50年モノの車庫の扉と進む貧困化


水曜日の午後、父の2度目のリハビリデイサービスの日、前日、電話してお願いしていたNさんが、車庫の釣り戸の修理に来てくださいました。
ひと月ほど前から、釣り戸の片一方の扉が不具合を起こして、私の力では動かないくらい扉が下がってきました。いつも夫がスパナで巻き上げて調整するのですが、今回はそれも効かないとか。
私が小学1年の夏、豊中から引っ越してきたとき、元から建っていた離れ座敷と蔵の間に、台所、風呂場、トイレ、玄関を建て増ししないといけなくて、それをお願いした大工さんが、その後、縁側をつけたり、蔵を改造して子供部屋にして二段ベッドを作りつけてくれたのも、そして、縁先にくっつけてレンガ作りの柱に白いペンキを塗ったガラス戸のサンルームも作ってくれました。
母が、私たちは一度も最初から完成したまともな家に住んだことがないというのは、こういう事情がありました。だから、母の勧めで、私たちが古い座敷の家とサンルームを取り壊して、そのあとに新築一戸建てを立てた時、完成した家を一番喜んでくれたのは隣の両親でした。そんなこともあって、以来コーヒータイムに我が家の茶の間にそろって来てくれるように。

で、父の古い友人ご夫妻がわざわざ西宮から自家用車で数回箕面まで訪ねての熱心な勧めで父が車の運転免許を取って、我が家に赤いカローラがやってくるとき、当然、この大工さんに車庫をお願いすることに。今からちょうど半世紀以上前のことです。アイディアマンのこの大工さん(大変な文化人?でもあったそうです)が作ってくれたのがこの釣り戸の車庫です。2枚の木製の扉を回転させて一方に寄せて、車の出し入れをします。ご近所に同じ車庫が2軒ありました。今は、一方は家主さんも変わって、どちらも家ごと建て替わって、残っているのは我が家だけです。名人大工さんの手の跡です。
夫が力づくで動かしていましたが、金具は売ってないだろうし、車庫全体を変えるとなると、またお金がかかることになりそう、としばらく放っていました。母に「一度植木の散髪をお願いしているNさんに電話してごらん、あの人は元々技術屋さんだから、何でもできるみたい」と言われて、電話番号をメモした紙片を目のつくところに置いていました。お盆も過ぎたので、そろそろと電話でお願いしたら、以前にも下がってきたのを直してもらったことがあったとかで、直ぐ「わかった。古いもんは古いもんで直し方があるから、多分、大丈夫」とのこと。そして、水曜日、チャイムが鳴って・・・
「任しとき!」っという感じで、引き受けてくださって、夫も私も家の中に引っ込むことに。

冷たいお茶だけでもと思って持っていくと、扉をレールから外して、金具の具合をみておられました。外すこと自体、素人ではできません。
しばらくして、覗くと、扉は元通りに。できた!ということで、二人で外に出ました。
「これで、10年は持ちまっせ」と言われました。夫が運転している間持てば十分。「こんなん、業者に相談したら、金具がないとか言われたり、全部新しくせなアカン、言われて、何十万だっせ〜」「そうです、そうです」。
「金具は、この辺で探したら、無いといわれる。地方へ行けば、必ずある。釣り戸は今でも使うてるさかい」「なるほど〜」。お礼は・・・「秋に又柿を取りに来るので、そのときもらうから」と言われましたが、そういうわけにはいかないので、少なくて悪いと思いつつ、五千円札を封筒に入れてお渡しすることに。車庫の扉、まだ十年も使えるといわれて元通りに使えるようになりました。レールに沿って、私や母の手でも、軽々と動くようになりました。
◎「水草牧師のメモ帳」さんの「政府は自分の役目を認識していないのではないか」では、
「子どもの貧困率水準の比較」と「実質賃金の推移」を示すわかりやすいグラフを紹介。☆コチラで:http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20160822/p3

◎「☆句の無限遠☆」さんの「人口変化と老後の社会保障─近未来の若者老後地獄」では、
「Business Journal」の記事「夫婦で8万円以下の年金、75歳からの支給─社会保障体制の崩壊の構図」を紹介。☆コチラで:http://d.hatena.ne.jp/haigujin/20160821/1471742768
◎リテラの記事「卑劣! NHK貧困女子高生に“貧乏人は贅沢するな”攻撃! 片山さつきも乗り出し生活保護バッシングの悪夢再び」はコチラで:http://lite-ra.com/2016/08/post-2516.html