NHKスペシャル「詐欺の子」と幸福度ランキングと「NHK大改編で消される部署」

日曜日のNHKスペシャルドキュメンタリードラマ「詐欺の子」は衝撃的!でした。新聞欄でも取り上げられていたので忘れないようにと思って見たのですが、ショックでした。

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先週のヨーガの時もオレオレ詐欺が話題になっていました。私たち年代は被害者世代ですし、実際、電話がかかってきて、寸でのところで事なきを得たという経験者も身近にいます。どうも高校の卒業生名簿が出まわていると警察から注意されたというお話も。我が家でも先日来、変な電話が2度。出ても若い男の子の声で訳のわからないことを言うので、お名前は?どちらへおかけですか?と訊いたら切れました。留守の確認なのか、オレオレなのか、気味が悪いと思っていました。
このドラマ、だまされる者の切なさ、騙す方に回る若い子たちの安易さと罪深さに気づいた時の悲痛さがたまらなく、苦しいほどです。

 2003年の発生から15年、1日1億円の被害が出ているとされる特殊詐欺。特殊詐欺で逮捕された未成年者は昨年754人を数え、過去最多となった。なぜ若者たちは詐欺に手を染めるのか。「格差社会ニッポン」が生み出した「詐欺の子」の姿を、複数の実話を基にドラマとドキュメントで紡ぎ出す。

 特殊詐欺の実態を取材して、1年以上かけて制作。「“知っているつもり”でいることは恐ろしいことで、自分も取材を通して始めてこうなっているのかと、だから減らないのだと、どういう気持ちで若い子たちが詐欺に手を染めているのかということを思い知りました」と川上剛ディレクター(名古屋放送局)。全国10ヶ所以上の少年院や元かけ子の男性、かつて組織のトップにいた人たちから話を聞き、作家の高田亮氏と構想を練り上げていったという。

オレオレ詐欺で騙された光代(桃井かおり)の、「それでもあれは息子の声だった」と信じていたい気持ち。被害者といえども、騙されたものが悪いと世間から非難されたり笑いものになったり。挙句、夫は自殺。それから数年後、また電話が。おとり捜査に協力し、裁判で証言もする。でも、あの時のあれは、息子だったと信じたい。

騙した本人が謝罪してお金を戻しに来たということは、あの声は息子だという一縷の望みを絶たれること・・・では、本当の息子は? 悲しい現実ですね。

 中学生の受け子・和人(渡邉蒼)、まだ中学生で思慮分別もなく仲間に引き込まれて犯罪に手を染める、リアルそのもの。かけ子のリーダー大輔(中村蒼)、その母(坂井真紀)。この母親も気の毒でした。仕送りのお金が詐欺だと感づいて息子に「誰の子なの?」と詰め寄り、貯金通帳を渡して返してきなさいと息子を突き放します。事件が公になるや母親のアパートには犯罪者の家とたくさんの酷い落書きが・・・

 本当に悪いのは、かけ子や受け子を使って箱と呼ばれる密室を作リ、そこで電話をかけさせ受け子にお金を受け取らせる、一週間たてば引き払って又別にという、元締めの人たち。この人たちが若い子に「年寄りの遊んでいる金を社会に還元させる」と一種の洗脳で罪悪感を無くさせるのですが、操っているこれらの人たちを警察が捕まえない限りオレオレ詐欺は根絶できないですね。
 最後に、裁判にかけられた大輔に検察官が言う言葉が、「同じ境遇でもまじめに働いているものはたくさんいる。被告は、環境や境遇のせいにして一切の努力をせず安易な詐欺の道に入った」。私たちも普通に言いそうなことです。

 でも、それでは、受け子やかけ子になる若い人たちの本当の原因や理由や気持ちがわからないし、受け子もかけ子もなくならないだろう・・・じゃ、本当の原因って? だます側も、騙される側も、間違いなく今の世の中のひずみが生み出しているはず・・・怖いドラマでした。(写真の引用元:NHKスペシャル | 詐欺の子)

◆◆先日から気になっていたNHKに関する記事、どちらも俳愚人さんがブログで取り上げておられます。まず、俳愚人さん(俳愚人 blog)の21日のブログで取り上げられた幸福度ランキング。

日本はG7=主要7か国で最低の58位。それはそうでしょう、幼い子が虐待で殺され続け、学校ではいじめが無くならない。政治家はうそをつく、官僚はその嘘に合わせて公文書を改ざんしたり廃棄したり。大人が責任を取らない世の中になってしまって、弱い立場の者たちには自己責任を言い募る。これで、何が幸せ? どこが幸せ?

◆◆◆幸福度を報じるNHKですが、いまNHKが大変なことに。

同じく、俳愚人さんがブログで数日前に取り上げておられた記事です。

どういう改変かというと:本文にはイラストがあって、それを見るとよくわかるのですが、こちらの説明を引用です:<◆加速する「安倍シフト」◆18年越しの“対立関係”>の見出しの記事はNHKの変遷と窮状がよくわかります。

 縦割り体制の見直しを目的とした組織改編という理由はもっともに聞こえるが、今回の改編には、それとは“別の意図”が見え隠れするという。
「改編と言っても、旧来のほとんどの部署は横滑りで新ユニットに移行する。例えば、『青少年・教育番組部』は第1ユニットの『教育・次世代』に、『エンターテインメント番組部』と『音楽・伝統芸能番組部』は第5ユニットの『音楽・芸能』に改編されるので、業務内容はこれまでと大きく変わらない。
 しかし、『文化・福祉番組部』だけは複数ユニットに分割されることが提案されており、事実上の“解体”ですそれについては明確な説明がなく、文化福祉の職員から不満の声が上がり、反論の意見書を出すことになった。70名以上の部員全員が声を上げるのは異例のこと。この改編は文化福祉の解体を狙い撃ちにしたものだったのではないか、との疑いが部員たちの中にあるのです」(文化・福祉番組部に在籍経験のある局員)