◎「特別な1日」さんの金曜デモの参加は今回お休み。代わりに、月曜日のブログがピッタリのテーマでしたので、そちらのほうを。「『井手英策教授の「前原誠司は本当に変わったか?」から考える。』と映画『しあわせな人生の選択』と『彼女の人生は間違いじゃない』」から、井出教授のブログの記事について。
昨日のブログで取り上げた内田樹氏の「サンデー毎日」の記事のタイトルは「この国の近未来にある『荒涼』と『仄光』」でした。今の安倍政権に任せておけば「近未来は『荒涼』」ということですが、私たちが目指すのは当然「仄光」、仄かな光のあるところ。内田氏の記事の中から言葉を選ぶと「定常経済」と「地方移住」と「社会民主主義」になります。
◎この後に、前川誠司氏をなぜくっつけたかったかというと、日刊ゲンダイのインタビュー記事の中で「目指す国家像はヨーロッパ型」と言っています。そして、この記事の中では、「私は変わった、それは、井出教授と話し合って得た”気づき”のおかげだ」とも。小沢嫌いだったのに、小沢一郎氏とも何度か会って、二人だけでも会えるようになったそうです。苦手の克服もできたし、以前の民進党の外務大臣「前川」ではなくて、「ニュー前川」だそうです。
◎「特別な1日」さんが紹介されていた井出教授のブログで、『「前原誠司は本当に変わったか?」から考える。』も読んでみました。前川氏を変えたのは井出さんなので、変えたご本人が『前川さん、変わりました、変えましたよ』とは言いづらそうです。SPYBOYさんのブログの内容紹介をお借りしてみますと:(引用元:http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20170807/1502095431)
さて、民進党の党首選は枝野と前原の争いになっています。井手英策慶大教授の『「前原誠司は本当に変わったか?」から考える。』というブログを読みました。
「前原誠司は本当に変わったか?」から考える。|財政社会学者、井手英策のブログ(https://ameblo.jp/eisku-ide/entry-12299134875.html)
単に前原のことだけでなく、民進党全体、政党と市民との関係まで考えさせられるものでしたので、内容を軽くご紹介したいと思います。
井手教授は『確かに前原はかっては新自由主義的だったし、保守的なスタンスを取っていた。だが今は改憲より社会民主主義的な社会を目指すことが大事と明言している』と指摘しています。確かに自民党だけでなく民進党自体も新自由主義的でしたよね。多くの国民もそうだったのかもしれない。事業仕訳みたいなくだらない見世物で拍手喝采してたんですから。
そして井手教授は『今 大事なことは「尊厳ある生活保障」と「品位ある命の保障」、そして外交・安全保障の「穏健な現実主義」という旗を立てていくことではないだろうか。前原は変わったのかを問うより、我々自身が変わったのか自分に問うべきじゃないだろうか』と述べています。
◎「我々自身が変わったのか自分に問うべき」なのですが、「前原誠司は変わったのか?」も気になりますので、先に日刊ゲンダイのインタビュー記事を。菅野さんのツィッターで見つけたツィート。民進党の代表選を「枝野X前原」の二項対立で考えるのは、単純で浅はかと書いてあるのが気になり、日刊ゲンダイの前原さんのインタビュー記事を読みました。これが、日付を見ると去年の11月です。特別な1日さんで、「前原さんは変わったのか?」という言葉がこびり付いていたので、このインタビュー記事を読んだ私は、勝手に「前原さんは変わった」というタイトルをつけてしまいました。
菅野完さんがリツイート
有田芳生
@aritayoshifu 8月8日
有田芳生さんが渡辺 和俊をリツイートしました
民進党の代表選挙。共産党京都府委員会委員長の見解は、これ。渡辺 和俊
@kazu_w50
マスコミは「枝野=リベラルVS前原=保守」などと“二項対立” 的な単純化が得意だが、このインタビューは、そんな単純化の浅薄さを示している。前原氏が言うように、野党同士が堂々と政策論争をやればよい。https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/193566 … #日刊ゲンダイDIGITAL
◎長い記事ですが、前原氏が「変わった」と思える証拠?がアチコチに転がっている?記事ですので全文引用してみます。(引用元:https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/193566/1)
「顔変えてもダメ」 前原誠司氏が語る民進再生の“処方箋”
2016年11月14日
