21日の金曜日はお茶のお稽古日でした。4時に来客があるので私は早退覚悟。お二人は既にお座敷で座っておられました。三人そろったところで、先生が大きなお盆に桔梗の花の形をしたガラスの器にわらび餅をいれて、お煎茶を添えて出されました。よく冷えたわらび餅には黄な粉がかけてあり沖縄産の黒糖が絡めてあります。先生手作りのわらび餅が冷えていて、お煎茶は適度に熱くて、良い取り合わせ。美味しくいただきました。
先月のお茶のお稽古は月末の29日でしたので、3週間と少ししか経っていません。今年に入って老人会の会長でもあるNoさんが、地域で相次ぐ葬儀の後、相続の問題でもめて大変なことになっている。我が家は大丈夫と言わず生前に遺言で遺産相続のことを決めてもらうようにと助言をいただいていました。その時はまだ直接両親に言い出せなくて、遠方にいる妹たちに話してみました。妹たちも賛成、特に下の妹は連れ合いの実家の問題でハンコをもらう大変さを経験済みで、遺言を書いてもらうことを強く勧めてくれました。
それでも、実際に言い出せたのは母が退院してきた8月中頃のことでした。妹たちの意見を伝えたことが母を後押ししてくれて、夫が父の思いを代弁して作ってくれた遺言書を母に見せ、納得した母と一緒に父に見せました。父は時間をかけて天眼鏡を使ってじっくり読んだあとで、しっかりした字で署名してくれました。これで私が夫に先立つことがあっても、この家と土地が夫のものになることが確実になりました。そのことを先月のお茶の日に報告して、10日ほどで父が亡くなったことになります。皆さん本当に驚かれました。先生のお母さんは施設に入所しておられますが、父と同い年の102歳。100歳過ぎて自分のことを自分でできている年寄りなんて…と驚かれていました。大往生ねと言われましたが、その通りです。
さて、お茶です。お花はアケビの籠に白いむくげとピンクのむくげとフジバカマ。お軸は満月に一刷毛の船。忙中閑の文字。お棚は、先月に続いて塗りの施していない生地のままの桐の丸卓(まるじょく)です。水差しは丹波焼。
水屋に入ると珍しい赤い水引草の絵が描かれた鉢に栗饅頭が置いてありました。お干菓子はベトナム土産のヤシの実を半分に切って中に貝細工が施してあるものが使われていました。主菓子をまずお客さんに出して、仕組み茶碗を。
お茶碗は、水色に白い色が混ざった斑唐津(まだらからつ)風京焼のお茶碗とひょうたんの絵が描かれたお茶碗を選びました。瓢箪のお茶碗は先生が「膳所焼(ぜぜやき)」と言われました。初めてでしたので家に帰って調べてみました。徳川の時代になって藩窯として起こされたようです。大津あたりが膳所ですね。鉄釉のかかったごつごつしたものから京焼のような華やかな絵付けのものまであるようです。
蓋置はどっしりした竹の節を切り取ったような形のもの。用意してある棗は、大きめの黒漆に金彩でたっぷりと秋の野草が描いてあり「秋の野」という名前がついています。
2服点てた後、Naさんが水屋に入られたのでカメラを持って私も。
黒いお茶碗は、白い芙蓉の花が描かれた九谷焼とか。
上から見たら三角形の変ったお茶碗は青磁で、お正月の「勅題」が「森」の年なので絵柄に森が。これは飲むとき正面を45度左へずらしますと三角形の角で飲むことになりますので、飲みやすいお茶碗です。この日、左肩負傷のためお点前を休んでいたNoさんが立礼式でお茶を点てる日でしたが、私はその前に退出。来月の日を決めて先に帰りました。すっかり涼しくなった秋のお彼岸の日でした。