていません。このままいけば、立憲主義、は潰えてしまいそう。新成人を含めて初めて18歳以上が投票できる今年の参院選で、政権側が3分の2を確保すれば…嫌な日本になりますね。スターウォーズの新作「フォースの覚醒」ではありませんが、日本国民の「覚醒」が急がれます。
内田樹氏がリツィートする山崎雅弘氏の言葉。琉球新報の社説を紹介しての野党への注文。民主党に届くでしょうか・・・


内田樹さんがリツイート

山崎 雅弘‏@mas__yamazaki

<社説>改憲が争点に 緊急事態条項は許されない(琉球新報http://bit.ly/1PmVlPe
選挙前に改憲の意思を述べておくことで、選挙の勝利をもって改憲の許可を得たことにする。その上で自分の望む部分を改憲するということだろう。改憲のフリーハンドを握り『後はお任せを』と言うに等しい。そんな政治を民主的政体とは言えない」「権力者が勝手なことをしないよう憲法で縛りをかけるのが立憲主義だ。フリーハンドは立憲主義にも反する」「この政権は憲法解釈も一方的に変更し、それを正当化する安全保障法制も憲法学者多数が違憲と断ずる中で成立を強行した」
憲法53条に基づいて野党が臨時国会開会を求めても無視した。立憲主義軽視は顕著だ」「自分たちの気に入らない憲法はないがしろにする一方、新たな憲法をつくるというのは、まさにご都合主義ではないか」「参院選ないし同日選は、間違いなく日本の針路を一変させる選挙となろう」


現在の日本における政治的危機とは、総理大臣が「それを必要だと私が思うなら、私は憲法を実質的に超越する形で権力を行使することも許される」という僭越な考えを隠そうとせず、財界も官界も大手メディア企業も「当座の分け前」と引き換えにその態度を黙認していることだろう。野党議員はどうなのか


・繰り返し指摘されているように、自民党改憲案は「国民が権力に枠をはめて縛る」という立憲主義の理念を否定し、逆に「権力が国民に枠をはめて縛る」構造になっている。改憲でなく「憲法憲法に形だけ似せた別のもの」に差し替える行為だが、それを止めたければ現政権与党の議席数を減らすしかない。


・「形式を操作し、憲法を実質的に超越する形で権力を行使する政権」を、今後も野党として容認するのかという、日本の立憲主義の危機への対処を、野党議員は問われている民主党議員に「共産党への入党」を求めているわけではない。共産党との一時的連携と「立憲主義の死」、どちらを重大だと思うのか。