「森友問題の本質 =中島京子・作家」


◎森友問題の前に、今村復興相の昨日の醜態? 日曜討論で「故郷を捨てるのは簡単」と言った大臣ですね。避難区域以外の自主避難者は政府の方針に従わない人とみなしているのがありありでした。ご本人は東電の株8000株を所有しているとか。

内田樹さんがリツイート
東京新聞政治部‏
@tokyoseijibu 5時間
今村復興相が記者に「出ていきなさい」 自主避難対応で激高、謝罪 記者への暴言も問題ですが、自主避難者を自己責任と受け止められる発言避難者たちは復興を指揮する大臣の発言をどう受け止めているでしょう。:政治(TOKYO Web)http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201704/CK2017040502000122.html

◎さて、森友問題。教育勅語を園児に暗唱させていた塚本幼稚園の新理事長さんの反省文(*)のほうがよっぽどマシですね。菅官房長官教育勅語憲法の許す範囲内で教材と扱って問題なし発言(閣議決定?)には驚きました。『勅語』という時点でアウト。主権在民憲法に反します。

菅野完さんがリツイート
上丸洋一‏
 @jomaruyan 8時間
森友学園の小学校がポシャったと思ったら、今度は教育勅語容認、銃剣道全小中学校の森友化が始まる。

◎森友問題、海外での受け止め方と日本では大きなズレが・・・


山崎 雅弘さんがリツイート 4月2日
T.Katsumi‏ 
@tkatsumi06j
そう。これ #国粋主義教育 が本質にあるそれを政府ぐるみで推進・支援していることが問題。その氷山の一角として表れたのが森友問題そのことを海外メディアはずっと問題視し続けている。ところが日本のメディアは,政権が望むままにこの問題を切り離そうとしている。


kaz hagiwara(萩原 一彦)‏ 
で、なぜ海外メディアがこれを問題視してるかというと日本が国粋主義をやめるという約束をしたことで第二次世界大戦後、再独立を許したからその担保として国連憲章敵国条項の対象に日本とドイツを残している。ドイツ人はそのことの意味をきちんと理解しているけど、日本人の大部分は知らない


T.Katsumiさん
その通り。そして更に,海外メディアの関心が安倍の辞任に集まっているのは,「安倍が辞任するか」ではなく,「国民が安倍を辞任させるか」を見届けたいからつまり,国粋主義化する為政者を民は看過するのか
国」じゃなくて「民」が戦時の過ちを繰り返さないようにするかどうか,それを見ている。


だから海外メディアは,安倍や,昭恵や,籠池や,維新や,自民党の政治家の行動を通してこの不穏な動きに「民」がどう対応するかを見ている本来なら,韓国の大統領弾劾デモ規模のデモあるいは暴動が起きてもおかしくないくらい。それを大多数が看過するのであれば,つまりそれは日本国民の「大多数」が,安倍の目指す国家像。つまり国粋主義。つまり全体主義国家。教育勅語をあらゆる公立校で詠唱し,天皇を再び現人神と崇め奉り,絶対忠誠のためには人権もかなぐり捨てるそんな「一つに纏まろうとする」国民性が再び発揚されるのではないかと見なされても致し方がない。

◎それでは、毎日新聞の「森友問題の本質」というタイトルの中島京子さんの記事を:(引用元:http://mainichi.jp/articles/20170402/ddm/002/070/056000c 


時代の風
森友問題の本質 =中島京子・作家


イデオロギー教育の危険


 話題になっている森友学園問題で、いちばん私が恐ろしいと思っているのは、安倍晋三首相の妻昭恵氏が100万円渡したかとか、10万円もらったかとかいうことでは、ない。9億円が1億円になった経緯を知りたいのはもちろんだが、恐ろしいと思っているのは、そこでもない。


 究極に怖いと感じているのは、事件が発覚して最初のころに流れた、塚本幼稚園の動画だ。
 子どもたちが「教育勅語」を唱和する姿は、まさに「洗脳」という言葉を思わせて背筋が凍った臣民(天皇に支配される民)として、天皇の統治する国に緊急事態(戦争)があったら、自ら志願して死ねと教える戦時中の勅語を、無邪気な声がそらんじてみせるのは、異様だった。