民進党議員が最近、前原誠司氏(54)のことを「ニュー前原」と呼ぶ。旧民主党で「タカ派」の代名詞とされたが、代表選での「反省」「お詫び」に象徴されるように、政権転落後の葛藤の中で、さまざまな変化があった様子。民進党再生の処方箋と併せ、ズバリ聞いてみた。
■「親小沢VS反小沢」の確執を反省
――民進党内から「前原さんが変わった」という声を耳にします。心境の変化があったのですか。
年をとったこと。それは大きいと思いますね。今のは半分冗談ですが、やはり、民主党が政権を失った後の3年9カ月、悩んで、試行錯誤して、暗中模索する中で、自分自身が変わったというか、変わらなければ、また政権にはたどりつけない、という思いがありました。特に、政策面とガバナンス面で悩みに悩んだ。
3年3カ月の民主党政権で、個別の分野では成果を出した政策はあったんです。しかし、全体としては失敗の烙印を押されている。そのことに対する反発もあるけれど、国民から冷たい視線を投げかけられていることに、私のみならず、旧民主党議員は打ちのめされた感がある。そうした焦燥感や絶望感、後悔の念の中で思ったのは、政策に哲学や国家像がなかった、ということです。例えば、子ども手当をバラマキといわれたり、高校無償化で金持ちにも一律にやるのかと批判されてたじろいだ面があった。ちゃんとした思想があればたじろいじゃダメなんです。慶応大学の井手英策教授に出会って、「気づき」をもらったことが大きいですね。
――財政社会学の先生ですね。
我々は「改革イコール予算を削ること」と思っていた。しかし、昔の政治はそうじゃなかったと。予算を必要なところに再分配するのが政治だった。削るだけではなく、国民にちゃんと説明して、しっかり国民のニーズを満たす政策をやったらいいじゃないか、という「気づき」をもらいました。
――ガバナンス面とは?
民主党はいつも喧嘩ばかりでした。自民党はたいしたものですよ。最高意思決定機関の総務会で反対なら腹痛になって出ていくとかね。喧嘩していても最後は大人の対応をする。それが民主党にはなかった。最大の反省は親小沢VS反小沢の確執です。
――前原さんも反小沢の側にいた。でも今は、2人で会っていますよね。
下野した後、ある方から小沢さんと食事しないかという誘いがあって。躊躇しましたよ。初めのうちは、第三者がいなければ、ほとんど何も話せなかった。それが何回かして、2人で会ったりもできるようになって。小沢さんと話す中で、自分なりに、民主党のガバナンス欠如の原因を見いだそうという気持ちを持ち始めた。結局、自民党の幹事長までやって、政界最大の実力者といわれている小沢一郎を、使いこなす度量が民主党になかった、という結論に至りました。
――野党共闘などを考えると、今からでも遅くない。小沢さんの力を借りたらいいと思いますが。
民進党内にはまだ、小沢アレルギーがありますからね。私が小沢さんと親しくしているのは、代表選で小沢さんの息のかかった人たちを取り込むための戦略・戦術だと言う人もいます。もちろんそれは事実じゃありませんが。
■正々堂々、共産党と政策協議を
――党内のアンチ小沢は根強いということですね。それが払拭できたら、野党は強くなると思いますが、他党との共闘についてはどうお考えですか。
自民党がレッテルを貼る「民共」批判から逃げるべきではないと思っています。私は政策にこだわるので、だったら堂々と共産党と政策協議をしたらいい。天皇制、自衛隊、日米安保、消費税は私の中で譲れない項目ですが、それに対し、共産党はどう反応してくるのか。これが合意できなければ、おそらく連立を組むのは無理だと思います。しかし、協力できる政策はある。先の参院選のように、安保法の撤回や脱原発では協力できる。その1点、2点で選挙協力するというのは、野合ではありません。むしろ、協力できるところとできないところを徹底的に詰める前向きな議論があっていい。
――選挙区調整の話は出ていますが、蓮舫執行部では共産党との選挙協力が不透明です。
選挙のことしか考えていないと思われるから、国民にうさんくさいと見られるんです。何よりも大事なのは政策であり、我々が目指す国家像を実現するための選挙協力であるべきです。例えば、共産党とは政権は一緒にやれないけれど、原子力政策では一緒にやる。敵の敵は味方ですから、協力して自公政権を倒す。そういうことなら国民は理解すると思う。連合ともギクシャクしていますが、真摯に政策協議をしていったらいいと思います。現状はちょっともどかしいですね。代表選で負けた者が偉そうに言うと負け犬の遠吠えですが、自分が代表なら、そういったことを積極的にやります。
(代表選で勝った蓮舫代表から「調査会」会長を任命された(C)日刊ゲンダイ)→
目指す国家像はヨーロッパ型社会
――目指す国家像ということですが、正直、政策的に前原さんはタカ派のイメージが強い。
