◎雪の山陰本線から、中国山地を縦断して山陽本線で無事戻ってきました。両親を呼んでお茶を済ませたところですが、まず出かける前に書いていた記事をアップして・・・
ジェレミー・リフキン氏の「原子力から脱却しないと日本は二流国に陥いる」(1月25日の蛙ブログ)という指摘は、とても考えさせられました。おおざっぱにみると19世紀は英国の第一次産業革命の時代で石炭と水蒸気の時代、20世紀は米国発の自動車産業による第二次産業革命で、石油と原子力の時代、そして21世紀はデジタル時代。70代の私ですが、21世紀がどんな時代になるのか楽しみでもあり心配でもあります。リフキン氏によりますと:
・デジタル化してお互いが接続し、それで社会を管理し動かしていく。ネットワークにだれもが接続できるようになったことで、太陽光や風力を使って自分のところで電気を作り、余剰があったら共有する。太陽光と風力という限界費用がほとんどゼロの安いものを使えるようになる。
・第3次産業革命では生産性が上がり、環境負荷はどんどん下がり、ライドシェアや民泊などの新しいビジネスと新しい雇用の機会を生み出す。日本は電気通信、ICT、自動車、電機といろいろな産業で世界トップクラスにあり、まさにこのインフラを構築するのに必要なものがすべてある。
こういう時代に、政治が未来を見据えているか、それとも過去にしがみついているかで大きな違いが生まれます。時代の流れに逆行しながら国民の税金が無駄に浪費されるのを許すか、それとも時代を進める方向で使われるか、大きな違いです。
どう考えても後ろ向きな安倍首相に対する小沢一郎、小泉純一郎、お二人の記事を並べてみます。もう政治的には”過去の人、終わった人””とも言われるお二人ですが、安倍首相の姑息なやり方への怒りや、脱原発もに踏み切れないことへの憤りは本物です。若い人たち(?だけじゃないですね、国民)が、これほどの気持ちにならないと安倍政権をかえることはできないと思います。
自由・小沢氏「施政演説、姿勢がおかしいっつってんだ」
2018年1月22日20時55分
(安倍晋三首相の施政方針演説について)憲法改正の話は付け足したみたいに最後に言ったっきりだ。そういう姿勢がおかしいっつってんだ、俺。あれだけワーワー自分で言っておいてね、あとはみんなで案を持ち寄ってうまくやってちょうだい、みたいなバカな話はない。自分はこういうふうにやりたいとなぜ言わないんだ? 時々ひょっと言ってね、評判が悪いとまたぴゃっと引っ込めて。こんな不見識なことで憲法改正を口にする資格ないよ。あまりにも姑息(こそく)でせこいよな。
憲法の議論はいいんだよ。だけど9条の議論だけじゃなくて、衆参の二院制だってものすごい大きな問題がある。他にもあるよ、いろんな問題。それをやるのは一向に構わんさ。だけど彼の狙いは軍の増強と海外派兵だから。経済大国たる我が日本は軍事的にも世界に貢献しなきゃいかんっちゅう感覚だよ。それならそれ言えっちゅうんだ。
そこを隠してごまかして事実関係を積み上げていこうと(している)。戦前の昭和史もみんなそうじゃないか。ごまかしごまかして次々と戦線を拡大した。こういうやり方の反省に立って戦後があるはずなんだ。僕は彼以上に積極的に国際社会に貢献すべきだという議論だよ。だけど、ああいう姑息なやり方は最も政治家としていけない。(国会内で記者団に)
(引用元:https://www.asahi.com/articles/ASL1Q65L2L1QUTFK01D.html?ref=tw_asahi)
◎サンデー毎日に掲載されたという小泉元首相インタビュー記事です。推進派の言い分を真に受けて多度津にあった今治造船の世界最大級原発耐震テスト設備を破棄(http://voicevoice.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-e098.html)したり、原発事故用レスキューロボットを破棄したのは小泉首相でした。その責任を感じておられるのでしょうね。生きていれば間違いをやり直せます。償いに頑張っていただきましょう。長いインタビューですが『日本ではなぜ原発をやめられない』のところが面白いです:
内田樹さんがリツイート
金子勝
@masaru_kaneko 1月25日【アベに期待しない】サンデー毎日の小泉純一郎元首相インタビューが面白い。脱原発について、もはや安倍首相には期待しない、9条改憲も急ぐなです。少なくとも警察検察を使いメディアに圧力を加えてでも世論を操作しようとするアベの異常さが浮き立つ。
(https://mainichi.jp/sunday/articles/20180122/org/00m/070/001000d)倉重篤郎のサンデー時評
小泉純一郎・元首相 激白90分 安倍首相には、もはや期待しない!
