NHKスペシャル「東京裁判」と北方領土と「消される映像」


◎今週の月曜〜木曜まで、夜10時25分から11時20分の4夜連続のNHKスペシャル ドラマ「東京裁判」を見ました。NHKならではの再現ドラマで、戦中の昭和18年と19年生まれで戦後育ちの夫婦そろって大変勉強になりました。いつも夫婦でドラマを見ても感想はほとんど言わないことにしています。気になっても探り合い?になります。
今回は裁く側の視点でドラマが構成されています。裁かれた側である日本人にはなかなか想像がつかない視点ですので、とても興味深く、緊張してみました。結論というか、4夜見終わって感じたことは、裁かれるのも裁くのも個人であり、個人としての責任が問われるということでした。政治家が何かを決めるときの責任が、こういう風に問われ裁かれるということを今の政治家の皆さんは肝に銘じて国会に出てほしいと思いました。そして、一市民としての私も、当然一個人としての責任を感じて生活していかなければとも思いました。

戦争は犯罪なのか?根源的な問いに向かう11人の判事
NHKスペシャル ドラマ 東京裁判
【総合】12月12日(月)〜15日(木) 後10:25



70年前、世界から集まった11人の判事が「戦争は犯罪なのか」という根源的な問いに取り組んだ、東京裁判。11人が繰り広げる、緊迫感あふれるヒューマンドラマ。


70年前の東京で、11人の判事たちが「戦争は犯罪なのか」という根源的な問いに真剣な議論で取り組んだ東京裁判NHKは世界各地の公文書館や関係者に取材を行い、判事たちの公的、私的両面にわたる文書や手記、証言を入手した。浮かび上がるのは、彼ら一人一人が出身国の威信と歴史文化を背負いつつ、仲間である判事たちとの激しいあつれきを経てようやく判決へ達したという、裁判の舞台裏の姿だった。11か国から集まった多彩な背景を持つ判事たちの多角的な視点で「東京裁判」を描く。人は戦争を裁くことができるか、という厳しい問いに向き合った男たちが繰り広げる、緊迫感あふれるヒューマンドラマ。


出演:ジョナサン・ハイド(豪・ウエッブ裁判長役)、ポール・フリーマン(英・パトリック判事)、マルセル・ヘンセマ(蘭・レーリンク判事)、イルファン・カーン(印・パル判事)、マイケル・アイアンサイド(加・マッカーサー)、塚本晋也(日・竹山道雄) ほか


*NHKの企画原案による、カナダ、オランダとの国際共同制作
*判事役を演じる俳優たちの多くは、それぞれの判事の母国出身


テーマ音楽 中島ノブユキ  題字 赤松陽構造  語り 草笛光子



【ドラマあらすじ】
1946年の春。東京の帝国ホテルに戦勝国11か国の判事たちが集まった。日本の戦争指導者を裁く「東京裁判」を開くためだ。裁判の焦点になったのは、ナチスを裁くニュルンベルク裁判と同時に新しく制定された「平和に対する罪」。それまで国際法では合法とされていた「戦争」そのものを史上初めて犯罪とみなし、国家の指導者個人の責任を問う新しい罪の概念であった。この「平和に対する罪」を弁護側は事後法として否定する。判事室では各々の判事の意見が鋭く対立、最初は短期間で決着がつくと思われた裁判は、混迷と長期化の様相を見せてゆく。
裁判の舞台裏の攻防に、日本滞在中の判事たちの私的な行動や、周辺に現われる人物の思惑が混じり合う。1948年の秋、ついに11人の判事たちは2年半に及んだ東京裁判の結論となる判決を出すべく、最後の評議の場に臨むのだった。被告たちの生と死が分かれる瞬間。それは、「人は戦争を裁けるか」という、人類の根源的な問いに答えが出されるときでもあった。

http://woman.infoseek.co.jp/news/entertainment/gendainet_364754/

制作8年 NHK渾身の「ドラマ 東京裁判」を識者はどう見た



 平日なので録画しただけで見ていないサラリーマンも少なくないかもしれないが、見応えたっぷりの労作だ。12日から4夜連続で放送中のNHKスペシャル「ドラマ 東京裁判」(総合、22時25分〜)は、8年の歳月をかけて世界各国の公文書館や関係者に取材を重ね完成させたもの。民放が決して真似できない重厚感が味わえると評判になっている。


