NHKスペシャル「見えない貧困」と、ETV特集「その名は、ギリヤーク尼ヶ崎 職業 大道芸人」

(本日、「不当拘留4か月の『山城博治さんを救え!』に次いで2つ目です。どちらか一つの方は山城さんの方を読んで!!)
13日の日曜日NHKの2つの番組がとてもよかったです。(最後に再放送のお知らせも)
★一つはNHKスペシャルの”衝撃実態「見えない貧困」”。番組内容をホームページから(http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20170212)(再放送は今夜24時からです)


見えない“貧困”
     〜未来を奪われる子どもたち〜
2017年2月12日(日)
午後9時00分〜9時49分


 6人に1人の子どもが相対的貧困状態に置かれている日本。その対策は喫緊の課題とされながら有効な手立てを打てていない。そうした中、東京、大阪などの自治体や国が初めて大規模調査を実施。世帯収入だけでは見えない貧困の実態を可視化し、対策につなげようとしている。


 調査から貧困を見えにくくしていた要因も浮かび上がりつつある。
1つ目は、ファストファッションや格安スマホなど物質的な豊かさによって粉飾されること
2つ目は、高校生のアルバイトなど子ども達が家計の支え手になっていること
3つ目は、本人が貧困を隠すために、教師や周囲の大人が気づきにくいことだ


 こうした状況を放置すれば、将来の社会的損失は40兆円に上るという試算もある。進学率の低迷、生活保護社会保障費の増加など、社会全体のリスクとして捉えるべきと専門家も指摘している。
 相対的貧困に直面する子どもたちの実態ルポとデータ解析で可視化し、専門家の提言も交え、「見えない貧困」を克服する道筋を明らかにしていく。

◎番組については「特別な1日」さんがブログで詳しく取り上げておられますので、見逃した方は是非こちらでhttp://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20170213/1486979954「『NHKスペシャル 見えない貧困』と映画『ホームレス ニューヨークと寝た男』&『未来を花束にして』」)
◎ブログ主のSPYBOYさんが高橋みなみさんのコメントについて:

自分も母子家庭の出身というAKBの高橋みなみという子が取材VTRを見て眼に涙を溜めながらも、クレバーな発言をしていました。下手な学者やコメンテイターより遥かに立派だった。彼女曰く、「『子供には子どもとして生きる権利』、『親には親として生きる権利』がある。(それが脅かされているなら)なんとかするのが国の仕事じゃないか」って。その通りです。目の前で貧困で苦しんでいる子供が大勢いるのにオリンピックとかくだらないことにカネをつかってる場合じゃないですよ。


◎夫とみていたのですが、二人で「いいこと言うよね」でした。AKBの総監督をしていた23歳の高橋みなみさん、時々NHKEテレの10分番組「いじめをノックアウト」でお目にかかります。
子供たちの投書による相談に、台本なしで高橋みなみさん一人が答えるのですが、当意即妙の回答のすばらしさに唸ってしまいます。立場が人を作るといいますが、母子家庭でいじめにあった経験とか、AKB48という年齢幅のある大勢の女の子たちのトップに立つという体験が、彼女の発言をとても説得力のあるものにしているようです。
[写真の引用元:<「いじめをノックアウト」 高橋みなみさんにインタビュー!>(http://www.nhk.or.jp/school-blog/1000/161673.html)]

★二つ目は11時からのETV特集その名は、ギリヤーク尼ヶ崎 職業 大道芸人
大まかな内容をホームページから(引用元:http://www4.nhk.or.jp/etv21c/x/2017-02-17/31/15731/2259569/


伝説の大道芸人と呼ばれるギリヤーク尼ヶ崎、86歳去年の夏、“人生最後の踊り”と向きあった
パーキンソン病を患い、満身そういの状態でなぜ踊るのか。その日々を追う


全国の路上で踊り続けてきたギリヤークさん。長年続けてきた10月の新宿公演が人生最後の舞台になるかもしれない。共に暮らす弟と二人三脚の日々が始まった。腰は極度に曲がり、手の震えは止まらない。下された診断は身体が次第に動かなくなるパーキンソン病だった。誰もがいつか向きあう老いと病。捨てきれない芸への狂気。人生の総決算を突きつけられた時にどうするのか。ギリヤークさんが再び舞うまでの3か月の記録

◎最初は、見る気がない、というより見たくなかったという方が当たっています。手は震え、体はやせ衰え、同居している弟さんのお世話の大変さ。大道芸人として踊り続けてきた人生。立ったまま、怖いもの見たさでチラ見で済まそうと思いましたが、途中から、座り直して最後まで見ることに。

凄い生き方です。パーキンソン病とわかってからの回復ぶりや、本番が近くなってからの体の動き。ギリヤークさんは、大道芸という仕事を通して若い世代との人間関係まで持っておられるし、生きていく目標を持って生きておられます。
普通の暮らしをしている者からすると狂気と思えるほどの踊りに対する執着心。普通の人間というのは同居して世話をしている弟さんの眼差しと同じですね。ところが、はるさんと呼ばれる弟さんも、最後はそのお兄さんのギリヤークさんの生き方、新宿で踊るギリヤークさんを見て一生懸命な生き方に心を打たれています。
どんなことをしても踊り続けたいという「わがまま」に、はるさんは呆れていますし、”わがまま”を理解しない弟をギリヤークさんは受け入れません。ところが、無事踊り終えた達成感と満足感の余裕と幸福な表情のギリヤークさんから、感謝の言葉が飛び出します。「ここまで踊ることができたのは、はるさんのおかげです。ありがとう」。そして、はるさんは兄のギリヤークさんの踊りを「一生懸命生きていることがあの踊りなんだ」と認めます。

新宿で踊るギリヤークさん、やせた体にコルセットをまき、心臓のペースメーカーが盛り上がって見えるほどの身体ですが、立派に踊り終え、大勢の観客は大きな拍手で称えます。そして、良いものを見たという投げ銭がバケツに投げ込まれます。人が一生懸命に働いたお金の一部をもらって大道芸の私の踊りは成り立っている。だから一生懸命やらなくちゃと・・・毎日の練習も欠かしません。
本人はいいけど周りはいい迷惑、ではないんですね。本人が本当に一生懸命ならば、周りはその一生懸命さに心打たれて叶えさせてあげたいと思うものだと、私も父のことで去年そう思いました。要は本人次第なんです。
★どちらの番組も再放送があります。
NHKスペシャル衝撃実態「見えない貧困」は 2月15日(水)午前0時10分〜0時59分(本日14日深夜
☆NHKEテレ「その名は、ギリヤーク尼ヶ崎 職業 大道芸人」2月18日(土) 午前0時00分〜 午前1時00分 (17日深夜
(写真は日曜日、当対池(とたいけ)公園へ出かけた時のもの。池の土手の林の中の木に未だ花は見えずでした。ハトは唐池公園にて。赤い冬薔薇は教会の東の壁際)