2018年1月23日
Texts by サンデー毎日
(北朝鮮による拉致問題や脱原発について語る小泉純一郎元首相=福井県小浜市で2017年9月8日、岸川弘明撮影)
「脱原発」「憲法改正」「自民党総裁選」…
▼原発推進派の主張は全てウソだ!
年明け、記者会見を開いて「原発ゼロ法案」を発表した小泉純一郎元首相(76)。「安倍政権では無理だろうが、将来に備えて国民運動を展開する」と小泉節を轟(とどろ)かせた。脱原発に向けた確信の根拠は何か? 安倍政権をどう見ているのか? 変革に向けた若々しい情熱を、倉重篤郎が訊(き)く。
その人に前にお会いしたのは、5カ月前、昨年8月末だった。
ミサイル威嚇攻撃を繰り返す金正恩(キム・ジョンウン)・朝鮮労働党委員長の北朝鮮へ、日本からの特使派遣で問題解決を図れないか。そんな観測記事が出る中、特使に擬せられたその人に電撃訪朝がありうるか、質(ただ)した。
その人、小泉純一郎元首相の回答は、「ない、ない」と一笑に付すものだったが、併せて聞いた政局の見立てが忘れられない。森友・加計(かけ)学園疑惑での安倍晋三政権の行き詰まりを指摘、この問題について十分な説明ができないのであれば、臨時国会冒頭解散もありうる、との見解だった。実際に解散の動きが表面化したのは、その2週間後だったから、その予測の的確さに驚かされたものだった。
その後、小泉氏は脱原発の地方遊説に専念している、と思っていたら、年明けになっていきなり記者会見、原発ゼロ法案を発表した(1月10日)。曰(いわ)く「原発ゼロは、もう安倍政権では無理だと思っているが、必ず実現する。次の総裁選ではわからないが、いずれ国民の声を受け止められる人が出てくる。そのための国民運動を展開していく」。
久々の小泉節。もはや安倍首相には期待しない。日本政治を原発ゼロに切り替えられる次のリーダー作りのために最後の一働きをする、との意思表示だった。
もちろん、倒閣運動ではない。だが、安倍1強政局に投げられた曲球(くせだま)のにおいもしないではない。ついては真意を聞こう。17日、小泉氏を都内の事務所に訪ねた。
安倍政権では「もう変えられない」
3・11から7年。一貫して脱原発の伝道師を続けている。その原動力は何か?
「原発が安全で、コストが一番安く、永遠のクリーンエネルギ−という推進論者の主張が明白な嘘(うそ)だからだ。地方講演を数え切れないほどこなし、国民に脱原発への根強い支持があることもわかった。原発ゼロはやればできるし、できるだけ早くやったほうが日本のためにいいということだ」
小泉氏はその後、この三つの嘘をさまざまな角度から論証。原発に代替すべき水力、風力、地熱など自然エネルギーの開発が世界的にいかに進んでいるかについても、例証してくれた。
いずれも説得力のある興味深いものだった。関心のある方は、ユーチューブで検索してほしい。小泉氏の地方講演の模様が手に取るように伝わってくる。
それにしても、なぜ今この時期に記者会見なのか。
「政府・自民党は選挙で原発依存度を下げる、と公約しながら、2030年の電源構成で原発を20〜22%の基幹電源とするなど逆をやっている。すでに原発ゼロで2年間やってきた実績があるし、現時点でも依存度は2〜3%だ。よく恥ずかしくないな、とあきれている」
「加えて政府保証だ」
小泉氏が取り上げたのは、日立が英国で進める原発事業をめぐり日本が新たに政府保証をつける、という安倍政権の最近の方針だ。
「民間金融機関は政府が保証しないと融資しない。原発メーカーも政府が保証しないと輸出しない。なぜか。原発には依然として事故の可能性がある、事故があれば損害があまりに大きすぎ、民間では負担しきれない。政府が保証しない限りやれない、ということだ。外国で事故が起きても日本が負担する。原発が危険なことがわかっているのにツケをどんどん国民に回す。これには憤りを感じた」
日立といえば、安倍政権に近い、といわれる次期経団連会長を出す企業でもある。そこに政府保証というのもすっきりしない。
「経団連としてますます原発が必要だと働きかけるんだろう。それにまた引きずられるのが悲しいね」
同じ原発メーカーである東芝は実質経営破たんした。
「原発をやっていくこと自体に経済性がない。米国がいい例だ。バーモント州で、福島1号機と同じタイプの原発の運転延長をめぐる訴訟があった。原発会社は訴訟に勝ったのに運転をやめた。安全対策で採算が合わないという判断だった」
日本ではなぜ原発をやめられない?