 視点も面白い。主人公は、日本の戦争指導者を裁くために集まった戦勝国11カ国の判事たち。自国の威信や歴史文化を背負ったエリートの人間模様や2年半に及んだ裁判の舞台裏に迫っている。


■人は戦争を裁けるか



 上智大教授の碓井広義氏(メディア論)もこう評価する。

単なるドキュメンタリーではなく、再現ドラマという手法を用いたことで、外側からではうかがい知れない判事らの心の葛藤やぶつかり合いなど、裁判のバックヤードを知ることができる。戦後70年という歳月を経たいま、今作を通じて『人は戦争を裁けるか』という根源的な疑問について向き合う、確認する意義は大いにあると思います


 制作には戦勝国だったカナダ、オランダの両国も加わっている。主な舞台は法廷や判事室で派手さはないが、当時の建築仕様をほぼ忠実に再現したセットや国内外でのロケを敢行。そこに当時の資料フィルムも組み合わせているのだが、違和感はなく、さながら映画のワンシーンを見ているかのようだ。


 俳優陣も凄い。

裁判長役のジョナサン・ハイドをはじめ、判事役のポール・フリーマン、マルセル・ヘンセマ、イルファン・カーンなどは、いずれも映画ファンだったらこたえられないキャスティング。ハリウッド映画の主役級の役者ではないのでピンとこない人もいるでしょうが、いずれも名作の脇を固めてきた演技派俳優です。豪判事なら豪州人、英判事なら英国人といった具合に、その国の俳優を起用しているのも、制作陣の作品に対する強いこだわりをうかがわせる。東京裁判は連合国側にとっても、自分たちの正義を示すという重要な意味を持っていた。それを日本の公共放送であるNHKがどう切り取るか。主張や描き方を注目したいところです」(映画批評家前田有一氏)


 初回放送の直後からSNS上では右派左派がそれぞれの観点で意見を書き込み、騒ぎになっている。祖父の岸信介A級戦犯として裁かれた安倍首相の感想も聞いてみたいところだ。


◎ちょうど最終日の15日はプーチン大統領の来日の日でした。東京裁判の11人の判事の一人はソ連の軍人でした。ロシアは戦勝国として日本を裁く側でした。最近どこかで読んだのですが、ドイツ人が、戦争に負けるということは領土を失うことだと日本人に言ったというのを思い出しました。日本の敗戦間際のドサクサに参戦して、住んでいた日本人を追い払って北方四島を奪ったソ連でしたが、そうやって奪った領土は国際的には認められているのですね。ドサクサにといえばアメリカだって落とさなくてもよい原子爆弾を広島と長崎に落としました。
今回、元島民の方たちの思いを伝える番組をよく見ました。墓参に帰りたいとか、もう一度故郷に住みたいとか、自由に往来ができるようになりたいとか、本当に叶えられるといいのにという要望の中に、領土を返してほしいというのがありました。戦争に負けて、一応国際的にも認められている北方四島ソ連への帰属を、日本人として認められないから返還要求するということが国際的に通用する話なのか…考えてしまいました。それよりもあの戦争の結果は認めてしまって、早く平和条約を結んで、ビザなしの自由往来とか、共同開発とか、人的、経済的交流を盛んにすることのほうが両国の、そしてアジアの平和のためには良いのでは…と思いながらニュースを見ていました。
◎さて、今回の日ソ首脳会談ではっきりしたことは、『ロシア側には北方領土問題はない』ということ、その上、『平和条約締結後の色丹島と歯舞島の二島引き渡し』を明記した1956年の日ソ共同宣言のプーチン氏の解釈は『主権を返すとは書いていない』だったと安倍晋三首相自ら17日の日本テレビで語った」(日経新聞18日朝刊一面)ことです。平和条約を結んだあとロシアが2島が返すとしても主権はロシアにあるということです。
安倍首相は、地元山口へプーチン氏を招き、テレビが逐一それを放送し、プーチン氏帰国当夜はNHKはじめテレ朝の報道ステーション、TBSのNEWS23に首相自ら出演して会談の内容(成果?)を説明しました。その内容は、安倍政権では、北方四島返還問題は棚上げして、『共同経済活動』という経済協力で平和条約締結の環境つくりに協力することにしたということです。これで、何が何でも四島返還という方たちの説得ができれば、それはそれで、3000億円が高すぎるという問題はあるかもしれませんが、とても現実的なことだと思います。歴史に名を残すという個人的野望を早く遂げて(別の意味でも十分歴史に名が残ると思います)憲法改悪は早くあきらめてほしい。