外交安全保障と内政は分けて考えていただきたい。政権が代わっても、自衛隊も日米同盟も必要なので、外交安全保障政策は大きく変わるべきではないと思います。そこは現実路線です。しかし内政は安倍政権とは全く違う。新自由主義や自己責任、人を駒として使う今のような冷たい政治ではなく、人へ投資して、潜在能力を生かす中で経済を成長させる。社会を豊かにしていくアプローチが違います。私はもともと小さな政府路線でもありません。国交大臣の時に公共事業を減らしたのは、「コンクリートから人へ」という私が言い出した言葉にあるように、人への投資を振り向けるためだったんです。新自由主義とは同一線にはないと思っていました。
――「コンクリートから人へ」は、今でも自民党に対抗しうる社会の姿になると思います。
いま私は「オールフォーオール」という考え方を示しています。みんなが応分の負担をし、みんなが受益者になる。格差是正といいますが、金持ちから富を移転させたり、サービスに所得制限を設けるという考え方は、社会に「分断線」を設けることになってしまうのです。日本の国民負担率は43・9%。OECDの33カ国中26番目で、そんなに高くありません。ルクセンブルクは95・5%ですが、生活に不安がなく、1人当たりのGDPは日本より高い。私が目指すのはヨーロッパ型の社会です。今よりも大きな政府にして、行政サービスを充実させ、人々に希望と安心を提供していく。財源論からも逃げません。蓮舫代表直属で「尊厳ある生活保障総合調査会」をつくりました。調査会会長として、そうした社会像をまとめ、具体的な政策を提言したいと思います。
――憲法改正については? 最近、憲法改正は優先事項ではないとおっしゃっています。
憲法改正論者であることには変わりありません。前文や9条の1項、2項は守っていい。私がこだわってきたのは自衛隊の存在を憲法に裏付けることと、緊急事態条項。しかし、合法的に独裁が可能になってしまう自民党改憲草案のような復古調とは全く違う。先ほどのタカ派じゃないですが、改憲ということで外形的に自民党と同じに見られているのかもしれませんが、安倍さんは観念論で、私は現実主義者です。問題意識は同じでも中身が違うということを、国民にうまく伝えなければいけないなと思っています。
――最後に、地に落ちた国民からの信頼を民進党が回復する手はあるんですか。
はっきりしているのは、顔を変えてもダメだということです。やはり大事なポイントは2つ。目指すべき国家像を民進党全員が共有し、実現するための政策をまとめること。そして、バラバラでいつも喧嘩しているイメージを払拭し、しっかりまとまって信頼足り得るという姿を見せるしかない。それがリーダーの一番の責任だと思います。変な言い方ですけど、安倍さんは2回目はうまくやっているなと思うわけです。失敗を反省し、したたかになって、今、憎らしいほどふてぶてしい。見習うべき面はありますよね。
(聞き手=本紙・小塚かおる)
▽まえはら・せいじ 1962年、京都市生まれ。京大法卒。松下政経塾(8期生)。京都府議を経て、93年衆院選で日本新党から出馬し初当選。05年民主党代表。09年からの民主党政権では、国土交通相、外相を務めた。京都2区選出。当選8回。
◎9月には民進党の代表選があって、枝野さんか前原さんか、どちらかが代表になります。これだけ前原さんが変わったのなら、どちらが代表になっても良いし、問題はそのあとですね。バラバラにならないで、政策で一致して大同団結して仲良くやっていけるか・・・です。そうそう、ここは、SPYBOYさんに締めていただきましょう:(引用元:http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20170807/1502095431)
今 民進党にとって問題なのは、前原か枝野か、でもなく、野党共闘か民進と都民ファーストの連携か、でもなく、多くの人が納得できるような政策ビジョンを掲げられるか、だと思うんです。具体的な旗は井手教授の「尊厳ある生活保障」と「品位ある命の保障」、外交・安全保障の「穏健な現実主義」でいいでしょう。あとは政治家が本質を理解して旗を政策に落とし込めるか。・・・・・それより、市民の側も現実的な政策を考えなくてはいけないと思うんです。政治家に政策をお任せにするのではなく、経済も外交も税制も、我々はどんな社会を目指したいんでしょうか。野党共闘を支持している人の間でも、そこは固まってないでしょう。確かに安倍晋三は勘弁してほしい。だけど、それだったら市民の側は『自分たちはどんな社会が良いのか』をもっと考えなきゃいけないと思います。
(台風の日に庭を見たら夏水仙のツボミが立ち上がっていてビックリ。去年は咲かなかったはずなのに、今年は咲いてくれました)。