「そこが私もわからない。原発ゼロにしたら国のエネルギー政策が立ち行かないと言うが、現に原発ゼロでやってきた。コスト安を理由にした推進論者たちは今、口に出しては言わないが、どんなにコストがかかっても原発を維持したいというのに変わってしまった。原子力村の力がまだ強い、ということなのだろう」
安全保障面での原発維持論もある。核兵器製造の潜在能力保持が目的だ。保守派の本音はそこだと言う。
「私はその議論に与(くみ)しない。なぜ核兵器を持てば安全なのか。それより核兵器禁止条約にどうして参加しないかわからない」
米国の核の傘の下だと立場が弱い、言いなりだと。
「それは違う。確かに、米国にも原発推進論者がいる。日本の原発ゼロは困るという勢力もいる。だが、私も総理をやったからわかるが、米国というのは日本国民がしっかり決めれば日本の意思は尊重する。(同じ米国との同盟国の)独だって原発ゼロでやっている」
「推進論者は独の脱原発は、仏の原発による電力提供があるからで、島国日本はそれができない、という。シュレーダー前独首相が来た時に聞いたら、あきれていた。独は原発ゼロ宣言後も近隣諸国に売電している。仏に近い地域で原発電力を使っているが、なくても十分やっていける、と」
「安保面でいうと、逆の見方もある。テロの時代だ。9・11ではないが、原発をターゲットに自爆テロをやられたら大変だ。電力会社は日本国民に向けた原爆を持っているようなものだ」
北のミサイル問題も。
「基地攻撃より、原発を狙われたほうが被害甚大だ」
日米原子力協定をどうする? 今年7月に30年の改定時期を迎える。安倍政権は自動延長の構えだ。
「日本が原発ゼロを宣言した時に考えればいい。どちらかがノーと言えば、終わる仕組みだ。米国が反対しても日本がやめたと言えばいつでもそれが可能だ。それに米国が怒るというようなことはない。(同盟関係にも)ひびが入らない。むしろ、米国が反対するからという理屈を意図的に作っているのではないか」
「原発は、政府の支援、税金を使わないでは維持できない産業と化したのに、なおコスト安という嘘をつく経産省・資源エネ庁とはどういう役所か。電力会社を自分たちの天下り機関だと思っている」
その経産省色の強い今の安倍政権では変わらない。
「もう変えられない」
官邸の実力者といわれる経産省出身・今井尚哉(たかや)首相秘書官の力か?
「わからない。最後は首相自身の判断だろう」
安倍首相には小泉さんが何度も説得している?
「うん。だが、全く何も答えない。『経産省に騙(だま)されてんだ、経産省の推進論、全部嘘なんだぞ』と言っても苦笑しているだけだ。もうここまできた以上変えられないということだろう」
首相が決めればすべて変わるというのが持論だ。
「すべてが変わる。簡単だ。今は首相が推進しているから皆黙っている。逆になれば役所もガラッと変わる。役所も電力会社も原発派と脱原発派があり、今は原発派が権力を握っているだけだ。自然エネルギーが伸びれば、脱原発派がいずれも主導権を握ってくる」
今の安倍首相である限りそうはならない。
「そうはならないね」
ということは、次の首相を待つしかないと?
「そう」
それはいつごろか。
「わからない。ただ、今後も再稼働が進んでいく状況ではない。自然エネルギーが伸びていく。原発がなければやっていけないというのでは取り残される」
なぜそういう議論を国会でしない?
「原発ゼロ法案を出すのは、そういう議論をしてくれということだ。自民党は反対するだろうが、原発ゼロをはっきり打ち出す政党も出てくる。議論すれば推進論者の大義名分が全部崩れる。そうすれば国民世論を喚起できる。あえて通常国会前に記者会見した」
選挙での争点化は?
「次の参院選でも衆院選でもいい。争点化できれば面白くなってくる」
昨年10月の衆院選では争点化できなかった。
「争点化するという意識が野党になかった。自分たちの争いで手いっぱいだった」
野党一本化、なぜ失敗?
