「アメリカと交渉することこそ政府の仕事」(「時論公論」)

(「すしざんまい社長ソマリアの海賊を説得」に次いで2つ目です)


宜野湾市長選挙から一夜明けた月曜日、真夜中の0時(火曜日)、たまたま見たNHKの時論公論宜野湾市長選 普天間移設の行方は」、結論部分が今まで聞いたことのない指摘?でした。
民主党の時、辺野古移設に代る三つの代替案があった」「アメリカと交渉することこそ政府や外務省の仕事」と。
これは、NHKにしては思い切ったマトモな指摘です。
こんなこと、夜中に言うんだ…とびっくりしました。
まさか残っているとも思わず、「持論公論」のサイトを覘いたところ、全文、文字になっています。これは是非読んでほしいと思います。一部コピーします:

2016年01月26日 (火) 午前0:00〜

時論公論 「宜野湾市長選 普天間移設の行方は」

西川 龍一 解説委員 / 安達 宜正 解説委員



<省略>



辺野古への移設は事実上争点とならなかったにもかかわらず、現職を全面的に支援してきた政府は、これを契機に辺野古移設に向けた埋め立て工事を一気に進めるのではないかという見方も沖縄側にはあるようです。その点、政府の考えはどうなのでしょう?


(安達)
そこは難しいところで、見方も分かれますが、安倍政権が攻勢に出る環境が整ったという判断する可能性もあるかもしれません。▼安倍総理大臣は先週末の国会での施政方針演説でも、沖縄県の基地負担の軽減を取り上げ、普天間基地辺野古移設の先送りはしないと言明しています。辺野古への移設が実現すれば▼基地の面積が3分の1以下に減ること、▼安全対策、騒音対策のうえでも、効果があると強調しました。
 

ただ、▼沖縄県の政治スケジュールからすると、まだこの問題をめぐる議論は続くと見るべきでしょう。次の焦点は6月の沖縄県議会議員選挙、そして夏の参議院選挙となるでしょう。とりわけ、参議院沖縄選挙区はいまのところ、政権与党は現職大臣の島尻沖縄担当大臣。辺野古移設反対派は伊波元宜野湾市長。この2人が戦う訳ですから、双方負けられない戦いになるように思います。
 

(西川)
一方、翁長知事にしてみれば、オール沖縄の意志を示すためにも負けられない選挙と位置づけていただけに、ショックは大きいと思います。翁長知事は、「県民の民意はおととしの選挙で示されてもいるし、市民は心の中に葛藤としてそれぞれ抱えているものがある」と述べました。
沖縄では、おととしの名護市長選以来、辺野古移設反対を掲げた候補者が選挙戦を制し続けていました。県民が辺野古移設反対という意志を示し続けることを背景に政府に辺野古断念を迫りたいという知事の思惑にも狂いが生じる形になりました。翁長知事は▼選挙など政治の戦い、▼裁判、司法の戦い、そして▼県民の運動による戦いを三本柱としているようですから、どこかの段階で、基地移設を問う県民投票を実施するのではないかと言う見方もあります。
 

(安達)
この問題にはアメリカと言う要因があって、政府と沖縄だけでは解決できないことは確かです。「最低でも県外」と公約した、鳩山民主党政権、私はこの時、政治部与党キャップでしたが辺野古以外にもいろいろな案があったのは事実です。例えば、▼鹿児島県の徳之島への移設、▼嘉手納基地への統合案、▼北マリアナ連邦の議会がテニアン島への誘致を求め、その代表者が日本を訪問し、政権幹部に面会を求めたこともありましたしかし、外務省や防衛省はこうした代替案に慎重な姿勢を崩しません。アメリカとの交渉が困難だという理由です安全保障上の問題に加えて、アメリカ側の思惑もあって、やっと辺野古に決まったという思いが強いわけです。あのアメリカと、もう一度白紙の状態から交渉をするのかと。口を揃えて、「辺野古が唯一の解決策だ」という面もあると思います



(西川)
ただ、そのアメリカと交渉をすることこそ、外務省や防衛省の仕事ではないのでしょうかもとをたどれば普天間基地に所属するアメリ海兵隊の兵士による少女暴行事件が基地の返還を求める大きなうねりを呼んだことを忘れてはならないと思います
翁長知事は、先週、辺野古承認取り消しをめぐり新たに国を提訴することを表明しました。国と県の訴訟は、これで3件目になり、翁長知事はこの問題で引く考えはありません。安倍総理は、22日の施政方針演説では、「沖縄の皆さんと対話を重ね、理解を得る努力を粘り強く続けながら、あすの沖縄を共に切り拓いてまいります」とも述べています。この言葉をどう具現化していくのか。接点を見いだす努力が問われます
 
(西川 龍一 解説委員 / 安達 宜正 解説委員)

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