「忖度」の裏に安倍政権の圧力(池上彰氏)と「改憲はイエスかノーの段階じゃない」(安倍首相)

永六輔さんが亡くなられたとか。昭和がまた遠くなります。

内田樹さんがリツイート


エロ司(し) ‏@Memento423 · 19時間19時間前

永六輔亡くなったのか。小沢昭一野坂昭如に続いて、ついに「花の中年御三家」が全員逝ってしまったのだなぁ。

◎リテラの記事から二つ。
★<池上彰がテレビ局の「忖度」の裏に安倍政権の圧力があることを明言!「テレビ局には連日、抗議と“電凸”が」>(全文はコチラで:http://lite-ra.com/2016/07/post-2389.html


「最近までは権力を持つ側は『メディアに圧力をかけてはいけない』というのが共通認識でした。(略)ところが、安倍政権になってからは、自民党はおもなニュース番組をすべて録画して、細かい部分まで毎日のように抗議し、訂正を求め、注文をつけてくるすると、テレビ局は『面倒くさい』となる。対応が大変で、次第に『文句を言われない表現にしようか』となってしまうのです」


 つまり、安倍政権による大量の抗議が、テレビ局を萎縮させ、局内に「忖度」の空気を蔓延させているというのだ。


 また、池上氏はネット右翼による放送局への抗議電話、いわゆる「電凸についても、このように語っている。


さらに深刻なのは『電凸』です。『電話で突撃する』という意味のインターネット用語ですが、一般の読者や視聴者が、気に食わない報道があると、スポンサー企業に一斉に抗議電話をかける。『不買運動をする』なんて言われるとビックリするんですね。昨年6月に自民党の議員が、マスコミを懲らしめるためにスポンサーに圧力をかけることを提案して、問題になりました。それも実際にはすでに行われているんです
「現代的に言うと『反知性主義』という言葉に言い換えることができるのではないでしょうか。冷静に議論をするのではなく、『マスゴミ』『反日』と罵倒して、数の力で封殺する。その状況でも冷静に立ち止まって議論することが、メディアの役割ですよね」


参院選を終わって、憲法に対してこういう意識が大切だと思います。AO153さんのブログ「みんな、よーく覚えておこう」から:

やはり、安部首相は、選挙で勝つと、憲法改正を言い出した。何とずるい人間か。


自民党憲法改正案の通りになるとは思っていない。話し合いで自民党案をベースにどこまで妥協できるか」といった。


当たり前だ、あの不出来な憲法草案なんぞ問題外だ。それ以前に、ずるい首相のリードする憲法改正なんぞ、考える必要ない。


みんな、よーく覚えておこう。
発議された改正案の中味なんぞ見なくとも考えなくともいい。×をつければいい。


憲法改正そのものを目的にしていることもひどーくおかしい。何か問題があって、憲法を変えなきゃだめだ、だからこそ憲法改正となるのだ。どこでもいいから、なんでもいいから、漢字をひらがなにしてもいいから憲法改正したいと言うのは、病気だ。
(後略)
☆全文はコチラ:http://d.hatena.ne.jp/A0153/20160711/1468235587

★もう一つのリテラの記事は、改憲勢力3分の2で安倍首相が膳場貴子池上彰にキレ気味で本音「改憲はもうイエスかノーかの段階じゃない」(全文は:http://lite-ra.com/2016/07/post-2409.html

参議院選の結果、安倍政権は、改憲勢力での3分の2議席を確保した。昨日、安倍首相は各局の選挙特番に出演。憲法改正について、「与党野党の区別なく国会の憲法審査会で合意をつくっていく」「落ち着いて取り組んでいきたい」という言葉を繰り返した。

 それを受けて、マスコミは“一気呵成に改憲に進むことはない”という論調で報じているが、冗談じゃない。むしろ今回の“争点隠し”により衆参3分の2を確保したことで、安倍首相は自分の任期中に一気に憲法改正の発議にもっていくだろう。それは、各局インタビューでのやりとりからも明らかだ。