 さらに、衝撃だったのは、園児たちが運動会の宣誓で唱えた「日本を悪者として扱っている、中国、韓国が、心改め、歴史教科書でうそを教えないよう、お願いいたします」というフレーズだなんてことを子どもに言わせているのだろうか。この子どもたちは大きくなって、中国や韓国の人とどう接するのか。


 事件に関連して名前の挙がった人たちは、みなこの塚本幼稚園の教育を知っていたし、賛同していたというたとえば、昭恵氏は、塚本幼稚園での講演で、この幼稚園で培われた芯が、公立の小学校へ行って損なわれてしまう危険がある、だから「瑞穂の国記念小学院」が必要だという旨の発言をしていた首相の妻が、日本の公教育を否定する発言をしているわけで、私は、100万円寄付するより深刻だと思っている。

 従来積極的に日韓交流行事に参加し、「韓国はだいじな国」と発言してきた昭恵氏なのだから、ヘイトスピーチまがいの教育はだめだと、はっきり言うべきだった。そのほうがどれだけ首相の妻らしいふるまいだったか。


 森友学園=塚本幼稚園を支えてきたのが、戦時中の思想に帰ろうとする政治運動であることは、いまやもう誰も否定しないだろう。団体名も出た。「日本会議」だ現閣僚のほとんどが参加している政治団体だということだ。

 もう一つ、戦時中よく使われた言葉を紹介したい。「暴支膺懲(ぼうしようちょう)」というもので、「暴れる支那を懲らしめる」という意味だ。日本が戦争を始める理由として使ったのがこの言葉だった。塚本幼稚園の園児宣誓と似ている。



 私が恐ろしいのは、戦時中の思想に帰ろうとする政治運動に賛同している人たちが、日本の教育を変えようとしている事実、そのものだ。関与が取りざたされた政治家の誰一人として、「教育勅語」を否定しなかった。それどころか擁護発言が相次いだ。園児たちのヘイトスピーチを批判する発言も、なかった。籠池泰典氏がしつこいとかうそつきとかいう話は出たし、森友学園の経営や設置認可をめぐる強引さにも批判が集中したが、教育方針を批判した発言は、渦中の政治家からは出なかった。


 政権の中枢にある政治家、官僚、民間企業(学校法人)が、ある偏ったイデオロギーに染まり、国民の共有財産の使い方を勝手に決めて、「彼ら」の信奉するイデオロギー教育を実践する施設を作ろうとしていた。そういう事件に私には見える。かつて、「教育勅語」を掲げ、「暴支膺懲」を叫び、戦争に突き進んだ過去を持つこの国で。


 いま、「彼ら」の心はもう森友学園とは離れた。いまやもう、あの小学校設置の件は、籠池という変な男が引き起こした変な事件だということで、「彼ら」と切り離そうと必死だ。
 一方、「彼ら」、国家主義的な思想を持つ人々の悲願「道徳の教科化」が成り、検定教科書にイデオロギーを盛り込むことができるようになった。さらに、先月末、政府は「『教育勅語』を教材として使用することを否定しない」と閣議決定した。「憲法に反しない形で」と但書(ただしがき)がつくが、戦後、違憲だから衆参両院で排除・失効されたのではないか。なぜ今、と驚愕(きょうがく)する。


 私たちが「昭恵氏は私人か公人か」などというさまつなことにとらわれているうちに、気がつくと日本国中が森友学園みたいな学校だらけになっているのではないかと想像して、私は怖い森友問題が重要なのは、その危険を私たちに教える事件だったからなのだ。=毎週日曜日に掲載

(*)塚本幼稚園・籠池町波新理事長あいさつ文より:
「平成18(2006)年改正の教育基本法に基づく前理事長の教育理念と方針及び指導法<「我が国と郷土を愛する態度を養う」>を批判的に総括し」「今後は、教育基本法が昭和32(1947)年に制定された際に示された、『われらは個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。』との指針を常に念頭に置きつつ、内容・カリキュラムを柔軟に見直して参ります。」

(引用元:http://www.tukamotoyouchien.ed.jp/wp-content/uploads/07216f9fab6acf7d288005900360f996.pdf)