「俺が俺が、というのが野党になると強いのかな」
小池百合子都知事の采配はどうだった?
「(希望の党党首として)原発ゼロの公約は出した」
小泉さんが働きかけた?
「都知事が五輪では原発の電気は使わないと表明すれば影響は広がる。原発ゼロでガンバレと言っただけ。選挙に私は関わらない」
総裁選はどう見る?
「間際までわからない。私自身も2回負けて、3回目も負けるのか、と皆が言っていた。家族にまで『恥ずかしいからやめてくれ』と言われた。もうこれが最後だからと。出たら勝った」
永田町の数でいえば、安倍さんが圧勝と見えるが?
「わからんよ。これは間際までわからん」
石破茂、野田聖子氏は?
「出ると言っている」
岸田文雄氏は禅譲期待。小泉さんにはどう見える?
「まあ成功する場合もあるでしょう」
「加藤の乱」の失敗が効いているらしい。
「野党の不信任案に同調するというのは禁じ手だ」
その顔ぶれだと原発が争点になりにくい。
「わからんね」
息子の進次郎氏は?
「聞いていないが、進次郎は私のことは見ているし、福島は原発ゼロにしなければとはっきり言っている。あまり進次郎には言わないことにしている。自分の判断でやれと」
河野太郎外相は明確な原発ゼロ論者だ。
「河野さんに電話して言ったことがある。あんたは先見の明があったと、前から原発ダメだと言っていたと。だが今は封印している」
彼が出れば争点になる?
「なるね。出たかったんだけど(12年の総裁選では)推薦人が集まらなかった。今度はわからんよ」
9条改憲「急いではダメだ」
9条改憲論についても聞きたい。安倍首相の悲願は成就するか?
「自衛隊が戦力ではない、という建前は、皆おかしいと思っている。ただ、日本国民の中には、無謀で愚かな戦争で犠牲者を多く出してしまった、二度と戦争はやらない。そういう意識が強く残っている」
それがあるだけに9条改憲は難しい。
「時間が必要だ。急いではダメ。対立してもダメだ。野党と話し合って、自然に前に進む問題だ。(首相が)黙っていても衆参両院の3分の2の議員がこれがいいな、という状況に持っていかなければ」
小泉さんも首相在任中は改憲しなかった。
「いくら首相が執心してもできないことがわかっていた。郵政民営化は首相が決断すればできると思ったからやった。今思うと原発のほうが楽だ。民営化は全政党が反対だった」
9条改憲についてはまだできない状況が続いている?
「まだ無理だろうな」
安倍首相の言う9条3項論には賛成か?
「野党と相談して、もっといいものを考えたほうがいい。憲法改正は逐条でいい。全体を考えなくていい。9条をわかりやすく、自衛力が必要だという形にする。いずれなるよ。海外で武力行使はしないというのを残せばいいんだから」
むしろできるのは原発ゼロか?
「そうだ。首相の時は在任中に何ができるか判断するのが大事だ」
ただ、安倍首相もここまでくると、9条改憲に突き進むしかない?
「ないだろうね。ただ、強引にやると失敗する」
国民投票でノーと言われる可能性がある?
「なっちゃう。失敗はしたくないというのが自民党の中にも出てくる」
そうすると、引きずり降ろされる?
「どういう形になっていくか。議論の進展を見ないとわからないね。野党がどう変わってくるか」
振り上げた拳を下ろすのが難しい状況にも。
「うん」
大きな政局要因だ。
「間際で判断すると首相が言っている。それは当然だ。雰囲気というのはいつ変わるかわからない」
最後は微妙な表現ながら9条改憲がむしろ安倍3選の妨げとなる、との含みを当方としては受け止めた。
当年とって76歳。「後期高齢者になっちゃったよ」と言いながら「まだまだ立ったまま90分間講演できる」と意気軒高だ。最近は憲政の神様、尾崎行雄翁が94歳で揮毫(きごう)したとされる言葉をよく引用する。「人生の本舞台は常に将来にあり」。原発ゼロの本舞台は、まだまだ始まったばかりだ。
(サンデー毎日2月4日号から)
写真は箕面団地の給水塔。普段見慣れていて気にも留めない存在になっている給水塔でした。先々週のお天気の良い日、芦原公園越しに団地の給水塔を見ていて、急に思い立ちました。そうだ給水塔のふもとを見たことが無いと思って団地の中に入ってみました。大きくて高くてカメラには収まりきらない。根本?が児童公園になっていてパンダの遊具があるのも初めて知りました。