◎というのが、この記事の出だしで、選挙投票日当日の各局アナと安倍首相とのやり取りを書き留めています。
★「報道ステーション」の富川キャスターに:


いま申し上げたんですが、自民党はそもそも憲法改正しようということをずっと言っている党でありますから、自民党はそういう人たちが集まっている党であります。ですから自民党で出ている以上、党の基本的な考え方、政権公約のなかにも入っていますから、当然、それを前提に票は入れていただいているんだと思います


 絶句するような詭弁だが、これ対して富川キャスターが「ということは民意を得られていると考えているのか」と食い下がると、「もう!議論が噛み合ない!」と安倍首相はイライラしながら「民意を得られるかどうかはですね、そこのところ多くの方が基本的にわかっておられないんだろうと思います」と愚弄。さらに発議前に解散してしっかり信を問うという選択肢について聞かれると、キレ気味に「発議したあと国民投票するんですから、その議論はちょっとおかしいんじゃないですか?」と嘲笑した。そして「いまなんとなく、アナウンサーの方と議論が噛み合わないのは、法律と憲法をごっちゃにされているんですね」と、富川キャスターをあえて名前ではなく「アナウンサーの方」と呼んで、完全にバカにするありさまだった。

★TBSの膳場さんに:

 こうした安倍首相の国民をバカにした振る舞いは、TBSの選挙特番でも同様だった。膳場貴子キャスターからの「この選挙結果をもって憲法改正への民意は示されたとお考えですか?」との質問に対し、安倍首相はこうまくしたてた。

「何をもって改憲勢力と言うのかはわかりませんが、民進党のなかにも憲法改正をする必要性を感じている方もおそらくいらっしゃるんだろうと思います。それは今後、憲法審査会のなかで色んな議論が出てくる。お互いが議論を深めていくなかで、どの条文をどういうふうに変えるかが大切なんであって憲法改正に対してイエスかノーかというのはもういまの段階ではもうあまり意味がないのかなと思っています

◎で、リテラの記事は「安倍首相は“憲法審査会で議論する”などと言っているが、その本質は「議論」などという上等なものではなく、さまざまな謀略を張りめぐらした“反・安倍改憲”の民意が盛り上がる芽を徹底して潰し、おそらく一気に「緊急事態条項」の新設に踏み切ろうとするはずだ。マスコミが報じている“安倍政権は慎重に改憲議論を重ねる”というのは、まったくの見立て違いなのである」として、「でも、」という最後のところを引用してみます:。


 しかし、失望する必要はない。たしかに、今回の参院選与野党議席過半数を大きく超え、おおさか維新や日本のこころ、無所属も含めた改憲勢力は3分の2を超えた。


 だが、一方で、野党共闘は御用マスコミの言うように「不発に終わった」わけではない。2013年の参院選では31の一人区で非自民が獲得したのはわずか2議席だったが、今回は32の一人区のうち11の選挙区で議席を確保し、当初、確実視された自民党単独過半数をぎりぎりのところで阻止した。そして、福島、沖縄という日本のなかでいちばん犠牲になっている2つの選挙区では、安倍内閣の現職閣僚が揃って落選した。これは旧民主党がぼろ負けした2012年の衆院選で閣僚8人が落選して以来の事態だ。


 マスコミ、とくにテレビが安倍政権の宣伝装置と化し、一切の批判を封印しているなかで、この結果は大きな前進といえるだろう


 そういう意味で言うと、わたしたちがいま、もっとも気をつけなければいけないことは、御用マスコミによる「野党共闘は失敗だった」という扇動に乗らないことだ。むしろ、安倍政権と民進党内にある保守派の動きを細かく注視し、野党が切り崩しに屈さないよう、声を大にして発破をかけることだ。そして確実に言えるのは、なんとなく改憲をよしとする空気感をつくり出そうとしている安倍政権のやり方に決して乗らない、ということだ。

 法を護ろうと考える過半数以上の国民にとって、本当の戦いは今日から始まっている