◎ここまで書いたら、昨夜のNHKスペシャルが日ロの交渉の裏話を。ちょうどコーラスの忘年会から帰宅した夫と一緒に見ることに。四島返還を主張する夫でしたが、見終わって、一緒に見た東京裁判の話や、過去の返還交渉がアメリカの横やりで振出しに戻った経緯など、話し合った後は、私と同じ考えになりました。ロシアの人たちがこれだけ長くあれだけ大勢住み着いてしまった今となっては、日ロ仲良くなることがいいし、経済活動も活発になればよい、その後、帰属の問題を主張し、それが通らない可能性もあるし、その時はその時と。元島民の皆さんが一日も早く自由に故郷の地を訪れることができるようになってほしいと思います。
◎それにしても、アメリカに対してロシアとのことでは日本の国益を主張できるのに、沖縄はやはり差別しているのか、”土人”扱いしているのか、アメリカに売り渡してしまってるようで、島民の皆さんの代弁は全くしないで、悪代官役に徹しているのが不思議です。トランプ氏に日米同盟の大切さ、沖縄の大切さを言い聞かせるなんて本末転倒もいいところです。(PS:まさかと思ったオスプレイも今日からまた飛ぶ!?そうです。墜落と胴体着陸の原因究明もないまま。米軍やりたい放題です。)
(↑の地図は「イギリスの地図で北方領土はロシア領。日本以外の地図で、北方領土が日本の領土となっている地図はほとんどない。」「中国の地図で、珍しいことに、北方領土を日本の領土としているものがあるが、日本の地図を参考にしている可能性が高い。アメリカの地図ではロシア領として紛争中と書いてあるものも」。)(写真、地図ともネットからの借りものです)
PS:18日で消される映像について・・・

山崎 雅弘 ‏@mas__yamazaki 12月17日
昨年成立した安全保障関連法の参議院での審議や、採決強行の様子などを含む映像が、18日いっぱいで参院のホームページから削除され見られなくなる(朝日)http://digital.asahi.com/articles/ASJDJ4SQGJDJUTFK009.html 削除されるのは、昨年の通常国会と同年12月18日までに開かれた閉会中審査の審議の映像」


(続き)「参院事務局によると、参院でも段階的に公開期間を延ばしてきたが、『映像は修正や削除ができないため、正式な記録である議事録と食い違い混乱を招く』という意見が多かったという」「参院特別委での安保関連法の採決をめぐっては、『発言する者多く、議場騒然、聴取不能』とする速記録が作成された。しかしその後、鴻池氏の判断で『可決すべきものと決定した』などの文言が追加された議事録がつくられ、野党が反発した経緯がある」 食い違いの原因は「あとで議事録を改竄するから」のはずだが、「あとで内容を改竄できないから」録画の映像を消すという。こうして歴史は修正される